2年ぶりの世界最大のイメージング機材ショー開催

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9月16日より5日間多くの参加者が集う

今年で第33回目を迎える、Photokina(フォトキナ)は、2年に一度ドイツ・ケルンのケルンメッセで開催される。写真・ビデオ・画像コミュニケーションにおける、世界最大のイメージング機材ショーとして有名で、毎回世界各国から多くの来場者が訪れる。今年は9月16日(現地時間)より5日間開催された。

今年も185,000人の登録来場者があり、世界160カ国からの参加、ビジターの44.3%がドイツ国外からの来場者で、今年は特にアメリカ、南東アジア、オセアニアからの来場者に大きな伸びがあり、やはり世界最大規模であることを実証したようだ。出展は51カ国、出展社数1074社、そのうち68%がドイツ以外の海外企業だ。ちなみに一般の入場料が€45(日本円で約6,000円)/1日、通しチケットになると€123(日本円で約17,000円)と、展示会にしてはなかなかの値段にも関わらず多くの人が集まる事からもその人気の高さが窺い知れる。

今回、全体を通じて見えたのは、アクションカム、ライフスタイルカム、ウェアラブルカムといった小型で新たな映像を生み出すツールが、一つのジャンルが大きく台頭してきたところにあるだろう。またマルチコプターなどヘリ関係や3軸ジンバルといった流れは、このところの映像機器展示会と同じ流れだ。新たな流れとしては360°写真 / 映像のソリューションがカメラ、ソフトウェアともに増えたことだろう。カメラだけではなく、スマートフォン及びiPhoneのソリューションも多く、それを扱う領域の企業参加も増えたということになる。

展示会以上に伝わってくるモノとは?

フォトキナは一言で、写真や映像の文化を感じる展示会であると言っても良いだろう。通常の展示会とは違う雰囲気。ブース等も趣向が凝らされている事が多い。

出展者筋によれば、先だってオランダ・アムステルダムで行われたIBCが欧州における映像トレンドの先端を追って来たが、今年はより放送局やハイエンドユーザー向きに重きを置いた展示に立ち戻った感がある。また前回2012年のフォトキナ時には、DSLRなどのコンスーマ機材がプロ向けにも使用されてきたことで、フォトキナでのムービー系の出展が大きく増え、また来場者からの反響も大きかったようだ。

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会場の入り口Hall1は、全てライカ社のブース。半分以上をギャラリーとトークショー会場に割かれており連日多くの人がライカブースに足を運んだ

今年はフォトキナ開催年、また開催時期が非常に近寄っていたことからも、放送などハイエンドはIBCへ、ミドルレンジ以下の層に関してはフォトキナへとメーカーも出展の力の入れ用を調整したように見える。とはいえ、フォトキナでは全てのレンジをカバーしていたことも印象的だった。

とはいえ、ライカのお膝元であるドイツでの写真とカメラ機材の総合展示会であることに揺るぎはなく、ライカの大きな存在感の前には日本の各大手カメラメーカーも全く及ばないような存在感が感じられるのもまたフォトキナの醍醐味でもある。もちろん、日本を代表するカメラメーカー=キヤノン、富士フイルム、ニコン、オリンパス、ソニー、リコー、シグマ、タムロン、エプソン、そしてパナソニックと、各社共に大規模出展を果たし、カメラ技術大国の称号は依然として保たれている。

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会場横には大きなブラックマジックデザインのバナーが掲げられていた

映像分野ではブラックマジックデザインがここでも大きな規模で展示を行っていた。またRED社もIBC以上に大きなブースを構え、SAMSUNGなど韓国系、SAMYANGなど中国系企業の新興勢力の勢いも増しているのは確かなようだ。それでは2年に一度のフォトキナを見て行こう。

txt:石川幸宏 / 編集部 構成:編集部


[Photokina2014] Vol.01