ソニーとユニバーサルの2大レコード会社が保有するオンラインミュージックビデオサイト「VEVO」が、ようやくオンライン番組「VEVO TV」を開始する。3月8日から開催されている、音楽コンベンション”サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)”にて発表された。

VEVO TVでは、ライブコンサートやアーティストのインタビュー、プリミア・ビデオや「Live On Letterman (CBS放送)」といったオリジナル音楽番組およびVEVOオリジナルの音楽番組を配信していく。既存のVevo.comに加え、iOSやAndroid、Windowsタブレットやスマートフォン、そしてRokuやXboxといったゲーム機経由でテレビでも視聴できる。インターフェイスには番組ガイドがあり、どの番組が放送されているかという予定表が一目でわかるようになっている。VEVOはもともと、ケーブルサービス向けの番組開設を目指していた。今回のVEVO TVも、オンデマンドとは違いケーブルで番組を見ている感覚で、番組をクリックしてリアルタイムを視聴するようになっている。

番組式モデルは、より効果的にコンテンツを収益化することができるという。YouTubeは5秒たつと広告をスキップできるTrueviewプラットフォームで行われており、視聴者が5秒後に広告を続けてみていないとコンテンツ制作側に収益は入ってこない仕組みである。

VEVO TVの広告モデルでは、個々のビデオではなく1時間枠でスポンサーできるようになっている。現在はState Farm、マクドナルドやアディダス、RedBullのスポンサー提供として番組配信を行っている。ビルボードのオンラインサイトによると、VEVOは、ケーブル、衛星、ゲーム機などの多様なOTTデバイスを介してどんなものからでもVEVO TVが観られるという、ネットワークやディストリビューションにとらわれない構築を目指しているという。

(山下香欧)