[PRONEWS AWARD 2009]Vol.01 画作りを変えたカメラの登場?カメラ編

HOME  >  SPECIAL  > [PRONEWS AWARD 2009]Vol.01 画作りを変えたカメラの登場?カメラ編

Special

[PRONEWS AWARD 2009]Vol.01 画作りを変えたカメラの登場?カメラ編

2009-12-17 掲載

[PRONEWS AWARD 2009]Vol.01 画作りを変えたカメラの登場?カメラ編

2009年のカメラのトレンドは?

2009年のカメラのトレンドはなんだったのか?PRONEWSでもそのトレンドを追ってお伝えしてきた。では2009年を振り返ってみよう。

昨年からの流れで「RED ONE」の名前は、外せない。「4K」「モーションピクチャー」をキーワードに、静止画でも利用可能なクオリティを持ったデジタルシネマカメラとして新分野を切り拓いてきたと言える。4Kデジタルシネマが手の届くところに拓けてきたとはいっても、まだまだ敷居は高かった。そんななか登場してきたのは、動画収録機能付きデジタル一眼カメラだ。

2008年9月にニコンD90、11月にキヤノンEOS 5D Mark IIが相次いで発売となった。豊富で明るいスチルカメラ用交換レンズ群を使えることと合わせて話題になった。特に、EOS 5D Mark IIについてはフルHD動画収録可能なことから、2009年に入ってから各種制作用に活用され始め実績をあげてきている。この動画収録機能付きデジタル一眼の波は、2009年春に小型デジタルカメラであるフォーサーズやマイクロフォーサーズ機へも波及し、スチルユーザーによる動画収録への影響も大きかった。まさに2009年はデジタル一眼フルHDムービー分野が開花した1年といえるだろう。

2009年のビデオカメラは、ファイルベースへどう移行するのかを模索し続けた1年でもあった。2008年末に発売されたソニーHVR-Z5Jは、従来のHDV方式を採用しつつも、オプションのメモリーレコーディングユニットHVR-MRC1KでCF(コンパクトフラッシュ)カードにファイル記録を可能にすることで、既存のテープベース収録からのスムースな移行を促した。日本ビクターも、グローバルブランドをJVCに統一して、国内業務用カメラレコーダー市場に再参入した。新たに投入したファイルベースカメラレコーダーGY-HM100/GY-HM700は、SDHCカードにQuickTimeフォーマットかMP4フォーマットで記録できる。ソニーのXDCAM EXに使用されているMP4フォーマットのライセンス契約をした上で、記録フォーマットの選択を可能にしたことは、新たな取り組みと言えるだろう。

JVC以外にも、2009年はカメラコーデック面で市場の動きがあった。AVCHDである。ソニーが小型カムコーダー"まめカム"HDで採用したほか、パナソニックはAVCCAMラインアップを拡充した。メモリカードポータブルレコーダーAG-HMR10のオプションとしてコード取り外し可能なカメラヘッドAG-HCK10Gを加えるなど、小型カメラ分野ではAVCHDが標準となりそうだ。Inter BEE 2009では、ソニーがNXCAMを発表しており、HDV業務ユーザーの完全ファイルベースカメラ移行はAVCHDでなされる方向が見えてきたようだ。2009年の動向を受け早速今年のカメラ部門受賞製品発表をしたい。

txt:秋山謙一 構成:編集部

PRONEWS AWARD 2009カメラ部門ノミネート製品

  • キヤノン EOS 5D Mark II
  • ソニー HVR-Z5J
  • ソニー "まめカム"HD
  • 日本ビクター GY-HM700
  • パナソニック AG-HMR10+AG-HCK10G

ノミネート基準と講評

「RED ONEが登場して、レンズとセンサー部と記録部を自分で選択してカスタマイズしていくような時代が来るかなとは思ってるんですよ。2008年にスポットを浴びた製品だけど、推したいな」

「撮影オプション製品にしても編集製品にしても、2009年に映像業界に波及効果をもっとも与えたのはEOS 5D Mark IIじゃないかな」

「デジタル一眼カメラで動画撮影ができて、作品として充分に成立できるということはすごいことだと思う。しかも、35mmフィルムのフレーム面積を大きく超える35mmフルサイズを使って、明るいレンズの被写界深度を活かせると言うのは、作品の幅を確実に拡げたね」

「あの価格で、しかも手軽に得られる画質の良さというのはありますね。30pだけしかなくて編集が大変だというのに、それでも!と皆が使うようになったことは評価されるべきですね」

「カメラレコーダーで選ぶなら、まだ発売されていないんだけど、XDCAM EX PMW-350Kを推したいなぁ。1/2型で実績を積んできたExmor CMOSイメージセンサーが、いよいよ2/3型になったということで、相当期待してます」

