デンバーの中心街に突然現れた人工スキー大ジャンプ台

コロラド紀行
デンバーの中心街に突然現れた人工スキー大ジャンプ台

デンバーの町の中心に在るコロラド州庁舎(State Capitol)とデンバー市/郡合同庁舎の2つの建物の間はCivic Center Parkという公園となっています。

その公園の中央に突然巨大なスキーのジャンプ台が組み立てられて1月25日(火)の夕方5時からスキーのフリースタイルジャンプ競技会が行われ、翌日1月26日(水)の夕方からはスノーボードジャンプ競技会が行われました。

これはSnowSports Industries America (SIA) が主催している「Snow Show」コンベンションがデンバーで開催されていることに合わせて行われた催しで、2日目の方は「FIS World Cup Snowboard Big Air」という名称でスノーボードのワールドカップ競技の一種目として開催されたものです。

この人工の大スキージャンプ台は鉄パイプの組み立て骨組みの上に鋼鉄板を敷き詰めてその上に木製合板を敷き、さらにその表面を人工芝で覆って、その上に人工降雪機(スノーガン)4機を使ってその厚さ約12インチ(30.5cm)ほどの人工雪でカバーしています。

ジャンプ台の滑走方向はちょうどデンバー市庁舎の正面入り口に向かって飛び出す、といった方向となっており、大きな建物が目の前に迫っていますのでプレーヤー達にとってはなかなかのスリル物だと思われます。

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地上からこのジャンプ台の最高部の高さは106フィート(32.3m)で、その地面水平延長は340フィート(103.6m)、滑走斜面の幅は15フィート(4.6m)、そして着地斜面は扇型に広がっていて最終端部の幅は70フィート(21m)となっています。

滑走斜面の上部の傾斜度は40度で、加速してKicker Rampと呼んでいる踏切台に到達する時のスキーヤーの速度は時速25マイル(時速40.2km)を越すスピードとなり、雪面から30フィート(9.1m)以上の空中へ舞い上がる様に設計されています。

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会場のCivic Center Parkの周囲を取り巻いている歩道の内側全体に非常に沢山の鉄パイプと金網で出来たフェンスが巡らされて中へ入れない様になっており、中の観覧席への入場料金は立ち見席が1日分一人45ドルで2日通してのチケットは80ドルとなっており、道路端に設けられた仮設発券所で購入して設けられた入り口より入場します。

その他に特別席としてVIP Seatも 最も良い場所に設けられていて、こちらの方は一人1日100ドルとなっていて 、ビールやシャンペンなどの飲み物と軽食がサービスされます。そして、フェンスの外から眺めるのは無料で自由ですが、その場所取りは早い者勝ちです、と言っています。

過去オランダのロッテルダム、ロシアのモスコー、イギリスのロンドン、カナダのケベック、スエーデンのストックフォルム、韓国のソウル、スペインのバルセロナの各都市で開催されており、アメリカでは今回のデンバーでの開催が最初となっています。

デンバー市ではこれに類似した催しとしてアメリカのモータースポーツの中心とも言えるNASCAR(The National Association for Stock Car Auto Racing Inc. )の競技用自動車レースをデンバー市内の街路を開放して過去数回行っています。

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この町中でのスキー/スノーボードのジャンプ競技大会のスポンサー企業として多くの会社が名前を連ねており、会場を取り巻くフェンスには、その各社の看板が張り巡らされています。

そして、2日間の競技が終了した1月27日(木)の朝からは、この大ジャンプ台の解体撤去作業が開始されて、1月29日(土)の夜迄には撤去作業は完了して、翌1月30日(日)には今迄何も無かったかのようにCivic Center Parkは平常に戻っています。

1月の下旬のデンバー市民達を驚かせた一大イベントでした。

AV家電チェーン店Ultimate Electronicsが会社更生法の適用申請

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会社更生法適用の申請をしたUltimate Electronics店 デンバーの北に接しているThorntonの町に在る国道ハイウエイ25号線沿いに在るUltimate Electronicsの本社店の商品展示販売フロアーの入り口です。 お客はここから入って各商品を眺めて購入する様になっています。

