[AFCIレポート] 25周年を迎えたロケ地PRのためのAFCI Locationトレードショーが開催

HOME  >  COLUMN  >  石川幸宏  >  [AFCIレポート] 25周年を迎えたロケ地PRのためのAFCI Locationトレードショーが開催

Column

[AFCIレポート] 25周年を迎えたロケ地PRのためのAFCI Locationトレードショーが開催

2010-05-11 掲載

[AFCIレポート] 25周年を迎えたロケ地PRのためのAFCI Locationトレードショーが開催

世界のフィルムコミッションが参加するAFCI(国際フィルムコミッショナーズ協会)が主催するロケーショントレードショーが、今年も4月15,16,17日の3日間、米ロサンゼルスのサンタモニカ・シビック・オーディトリアムで開催された。毎年この時期に開催されている本展示会は、今年で25周年の節目を向かえる。

AFCIは、1975年にアメリカで設立された非営利教育団体であり、現在、世界41カ国、307団体が加盟している。「Cineposium」と呼ばれる教育プログラムや、毎年開催されているこのロケーショントレードショーの開催などを主な活動としている。ハリウッドの映像制作者に対して、世界各地のロケ地誘致のためのPR展示会が、このロケーショントレードショーであり、今回は160のフィルムコミッションがブース出展した。

AFCI_jpn.jpg 日本は各ロケーション合同で参加

日本でも平成12年ごろからにわかに機運が高まってきたフィルムコミッション。現在、全国フィルムコミッション連絡協議会に参加する団体数は、今年3月時点で101団体になるが、その中でもAFCIに加盟しているところがある。AFCIの正会員には、さっぽろフィルムコミッション、東京ロケーションボックス、那須フィルムコミッション、なごやロケーション・ナビ、大阪ロケーション・サービス協議会、神戸フィルムオフィス、姫路フィルムコミッション、広島フィルムコミッション、萩ロケ支援隊、北九州フィルムコミッション、福岡フィルムコミッション、大分市ロケーションオフィスの12団体が参加している。今回も日本ブースとして合同参加している。

AFCI_det.jpg

ロケーショントレードショーには各フィルムコミッションの他にも、ロケ地で様々なサービスを行う企業も参加しているところが面白い。映画制作雑誌などの映像系出版社をはじめ、ヒルトンやマリオットなどの海外に広くネットワークを持つホテルチェーンや、エアーコンディショナーやレンタルトイレ施設、ケータリング用具企業など、これら多くはアメリカ国内もしくは北米でのサービスを中心としているが、こうした企業も積極的なPRに余念がない。

各地の税金控除合戦が熾烈

今回の傾向として目についたのは、例年になく税金控除、免除などによる誘致合戦が繰り返されている。リーマンショック以降、ハリウッドの映画産業も制作費削減による経済不況に陥っており、なかなか大規模なロケ隊がロケ地まで行かなくなっていることから、各地は免税による控除制度を積極的にPRして、政府レベルでの誘致促進を仰いでいる。ブースの各所には、30%〜40%などの免税控除の割引率の数値が目立った。

日本では馴染みのないこの制度だが、映画やテレビドラマの撮影が、そのロケ地にホテル代、交通費、食費、機材レンタルなど多額の金額を落とすことから、例えば米国ならば、売上税や使用税の免除、ホテルにおける宿泊税の免除が、各州ごとに税額控除制度として設けられている。その他の国でも制作会社が現地の撮影会社を使用していくらか以上の金額をその国に落とした場合、その撮影会社の法人税が、あとで何パーセントか免除され、従ってその分を制作費から値引く、というような仕組みもある。

つい先日も、映画「のだめカンタービレ<最終楽章>」が、フランス国内の免税措置の適用を受けたことが話題になったが、各国がすでに様々な優遇措置が存在しているのが現状だ。

AFCI_araska.jpg アラスカのフィルムコミッション

日本では残念ながら海外諸国ではすでに一般化している税金免除制度は存在しない。日本のフィルムコミッション関係者によれば、その代わりに日本では、制作者のユニオン(組合)が存在しないことを逆手に取るといった方法でロケ誘致を推進しているという。

例えば、9時から5時までという就業時間が明確でないため、たとえ撮影が伸びても延長料金が発生しない、などである。確かにこれを合算すれば、現地撮影費にかかる数パーセントの税額を控除するよりもメリットはあると思われるが、逆に日本の制作会社にとっては、3K商売のレッテルを張られているキツい映像制作現場というイメージが、益々厳しいものになってしまうのでは?と一抹の不安も感じた。

いずれにせよその国の観光産業の起点となるような映画へのイメージ・プロパガンダは、いま現在でも重要な産業である事を日本ももっと重要視すべきかもしれない。会場には、そうした資金面での側面をサポートすべく、フィナンシャル系の金融企業も出展していた。

AFCIロケーショントレードショー http://www.locationstradeshow.com/


[ Writer : 石川幸宏 ]
[ DATE : 2010-05-11 ]
[ TAG : Report NOW! ]

関連のコラム一覧

[SIGGRAPH ASIA 2011]香港で開催されたSIGGRAPH ASIAを見る!