「すでに実績をあげていると言う意味では、HVR-Z5Jですかね。XDCAM EXで培ったExmor技術で1/3型センサーを開発してHDVに採り入れたというだけでなく、HDVのファイルベース化にも寄与しているし」

「ファイルベースと言えば、日本ビクターのGY-HM700で、QuickTimeとMP4のフォーマットを使えるようにしたり、SDHCカードとSxSカードを併用して同時収録したりというのは、一歩先を行く取り組みだったと思うよ」

「ソニーの"まめカム"HDはヘルメットカメラの定番としてAVCHDの活用シーンを拡げたけど、パナソニックのAG-HMR10+AG-HCK10Gもカメラヘッドに手振れ補正を入れたことで評価したいな。ケーブル交換可能なので、今後にも期待できそう」

など意見が交わされ、カメラ部門受賞製品発表である。

PRONRES AWARD 2009カメラ部門受賞製品発表

カメラ部門
ゴールド賞
EOS 5D Mark II
キヤノン
prn5dmrk2.jpg

キヤノンが初めて動画収録機能を搭載したデジタル一眼カメラ。約36mm×24mmサイズのイメージセンサーは、これまでの35mmフィルムキャメラのフレームサイズを凌ぐ。この広い撮像面積と、明るい開放F値を持つ豊富なEOS交換レンズを組み合わせることにより、誰もが手軽に被写界深度の極めて浅いシーンを撮影することが可能になった。動画用カメラとしては荒削りな部分はあり、オールマイティには使用できないこともあるが、『デジタル一眼フルHDムービーここにあり!』と高らかに宣言し、コンシューマからプロフェッショナルまで、カメラ機材から編集ワークフローまで、幅広く影響を与え続けた。

カメラ部門
シルバー賞
HVR-Z5J
ソニー
HVR-Z5Jmark2.jpg

ソニーがXDCAM EX PMW-EX1/PMW-EX3で成熟させてきたExmorイメージセンサー。この技術を使用して、1/3型センサーを新開発。ついにHDV領域にも使用し始めたのがHVR-Z5Jだ。レンズのズーム範囲を広角側に振って29.5mmからの20倍ズームにしたり、素早いズーム操作を可能にするハイスピードモード、真円に近いボケ味が得られる6枚羽絞りの採用など、実際の収録に即した改善もなされている。オプションのメモリーレコーダーユニットHVR-MRC1Kを使用することで、HDVテープへの収録と同時にCFカードにもファイル記録できるため、テープをバックアップアーカイブ用としながら、ファイルベース収録へも移行できる可能性を拡げた。

総括

キヤノンEOS 5D Mark IIの登場は、かつてないほどの市場活性化をもたらした。確かにRED ONEはデジタルシネマへの道を拓いたが、5D Mark IIは、H.264/30p映像+リニアPCMというプロ市場にない記録方式ではあったが、既存のノンリニア編集システムやワークフローを変更してまでも、プロ市場で受け入れられたという事実は特筆すべきことだろう。EOS 5D Mark IIはコンシューマ機でありながらも、映像業界に多大な影響を与え続けたと言っても過言ではない。プロ機材だから、業務に耐えうる性能や機能を持っている必要はあるが、使おうとする人に「これを使えば、素敵な作品が撮れるんじゃないか」と夢を与えられる存在だったこと。文句なしのカメラ部門ゴールド受賞だった。

◀[PRN AWARD]00 [PRN AWARD]02

[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2009-12-17 ]
[ TAG : Canon EOS 5D Mark II PRONEWS AWARD RED DIGITAL CINEMA SONY ]

この記事に関連する記事一覧

[InterBEE2011]ソニー株式会社/ソニービジネスソリューション株式会社ブースレポート

[InterBEE2011]ソニー株式会社/ソニービジネスソリューション株式会社ブースレポート

ソニーは、NABやIBCに引き続きBelieve Beyond HDをテーマに、XDCAMを中心としたトータルファイルベースワークフローや8K CMOSイメージセンサーを搭載したC .... 続きを読む

[InterBEE2011]ソニー新製品発表会

[InterBEE2011]ソニー新製品発表会

Inter BEE 2011 会場で行われたソニー新製品発表会の動画です。 .... 続きを読む

[InterBEE2011]RED Digital Cinema プライベートセミナー動画

[InterBEE2011]RED Digital Cinema プライベートセミナー動画

西華産業株式会社が11月17日に東京ベイ幕張ホールにて開催したRED Digital Cinema社のプライベートセミナーの模様を動画でお送りします。 開催日:2011 年11 月 .... 続きを読む

