[Stereoscopic 3D 第2章]03: フジテレビがアリス東京ドーム公演を3D放送

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[Stereoscopic 3D 第2章]03: フジテレビがアリス東京ドーム公演を3D放送

2010-05-19 掲載

[Stereoscopic 3D 第2章]03: フジテレビがアリス東京ドーム公演を3D放送

フジテレビNEXTが、アリスの東京ドーム公演をステレオスコピック3D(S3D)収録し、4月23日19時から「3D アリス~東京ドーム『明日への讃歌』」として3D放送した。この番組が、CS放送として初めて3D放送した番組となった。

2009年に28年振りに再始動した谷村新司・堀内孝雄・矢沢透の3人組バンド「アリス」。2009年7月から全国40公演を行い、11月に日本武道館で2日間の追加公演も行った。この追加公演のファイナルとなる11月14日の公演は、フジテレビONEが完全生中継した。その生中継で発表されたのが、2010年2月28日の東京ドーム公演だった。

S3D_CX_Alice.jpg

フジテレビジョンは、この東京ドーム公演を5セットのカメラでS3D収録。パナソニックの3D対応ハイビジョンテレビとブルーレイレコーダーの発売日となる4月23日に放送した(4月29日、5月2日、5月8日にも再放送した)。S3D収録と制作について、フジテレビジョンを取材した。


S3D_CX_Alice_Website.jpg
フジテレビNEXTは、アリス東京ドーム公演をS3D収録。CS放送では初の3D番組として放送を行った。注意事項として、3Dテレビとテレビに付属する3Dメガネが必要なことと、通常のテレビでは左右に並んだサイド バイ サイドの状態になることが明記されている。3D番組が普及するまでは、こうした注意事項も必要な措置だ。(画像はフジテレビのWebサイトより)

アリス東京ドーム公演のS3D収録を提案したのは、デジタルコンテンツ局ペイTV事業センター ペイTV運営部の平野雄大 主任だ。「最初に番組を提案した時は、まだ時期尚早ではないかという反応だったんですが、私としては他局よりも先に、それもできるだけ早い時期にS3D収録の番組を作りたかったんです。3D番組の制作は通常の制作費とは異なり、機材費も人件費も編集作業時間もかかりますから、制作にどれだけ費用がかかって、どれだけ制作作業が大変になるかを実感し、その制作ノウハウをいち早く身につけたいと思いました」

平野氏は、S3D制作がフルデジタルで可能になった今回の盛り上がりのなかで、早期にワークフローの構築とノウハウを取得することが必要と感じていたようだ。 平野氏の提案を受けて、東京ドーム公演のS3D収録が決まったのは、2010年1月中旬。技術局制作技術センター制作技術部の斉藤浩太郎 部長は、平野氏からS3D収録をしたいと言われた時に「準備期間も含めて、東京ドーム公演を収録するのはかなり難しい」と感じたそうだ。「3D収録に取り組むにはもう少し小規模な会場で始めた方がいいのではないかと思っていました。3D機材を保有する会社も国内にはほとんどなく、東京ドームの規模に見合う機材が集められるか心配でした。結果的に国内にあるほとんどの機材を集めることが出来、また大きな会場だったおかげでスペースがあり、通常の中継カメラと3D撮影用のカメラがステージ周りにたくさんあったにもかかわらず、観客の皆さんの視界のさまたげにならずにすみました」

S3Dカメラ5セットを使用してライブ収録

公演のS3D収録は、1セットをスタンドに配置し、残りの4セットをステージ周辺にセットして行った。ハーフミラー式3Dリグにソニー製HDコンパクトカメラを同架したものが4セット、並行式3Dリグで池上通信機製マルチパーパスカメラを同架したものが1セットという構成だ。

カメラセッティングは公演前日から。セッティング中のステージを利用して、レンズの画角を考慮しながらカメラを配置し、3Dリグの視差調整も行った。さらに当日のリハーサルでチェックを重ね、視差調整を追い込んだ。東京ドームという広い会場であったため、リハーサル終了後の観客入場時間が2時間ほどあり、本番開始までに視差の再調整の時間を確保することができたそうだ。5セットのカメラの1つを使用してステージ周辺で撮影を担当した制作技術部の武田篤カメラマンは、S3D収録のセッティングや、2D収録とは別に気を遣わないといけない部分について次のように話した。

「ステージセッティング段階とリハーサル前までにポジションを決めて、中継車内で映像を確認しながら指示をだしてもらい、各カメラマンが視差を細かく微調整していくという作業を続けました。ビューファインダーは左側カメラの映像だけを使用して撮影を行いましたが、カメラ2台を使用している3D収録は、撮影可能な範囲や、ハレーション対策、カメラワークなどで2D収録とは違う部分があります。特に、視野周辺部に入るライトには気を遣いました。3Dリグでハーフミラーを使用しているので、違和感のあるハレーションが生じることもあります。通常の撮影ではライトを画面に入れたいケースでも、ハレーション対策のために入れないように収録しました」

こうした収録段階で気をつけるポイントを把握しながらカメラワークを考えていくことは、収録した映像の仕上がりでかなり影響してくるのだそうだ。 「3D映像は簡単に撮ることはできるんですが、演出に合ったベストな映像を撮るということになると、カメラポジションの制約など、越えなければならないハードルも高くなります」(武田氏)

S3D_CX_Alice_HDC-P1.jpg S3D_CX_Alice_HDL-45A.jpg ソニー製HDC-P1(左)や池上通信機HDL-45Aなどのマルチパーパスカメラは標準レンズマウントを採用しているので、新たにレンズを購入しなくても既存のENGレンズを使用できる。スッキリとした箱型ボディなので、3Dリグにもスマートに装着できる。

[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2010-05-19 ]
[ TAG : Stereoscopic 3D(3D映像) ]

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