txt:林和哉 構成:編集部

4K編集に必要なモノ

4K編集のニーズが明らかに高まっていて、対応を謳った機材の発売、それを取り入れた編集室がどんどん立ち上がっています。アプリケーション、PCパワー、ストレージ、そういった環境は整ったとしましょう。残す大事な要素は、モニタリング環境ですね。

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EIZO ColorEdge CG318-4K

4Kをモニタリングするに関しては、モニターをどうするか、という悩み事もあります。4Kのマスターモニター、ピックアップモニターはどうしても高価になりがち。その中にあって、筆者が注目しているのは、EIZOのColorEdge CG318-4K(税抜500,000円)とColorEdge CG248-4K(税抜250,000円)です。

定評のあるカラーマネジメント機能を持ち、Rec.709、Rec.2020、DCI-P3などのカラースペースに切り替え可能。正しく4Kの信号を送り込んであげれば、これで行けそうです。

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EIZO ColorEdge CG248-4K

Avidでは、ソースモニター、レコードモニターともに、表示カラースペースを指定する事が出来ます。ColorEdgeへDisplayPortを経由して表示している編集画面でカラーマネジメントが出来るのは、とても安価で頼りになるセッティングです。フルスクリーンで表示すれば、4K等倍のプレビューが簡単に行える。当然、こちらでも表示カラースペースが設定出来ます。その他のアプリケーションでは、外部に信号を出し管理する必要があり、4Kの信号をPCから出すには、ビデオI/Oインターフェースが必要になります。

4K対応のビデオI/Oインターフェースも、各社が続々発表しています。その中で、いくつか気になるものについて、考察してみましょう。

4K対応のビデオI/Oインターフェースはどうだろうか?

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UltraStudio 4K Extreme

Blackmagic Designから、UltraStudio 4K Extremeが発表されています。価格は税抜365,800円。先行するUltraStudio 4K(税抜121,800円)とは相当の価格差があります。はたして何が違うのでしょう。現時点でハッキリしていることは、ProResとH.265のエンコードハードウェアを内蔵している、ということです。

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UltraStudio 4K

4Kの素材をプレイヤーからキャプチャする際に、ProResとH.265の変換をエンコードチップがCPUやGPUの肩代わりしてくれる事で、Thunderbolt経由でMacに流れてくるデータは、4K記録されたコーデックのデータ量よりもはるかに軽くなって、ラップトップ型でも4K編集が出来る、というらしい。

この表記で分かる事は、キャプチャ作業ではハードウェアエンコードを実現している、ということですね。ハードウェアエンコードでキャプチャが実時間で確実に終わる。現時点でPCの能力に大きく依存するエンコード作業を専用チップが行えば、PCの能力は大きく問われず、必ず一定の時間で終わることが担保される。この事実は大きいです。

しかし、です。ワイアードで4K素材を取り込む、というシチュエーションが果たしてどれくらいあるか、ということが気になります。

現在はファイルベースが当たり前になり、筆者的にはデッキからのデータ立ち上げの機会をこの数年持っていません。つまり筆者の大きな関心事は、ビンに取り込んだ(リンクした)メディアをエンコードする際にそのエンジンが有効になるのかどうか、ということです。本稿執筆時、実機が日本に無く、その動作の確認が取れなかったのですが、これが出来れば、「絶対に買い」の製品ですね。

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Artist DNxIO

このUltraStudio 4K Extremeには兄弟がいます。Avidから9月初旬に出荷開始されたDNxIOです。UltraStudio 4K Extremeの出荷が遅れている今、試せる実機は正にこれだけ。Blackmagic Designと共同開発し、ProRes変換ではなくDNxHR変換の機能を付加したビデオI/Oインターフェースだ。

メーカーサイトのDNxIOの特徴の中に、「メディアやカラー・スペースは、オンボードのハードウェア・プロセッシングによりすばやく変換できます」という表記がありました。ということは、上記の買い条件が詰まっている、ということでしょうか。翻って、兄弟であるUltraStudio Extreme 4KもOKということでしょうか!?

これは是非とも試してみたい、と思ったのですが、DNxHRコーデックのハードウェア対応は、年内を目処にしたソフトウェアアップデートにより実現する、とある。ということで、結局現段階ではやっぱり確認が取れなかったのでした。このハードウェアエンコードが、ビンに登録されたメディア(またはHDD内でも良い)に対して実現するのであったならば、絶対買いなのは間違いないです。

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AJA Io 4K

そうで無かった場合、AJAから発売されているIo 4K(税抜281,000円)という選択肢が出てきます。こちらはエンコードハードウェアを搭載していないが、必要なものは全てそろっています。一番大きな要素は、コンパクトで可搬性に優れる、というところでしょう。

いずれにせよ、何かしらの4K対応ビデオI/Oインターフェースを導入しないと、モニタリングがままならない状態が続きます。

現段階では、Avidのモニタリングフローが一番不安なく、コストパフォーマンスに優れるかもしれません。筆者は実際にColorEdge CG318-4Kを導入して、Avid Media Composerでの仕事の割合を増やしました。

今回は、不明点の整理と実運用に向けての考察の序盤でした。またいろいろと見えてきたら、ご報告しましょう。

WRITER PROFILE

林和哉

最新技術が好物でリアルタイムエンジンにゾッコン。Unity Technologies Japanの中の人。セミナー講師経験豊富。