デンバーの北のThorntonに本社店を持って、アメリカの16州に合計46店舗、そのうちコロラド州内には9店舗があり、全米で1500名の従業員を抱えるAV家電チェーン店を運営しているUltimate Electronics店は1月26日(水)にデラウエア州の破産管理裁判所にChapter 11(会社更生法)の適用申請を行ったと発表しています。

今後同店は会社更生法の適用下で同店の流通機構の再編成、販売力の低下している店舗の閉鎖、借用店舗のリース条件の改善などの施策を実施して業績の好転を計るとしています。

先のCircuit City店の事業閉鎖、そして今回のUltimate Electronics店の破産申請と、「Ultimate Electronics おまえもか?」といった感じですが、こうした状況の原因としては、アメリカ経済の低迷が続く中で消費者の購買力が著しく低下している事、そして他の競合する小売店との販売商品価格の低下から利益が非常に低下して来ている事の2点が直接起因しているとされています。

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Ultimate Electronics本社店へ入る道路の看板 国道ハイウエイ25号線と交差している84th Avenueに面した入り口に建っている大きな看板です。

特にAV家電の販売に関しては、この業界としては2009年に比べて2010年はその総売上げ金額では5.6%の上昇となっていますが、先のこのレポートでも報告しました様に、全米一のAV家電チェーンのBest Buy店でも苦戦している様に消費者の商品購入がこれらの専門店から大型ディスカウント店やオンライン小売業者へと状況が顕著となって来ている事が大きく影響していると言えます。

そして、商品価格として高価なフラットパネルTVセットはその商品としての市場導入時期であった10年前は専門店が扱う高利益率の商品でしたが、今やWalMartやCostcoといった一般大型チェーン店で扱われている低いマージンの商品となっています。

今回のUltimate Electronicsの破産申請の場合の非保証債権者についてみてみますと、その殆どが同店が扱っている商品メーカーで、ソニー、三菱、東芝、Whirlpool、ヤマハなどとなっており、保証付き債権者の筆頭はGeneral Electric Capital社で、総額6480万ドルの債務となっています。

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道路側から見たUltimate Electronics本社店 84th Avenueと建物の周囲は驚く程広大な駐車場となっています。

Ultimate Electronics店はもともとSoundTrackという店名でハイファイオーデイオやホームシアター形式の大型TVシステムなどの設置、インストレーシヨンを行う事業でコロラドでスタートしましたが、その後オーディオやTVセットの販売店として業績を拡大し、AVチェーン店として業績を上げて来ました。そして、その事業規模が大きくなった時点で経営不振となり、当時ミネソタ州に本社を有して全米15州にチェーン店を持って事業を行っていたUltimate Electronics社に買収されています。

コロラドのSoundTrack店を傘下に収めたUltimate Electronics社はその後経営不振となり2005年1月には破産申請してChapter 11(会社更生法)適用下になった事があり、その時には現在同店の71.25%の株式を所有している当時ビデオレンタルチェーンHollywood Video店の創業者であったMark Wattles氏が同店を買収して事業を継続して来ており、残りの25%の同店の株式はHP(Hewlett Packard)社が所有しています。

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道路側から見たUltimate Electronics本社店 84th Avenueと建物の周囲は驚く程広大な駐車場となっています。

Wattles氏の経営となってから同店ではそれまでのAV機器に特化した販売とインストレーシヨン事業に新しく白物家電を販売商品に加えて、間もなくして競合していたCircuit City店がこの事業から閉鎖撤退したことから、Best Buy店とともに市場での競争面で少し有利となったかと見られていました。

いずれにしても、こうした時代の流れに対応をしきれなかった事業が容赦なく切り捨てられる場面はAV家電だけでなく、レンタルビデオの世界でも同様ですし、 現在始まっている、インターネットTVやTablet コンピューターそして携帯電話などの業界などに付いても同様な事が生じており、また、その変化の激しい事も顕著となって来ていますので、今後のホームエンターテインメントの世界から目が離せない状況となって来ています。

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Ultimate Electronics本社事務所の玄関 全面ガラス張りの本社事務所で、その右側の長い大きな建物は商品倉庫です。
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Ultimate Electronicsの商品倉庫 驚くほど広大な商品倉庫です。

