PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [CES2016]Vol.05 パーソナルライブストリーミングが話題になった放送系のセッション

News

[CES2016]Vol.05 パーソナルライブストリーミングが話題になった放送系のセッション

2016-01-11 掲載

CES2016_05_top
txt:江口靖二 構成:編集部

パーソナルライブストリーミングがなぜ話題になるのか?

CESでは会場での展示の他にも、膨大な数のセミナーが行われる。これらの中から、今年もマルチスクリーンやOTT関連の複数のセッションに参加した。それらはまさにテレビ局のマルチスクリーンへの対応や、NetflixなどのOTTサービスに関する内容であろうと思って参加したし、実際の事前のアブストラクトにはそういう趣旨のことが書いてある。ところが興味深いことに、どのセッションにおいても、話題の中心はパーソナルライブストリーミングになっていくのである。

CES2016_05_04958 「Ultimate TV: The OTT – Multiscreen Experience」のセッション
ジャングルクルーズを楽しんでいる人のライブストリーミング

ジャングルクルーズを楽しんでいる人のライブストリーミング

ここで言うパーソナルライブストリーミングというのは、「Periscope」や「Meerkat」のような、スマートフォン単体ですぐにライブ動画配信を行えるものを指す。日本ではまだメジャーになっているとはいえないが、アメリカでは昨年からかなり注目されているサービスである。背景としては、Twitterの普及がベースにあり、それに「Snapchat」によって動画を共有するという使われ方が浸透した結果、ライブストリーミングに移行してきているという話。きっかけは昨年ニューヨークで発生したガス爆発事故が、一般人によるPeriscopeでの中継で一気に知名度を上げたとのことだ。

火災現場に居合わせた人?の現場からの生々しいライブストリーミング

火災現場に居合わせた人?の現場からの生々しいライブストリーミング

PeriscopeはTwitter自らが買収したサービスで、Twitter連携が容易であることが特長。Twitterのタイムラインでライブストリーミングの開始を知った人が、すぐにアクセスできるというもの。

たとえばこの原稿を書いている時にPeriscopeにアクスセスしてみると、アナハイムのディズニーランドでジャングルクルーズの中継をしている人がいたり、カナダから火災現場の生々しい中継を行っていたりと言った具合だ。こういう生っぽい(いや生なのだが)中継映像のリアル感、リアルタイム感というのは作り物っぽいテレビとは別のインパクトがある。

セッションでは、こうしたパーソナルライブストリーミングは、テレビにとって少なからざる脅威になるという話で意見が一致する。つまりYouTubeのように、「制作」を伴うものは一般人には敷居が高いが、その場所の状況をスマホで流すだけなら誰でも出来る。その「状況」が、日常だったり、非日常だったり、事件や事故だったりによって、視聴される数や価値が変化するという。要するにTwitterやFacebookと全く同じだということだ。

成長の鍵は、テレビ局がどう位置づけるのか?どう活用するのか?

これだけの数のスマートフォンが世界中に散らばっていて、それはカメラと中継装置を備えているるわけだから、テレビのある部分の役割は代替されていくだろうということだ。聞いていて思ったのは、例えば放送としてのラジオが、かつてハガキのリクエスト中心で成立していたのが、FAXになり、メール、Twitterに変わっていった。その時代のリスナーとのコミュニケーションツールがより便利でスピーディーになって来たわけだ。少なくともラジオは、こうしたツールを積極的に活用してきた。

ではテレビはどうだろう。どちらかと言うと完パケの作品を放送することが中心で、それらをニュースやスポーツなどの中継が、完パケものを補完している。映像完パケものは一般人には手を出しにくいので、テレビはさほど市場を侵食されることはなかったが、ある場所、その場の状況をスマホでHDとか4Kで伝送できるようになると、テレビ局の中継クルーがどれだけいても勝てるわけがない。

こうしたパーソナルなライブストリーミングをテレビ局がどう位置づけるのか、どう活用するのか、これからの大きなテーマになるのではないだろうか。少なくともアメリカでは、作り物の方はNetflixが担当してきている感じは否めない。

txt:江口靖二 構成:編集部
Vol.04 [CES2016] Vol.06

[ Category : , ]
[ DATE : 2016-01-11 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