[SIGGRAPH ASIA 2011]香港で開催されたSIGGRAPH ASIAを見る!

2011年12月12~15日、香港コンベンションセンターでCG映像の学会イベント、ACM SIGGRAPH ASIA 2011が開催された。毎年1回アジアで開かれるこの大会の様子を .... 続きを読む

[CEDEC2011]国内最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けのカンファレンスが今年も開催

[CEDEC2011]国内最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けのカンファレンスが今年も開催

13回目の「CEDEC 2011」 9月6日から9月8日の3日間、神奈川県のパシフィコ横浜・会議センターで、コンピュータエンターテインメント開発者向けのカンファレンス「CEDEC .... 続きを読む

[ASTRODESIGN Private Show 2011]アストロデザイン新技術や最新製品を一同に展示

[ASTRODESIGN Private Show 2011]アストロデザイン新技術や最新製品を一同に展示

7月7日(木)~7月8日の2日間、東京・大田区南雪谷のアストロデザイン本社ビルにおいて、同社の開発した新技術や最新製品およびソリューションを一同に展示した恒例の「Private S .... 続きを読む

[3D&バーチャルリアリティ展]4Kディスプレイや関連カメラ、次世代映像や放送技術の展示も充実

[3D&バーチャルリアリティ展]4Kディスプレイや関連カメラ、次世代映像や放送技術の展示も充実

映像業界をカバーする傾向になった3D&バーチャルリアリティ展 6月22日より24日まで東京ビッグサイトで「第19回 3D&バーチャルリアリティ展」が開催された。設計・製造ソリューシ .... 続きを読む

[DSJ 2011]さらに進化するデジタルサイネージの世界

[DSJ 2011]さらに進化するデジタルサイネージの世界

デジタルサイネージジャパン 2011が見せる新しい世界とは? 6月8~10日の3日間千葉幕張メッセにおいてInterop Tokyo 2011、IMC Tokyo 2011、デジタ .... 続きを読む

[IMC TOKYO 2011]マルチスクリーンビジネス新時代を支える試みとは?

[IMC TOKYO 2011]マルチスクリーンビジネス新時代を支える試みとは?

IMC Tokyo 2011が今年も開催された! 2011年6月8日から6月10日まで、千葉市美浜区にある幕張メッセでIMC Tokyoが開催された。IMC Tokyoは、放送映像 .... 続きを読む

関連のニュース記事

WRITER PROFILE

石川幸宏 映像専門雑誌DVJ編集長を経て、2009年4月よりリアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。


Writer

編集部(99)
PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートです。
稲田出(27)
映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチールカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。
石川幸宏(35)
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
小寺信良(23)
業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポートする動画連載。
raitank(5)
あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。海外から仕入れた情報を日本語で発信するグラフィックデザイナー/アートディレクター。
ふるいちやすし(44)
自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。
岡英史(19)
バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン
手塚一佳(44)
CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。
江夏由洋(13)
兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。
山本久之(26)
映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。
林永子(26)
2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」
鍋潤太郎(18)
ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。
高野光太郎(4)
映像クリエイター。フリーランスにてミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
安藤幸央(9)
無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。
猪蔵(5)
いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。
山下香欧(8)
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
ヒマナイヌ(5)
頓知を駆使した創造企業
坪井昭久(5)
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
萩原正喜(69)
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
岡田智博(7)
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
江口靖二(5)
デジタルサイネージコンソーシアム常務理事、慶應義塾大学DMC機構研究員などを兼務。
しらいあきひこ(2)
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
今間俊博(5)
尚美学園大学 芸術情報学部 情報表現学科 教授。アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
伊藤裕美(5)
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
秋山謙一(17)
PRONEWS記者。映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
UserReport(10)
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs(8)
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

HOME  >  COLUMN  >  [AFCIレポート] 25周年を迎えたロケ地PRのためのAFCI Locationトレードショーが開催