[InterBEE2011]キヤノンマーケティングジャパン株式会社ブースレポート

[InterBEE2011]キヤノンマーケティングジャパン株式会社ブースレポート

CINEMA EOS SYSTEMとして先日発表になったPLマウント対応のレンズ交換式ビデオカメラEOS C300やデジタル一眼レフカメラEOS-1D X、4kに対応したEFマウン .... 続きを読む

[InterBEE2011]ソニーが国内放送機器ビジネスへの取り組みや出展内容の説明会を開催

[InterBEE2011]ソニーが国内放送機器ビジネスへの取り組みや出展内容の説明会を開催

4Kはレンズからリビングルームまで広がっていく ソニーは11月16日、幕張メッセの国際会議場で国内放送機器ビジネスへの取り組みやInter BEEの出展内容に関する放送機器群やソリ .... 続きを読む

[NAB2011:RED Digital Cinema]会場に復帰したREDは、赤い旋風を巻き起こしたか?

[NAB2011:RED Digital Cinema]会場に復帰したREDは、赤い旋風を巻き起こしたか?

赤いテントでお馴染みのRED Digital Cinemaは、昨年の別会場から1年ぶりに会場に復帰した。正面にハンズオンのコーナーを設けその裏に周辺機器やシアターを配置するという結 .... 続きを読む

[NAB2011:Canon]ハイエンドからアマチュアまでユーザーの要求に的確に応えるキヤノンブース

[NAB2011:Canon]ハイエンドからアマチュアまでユーザーの要求に的確に応えるキヤノンブース

以前は放送業務用レンズ中心の展示だったが、レンズ交換可能なビデオカメラの開発やEOSが動画として使われた実績から徐々にレンズ屋さんからビデオカメラのメーカーとしての認知が高まった .... 続きを読む

[NAB2011:SONY]ソニーが描く未来像。Believe Beyond HDをテーマに展開

[NAB2011:SONY]ソニーが描く未来像。Believe Beyond HDをテーマに展開

ユーザーの要求に応え細かなソリューションを展開 ソニーは、Believe Beyond HDをテーマに様々な映像制作ソリューションを展示。昨年のように3D制作の大型トレーラーや大き .... 続きを読む

[InterBEE2010]キヤノンマーケティングジャパン株式会社ブースレポート

[InterBEE2010]キヤノンマーケティングジャパン株式会社ブースレポート

「FULL HD IMAGING EYE-LAND」を掲げ、活況なブース 大手カメラメーカーがブースの縮小をする中キヤノンは昨年より少し大きなブース面積で出展。今年の出展テーマは「 .... 続きを読む

[InterBEE2010]ソニー株式会社/ソニービジネスソリューション株式会社ブースレポート

[InterBEE2010]ソニー株式会社/ソニービジネスソリューション株式会社ブースレポート

InterBEEにおける今年のソニーのテーマは、ワークフロー×クォリティで、XDCAMラインナップによるファイルベースワークフローソリューションの加速、SRなどによるハイクォリテ .... 続きを読む