CES2016_08_top

[CES2016]Vol.07 総括:CESで見えたもの、見えなかったもの

txt:小寺信良 構成:編集部 今年のCESは、どうだった? プロ業界でも、数年前からCESに対する関心が高まってきている。機材面でプロアマの境目がなくなってきたこと、... 続きを読む

CES2016_06_top

[CES2016]Vol.06 C Spaceの会場から見えてきた「テクノロジー」と「コンテンツ」の関係性

txt:山本 愛 構成:編集部 なぜ今、CESがアド&マーケティングに注目? 昨年、CESでは初の試みとして、Tech South 「C Space」という広告やマーケ... 続きを読む

CES2016_04_top

[CES2016]Vol.04 小寺信良のドローンゾーンを訪ねて〜活況なUnmanned Systemsゾーンより

撮影 / txt:小寺信良 構成:編集部 会場でも見逃せないドローンの数々 CESの影の主役といえばドローンです!今年も昨年に比べて、ドローンの展示部分は増... 続きを読む

CES2016_03_TOP

[CES2016]Vol.03 会場に見られる映像空間演出あれこれ

txt:江口靖二 構成:編集部 いかに目を引くか?会場の演出からCESを考える CESの見どころの一つとして、各社がどういったブース演出を行うかというのも毎年楽しみである。... 続きを読む

CES2016_02_00_top

[CES2016]Vol.02 テレビは主役どころか脇役ですらなくなったCES2016

txt:江口靖二 構成:編集部 かつての主役の行方は…? 少なくともこの10年くらいは、CESはテレビを中心に構成されていたと言って過言ではないだろう。基調講演にはソニー、... 続きを読む

CES2016_01_top

[CES2016]Vol.01 縮小するカムコーダー市場、ソニーの決断

txt:小寺信良 構成:編集部 プレスカンファレンスで冒頭挨拶する平井一夫CEO プロ映像業界とコンシューマーの線引きが曖昧になった2016 毎年1月に米国ラスベガス... 続きを読む

CES2016_00_top

[CES2016]Vol.00 International CES 2016開会直前〜もはや家電ショーではない展示会へ様変わり

開催直前のCES2016より 世界最大の国際家電見本市、2016 International CES(Consumer Electronics Show)が米国現... 続きを読む

特集記事

InfoComm2016 InfoComm2016
イベント系オーディオビジュアル機材+コンテンツ制作関係などの専門総合展示会 InfoComm2016をレポート。
Digital Cinema Bulow III Digital Cinema Bülow V
映画撮影機材の専門展示イベント「Cina Gear Expo 2016」のレポート。デジタルシネマのいまを探っていく。
After Beat NAB SHOW 2016 After Beat NAB SHOW 2016
放送が始まった4Kやそれに伴うHDRなどのトレンドを中心として各メーカーの出展製品をみていく。
NAB2016 NAB2016
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会 2016 NAB Showをレポート。
SXSW2016 SXSW2016
米国テキサス州オースティンで開催された、SXSW(The South by Southwest:サウス・バイ・サウスウエスト)をレポート。
CP+2016 CP+2016
カメラと写真の総合展示会、CP+2016をレポート。
Digital Cinema Bülow IV Digital Cinema Bülow IV
パナソニックの新たなシネマカメラ・ラインナップ「VARICAM LT(AU-V35LT1G)」をレポート。
CES2016 CES2016
世界最大の国際家電見本市、2016 International CESをレポート。
PRONEWS AWARD 2015 PRONEWS AWARD 2015
2015年は映像業界にとってどのような年だったのか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
Inter BEE 2015 Inter BEE 2015
千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2015をレポート。
InterBEE2015の歩き方 InterBEE2015の歩き方
目的に合わせたブースをピックアップし、最小限の力で最大の効果が得られる最強の「Inter BEE 2015の歩き方」を紹介。
CEATEC2015 CEATEC2015
日本で最大のIT・エレクトロニクス先進技術の展示会 CEATEC JAPAN 2015をレポート。
IBC2015 IBC2015
オランダ・アムステルダムのRAI国際展示場で開催された、欧州最大の国際放送機器展 IBC2015をレポート。
SIGGRAPH2015 SIGGRAPH2015
世界最大のコンピューターグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会 SIGGRAPH2015をレポート。

トップ > 特集 > [CES2016]Vol.05 パーソナルライブストリーミングが話題になった放送系のセッション