[DIGITAL SIGNAGE EXPO 2010レポート]成熟過程に入った米国サイネージ市場
2010-03-09 掲載
今年も2月23~25日に「Digital Signage Expo 2010」が米国ラスベガスで開催されたので出かけてきた。全体の印象としては、昨年に比較してみると出展規模や参加者数も着実に拡大増加していた。特に比較的大規模な出展が増加して、ベンチャー企業のような小さな出展はむしろ減少したように思えた。これは徐々に業界全体として成熟過程に入ったことを表しているようだ。一方、日本からの参加者は昨年の半分以下であったと思われる。
CELL高速画像処理やハーフHDサイズ表示の出展
それでは、会場内で目に付いたものを紹介しよう。まず最初に、新しい技術に関しての展示をいくつか紹介する。
ソニーが日本以外で展開しているシステム「ZIRIS」は、PS3に搭載されているCELLプロセッサーを搭載することで圧倒的な画像処理能力を持っている。専用のオーサリングツールを利用して、写真にあるようなディスプレイレイアウトであっても擬似的に1枚のディスプレイとみなしたり、個別の表示をさせたりといったことが自由自在に実現できる。こうした表示をさせるために仮に従来型のポスプロで作業行った場合には、想像できないくらいの時間と手間がかかるものだが、これをいとも簡単にこなしてしまうのがCELLのパワーである。
ディスプレイ関連ではBrookview Technologies社が「HoloPRO」という透明なパネルへのタッチパネル式の表示ソリューションを展示した。HoloPROは、透明フィルムを2枚のガラスの間に密封したディスプレイだ。一定方向からの入射光だけを偏光・出力して、他の角度からの入射光は透過してしまうので、プロジェクターの投影映像のみが表示される仕組みだ。Intelブース(写真右)で同社の製品を使用した展示が行われていた。向こう側が透けた状態で、あたかも空間に画像が浮かび上がるように操作できるのは近未来的だ。ディスプレイ上にあるタッチセンサーは静電容量検知式で、USB接続されている。
SunBriteTV社は、屋外設置するためのディスプレイや防水ケースなどを専門に扱う会社だ。こうした企業が存在しているところにも、米国のサイネージ市場の層の厚さを感じられる。
NECが、これまでにないサイズのディスプレイとして、1920×540ピクセルのLCDを参考出品した。かなり横長に見える印象だが、この解像度とサイズはフルHDサイズの高さを半分にしたもの。駅や商業施設のサイン用途として大きなニーズがあるかもしれない。
これからデジタルサイネージがHD化していく中で、ニーズが急速に広がりそうなものとして、HDMIの分配器がある。写真はmagenta社の32分配の例だが、こうした技術は発展途上であり、地味ながらも注目に値する。
[ Writer : 江口靖二 ]
[ DATE : 2010-03-09 ]
[ TAG : DIGITAL SIGNAGE EXPO ]
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江口靖二
1986年慶應義塾大学商学部卒、慶應義塾大学新聞研究所修了、日本ケーブル
テレビジョン(JCTV)入社。技術局、制作局、マルチメディア室、経営企画
室を経て開発営業部長。CS、BS、地上波の番組制作、運用を経験。00年AO
Lジャパン入社、コンテンツ部プログラミングマネジャー。02年プラットイーズ
設立に参画し放送通信領域のコンサルティングに従事。08年独立。現在デジタル
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ェフィーロ取締役などを兼務。
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