USTREAM生放送番組

PRONEWS Lounge
テーマに沿ったゲストを招き、対談・ディスカッションなどを特設会場より生放送。過去放送分も視聴できます。

特集記事

CES 2012レポート
世界最大級の家電見本市CES2012の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。
PRONEWS AWARD 2011
2011年を振り返りつつ、2012年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2011 スペシャルレポート Inter BEE 2011スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2011。PRONEWSでは今年もInterBEEのオフィシャルメディアパートナーとして、様々なコンテンツをお届け!
Inter BEE 2011の歩き方 Inter BEE 2011の歩き方
最小限の力で最大の効果が得られるInterBEE2011のおすすめの歩き方を、目的に合わせたコースごとに紹介する。
CEATEC JAPAN 2011 CEATEC JAPAN 2011
10月4日(火)から10月8日(土)まで幕張メッセにて開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展 "CEATEC JAPAN 2011"をプロの視点からレポートする。
Movie Maker's GIG in Europe Movie Maker's GIG in Europe
オランダ・アムステルダムで開催されたIBC2011レポートを中心に、新たに湧き起こって来た映像技術における次世代の新テーマなど、現場から伝わって来たその温度感をレポートする。
PRONEWS課題図書 PRONEWS課題図書
2011年の夏の終わりに、あらためて「映像」に関わるものとして「映像」について考え、新解釈を探る事にした。
SIGGRAPH2011 SIGGRAPH2011
CGの祭典「SIGGRAPH」が8月7日から11日の5日間、カナダ・バンクーバーで開催された。受賞作品を映像と共に紹介する。
Stereoscopic 3D 第4章 Stereoscopic 3D 第4章
1年ぶりの3D特集。この間に3Dを取り巻く状況はどのように変化しただろうか?押さえておくべき3Dの基礎を考えつつ、2011年の3Dを再考してみる。
Movie Maker's GIG in Hollywood Movie Maker's GIG in Hollywood
セッション(GIG)感覚で映画が創れる時代の潮流をハリウッドではどう捉えているのか?CineGearExpoの情報もお伝えしつつ、次世代のプロ映像制作者像を追い求める。
Master Mind Camera 2011 Master Mind Camera 2011
今必要な理想のカメラを追求しつつ、カメラを使う人と機能から紐解いていく。
NAB2011 NAB2011 スペシャルレポート
4月11日から米ラスベガスにて開催された世界最大の放送機器展「2011 NAB Show(NAB2011)」。毎年恒例のレポート特集を現地よりお届け。
USTREAM最終案内+ USTREAM最終案内+
奇しくも、今回の震災でのライブメディアが活躍する事になった。3.11以後USTREAMをはじめとするライブメディア/ソーシャルメディアのあり方を今一度取り上げてみたい。
ファイルベース新時代 ファイルベース新時代
ファイルベースの進化は、VTRの進歩とともに現在に繋がってくる。1950年代に開発されたVTRを起点にその流れを簡単にさかのぼってみよう。
Into the Lens
『CP+』における取材を通じて、2011年のプロ映像界におけるレンズの世界最新事情や表現者たちの最新機材での挑戦を追う。
CES 2011レポート
世界最大級の家電見本市CES2011の現場から、PRONEWSならではの切り口でレポートをお届け。
PRONEWS AWARD 2010
2010年を振り返りつつ、2011年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2010スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2010のレポート記事や動画を掲載。
Inter BEE 2010の歩き方
目的に合わせたInterBEE2010の歩き方を紹介する。
映像品質検証 -VQC-
デジタル映像全盛の今、問われる映像品質検証の現状とは?
DSMC/DSLR 2010 #2
現場感覚におけるDSLRの現状の捉えられ方を取材してみた。
Stereoscopic 3D 第3章
ステレオスコピック3Dの具体的な制作方法を考えていく。
Ustream最終案内
Ustreamの世界の可能性を実際に現場で活躍する人々から探ってみた。
Digital Cinematography 2010
Cine Gear EXPOの様子などから、これからのハリウッド映像制作の方向性を紹介する。
Stereoscopic 3D 第2章
関心が高まっているステレオスコピック3Dコンテンツの制作について整理していく。
DSMC・DSLR 2010
CP+のレポートを中心に、2010年のDSMC/DSLRの動向について考察していく。
ファイルベース収録カメラ最新案内
ファイルベース収録カメラを選択するための基準や基礎知識等を、レビューを交えて考察する。
Transcode
ファイルベース・ワークフローの普及と共によく目にするようになったトランスコードについて整理する。
映像新時代2010
2010年の映像制作の潮流を様々な方面から予想していく。
稲田出のトレンド100選
InterBEE2009で見た2010年注目100アイテムを紹介。
PRONEWS AWARD 2009
2009年を振り返りつつ、2010年へ向けて各分野の商品・サービスを絞り込み総括する。
Inter BEE 2009スペシャルレポート
千葉幕張メッセにて開催されたInterBEE2009のレポート記事やブース動画を掲載。
Inter BEE 2009の歩き方
目的に合わせたInterBEE2009の歩き方を紹介する。
最新映像制作ワークフロー VFX 2009
最新映像制作ワークフローの中から、制作効率を改善していくヒントを探す。
オンボードライト特集 Light House
新時代を予感させるLEDを中心にオンボードライトを解剖する。
立体視映像特集 Stereoscopic 3D
再び脚光を浴び始めているステレオスコピック3D制作に焦点を当てる。
REDワークフロー特集 RED flow Now
RED ONEの最新ワークフローを考える。
4Kデジタルシネマ特集 4K Ready!
RED ONEの登場で一気に注目されつつある4K映像とは?
デジタルサイネージ特集デジタルサイネージ2009
急速な広がりを見せるサイネージメディアを紹介する。
ワークフローの鍵を握るMXF
MXFファイルを活用する現場を取材し、制作ワークフロー全体に広がるMXFを紹介する。
フルデジタル制作移行、その課題と展望
フルデジタル制作環境に向けて乗り越えなければならない課題と、その先の可能性を紹介する。
2008年総括:これからの映像業界
2008年の売れ筋を見ながら、人気機材の動向を振り返ってみる。
次世代収録環境へのアプローチ
2008年のカメラ環境を踏まえ、次世代環境に必要なものを考える。

HOME  >  SPECIAL  >  [PRONEWS AWARD 2009]Vol.01 画作りを変えたカメラの登場?カメラ編