今年早々ソニーへの訴訟、4月にはソニーからの訴訟、今夏には創設者のJim Jannard氏の引退表明と新製品だけでなく、今年1年で様々な話題を提供したRed Digital Cinema。今年最後の大きな展示会となるInterBEEでは、6K RED DRAGONセンサー搭載のEPIC-Mが国内で初披露となったほか、電子制御式のNDフィルターを搭載したMOTION MOUNT、REDCODEアクセラレーションボードRED ROCKET-Xといった新製品が出展された。

EPIC-Mは、6144×3160の19MピクセルのDRAGONセンサーを搭載しており、16.5ストップ(HDRxを使用すると最大18ストップ)のダイナミックレンジと6Kで100 fpsのハイスピード撮影に対応しており、フィルム並みの広いダイナミックレンジと高感度かつノイズの少ない高品質な撮影を可能としている。また、既存のユーザー向けにDRAGONセンサーへの有償アップグレードが可能となっており、大メーカーにはできないきめ細かなサービスを提供している。

MOTION MOUNTは、CMOSセンサーでは避けられないローリングシャッターの問題点を解決できるもので、電子制御による調整可能なND機能を搭載しており、単純なシャッター機能だけでなく0.48~2.40(1.6~8.00ストップ)まで連続可変できるNDフィルターとしても機能する。

そのほか、REDRAY 4K プレイヤー、iOSアプリでコントロールが可能な各種Meizlerモジュール、REDSyncマスター、REDlinkワイヤレスレシーバー、6K RED DRAGONセンサーに最適化されたREDCODEアクセラレーションボードRED ROCKET-Xなどが出展されていた。

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6K撮影が可能なEPIC-M。今後同社の主流になるMysterium-Xセンサーを搭載。120fpsまでのハイスピード収録が可能なほか、16.5ストップのダイナミックレンジによる豊かな諧調表現が可能。カメラの設定・操作は本体のほかタッチパネル式のディスプレーなどで行えるようになっているがREDmoteによりワイヤレスでも行える。

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CMOSセンサー特有のローリングシャッター現象を解決するMOTION MOUNT。ソニーF65などでは機械式のロータリーシャッターでこうした問題を解決しているが、MOTION MOUNTは液晶によるシャッターを採用し、NDフィルターとしても活用できるようになっている。カメラ側から設定可能だ。

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REDCODEアクセラレーションボードRED ROCKET-X。4Kの再生やトランスコーディングをより高速処理できるようになった。4Kのリアルタイム再生のほか、RED ROCKETと比較して、5倍のファイルの処理とトランスコードを実行できる。