ハイテク育成環境でコロラド州は全米第3位

2年毎にアメリカの各州毎の科学技術分野での育成環境のレベルを評価してその州がハイテク企業や高賃金の仕事への育成度を指標化し発表しているレポートの最新版「Miliken Institute’s 2010 State Technology and Science Index」が1月25日(火)に発行されています。

それによりますと、コロラド州は総合評価では前回の2008年には指数が78.32であったのが、今回の2010年では75.73と少し下がったものの全米各州で同じ第3位になっています。

この評価レポートでは、特に前コロラド州知事のBill Ritter氏が実施した「New Energy Economy」と「Jobs Cabinet」の2つの政策に対して高い評価点を与えています。

コロラド州は人口に対する高学歴教育への州支出予算面では全米でも47位と最下位に近いにも関わらず、その成人人口に於けるBachelor(学士号)以上の学歴者の比率で全米で2位となっており、また全米の1万社の企業の中で、雑誌「Inc.」の企業評価ランキング「Inc. 500」にランクされている企業数では全米で第6位となっています。

一方、コロラド州の最も弱点と言える項目としては、事業リスクに対応する資本力及び起業インフラの充実度の不足が挙げられており、それらに応じたベンチャーキャピタル資源、特許権取得実績、新規ビジネス形成、そして新規株式上場数などの面で全米では第6位となっているとしています。

全米の1位から10位迄の州ランキングは下記の様になっています。

  • 1位 マサチューセッツ州
  • 2位 メリーランド州
  • 3位 コロラド州
  • 4位 カリフォルニア州
  • 5位 ユタ州
  • 6位 ワシントン州
  • 7位 ニューハンプシャー州
  • 8位 バージニア州
  • 9位 コネチカット州
  • 10位 デラウエア州

デンバー国際空港の昨年の利用乗降客数は開港以来の新記録

2010年にデンバー空港が扱った総乗客数の発表があって、1月29日(土)付け地元新聞Denver Post紙の第1面にスペースを割いてその数字が掲載されています。

それによりますと、2010年の総乗客数は5220万人となって、以前に記録した2008年の5120万人を超えて新記録となったとしており、この記録はデンバー国際空港が開港して以来16年での達成であり、開港時の計画に対して2年早く達成したと言っています。ちなみに同空港の2009年の総乗客数は5020万人で2008年から一旦少し減少しましたが、昨年はそれを大きく越しての新記録です。

ところで12月はクリスマスや新年の休暇で混み合う月ではありますが、2010年の総乗客数は420万人となって、2009年の12月に比べて5.1%の増加となっています。

また、2010年の12月にデンバー空港が扱った発着旅客便数は前年に比べて3.6%の増加をしており、カーゴ貨物便数では2.3%の増加となった、としています。

デンバー国際空港の責任者のKim Dayさんのコメントとして、「これらの記録数値からみて、少なくともデンバー空港の扱っている地域では経済不調から脱出しつつある兆候と思える。」と報じています。

あとがき

1月25日(火)にNational Research Councilよりアメリカ人の生まれたばかりの子供が今後どれだけ生きられるか(Life Expectancy at Birth)という平均値、いわゆる平均寿命の調査統計が発表され、併せてその専門家の解説が公表されています。

その発表によりますと、アメリカ人の平均寿命は伸びて来ているものの、その伸びは遅く世界の他の先進国に比べてまだまだ非常に低い値となっているとしています。

その最近の統計では、アメリカ人の平均寿命は女性が80.8才で、男性が75.6才となっており、世界各国の中でもトップを行く日本の場合が女性は約86才で、男性は79.2才となっていると言っています。

アメリカ人の男性の場合は、1980年より2006年にかけて約5.5年の伸びを示していますが、それでも他の先進国21カ国の平均に比べて少ない伸びとなっており、アメリカ人の女性の場合は、1980年より2006年にかけては約3年の伸びでこの値は他の先進国に比べてはるかに低い伸びとなっています。

更に、他の長寿命国と比べると、その差の半分は心臓病による比率が高い事が影響しており、特にアメリカ女性でタバコを喫煙する人の比率が高い事がその数値を下げているとしており、その他にその差の1/5から1/3の原因は肥満体質が多い事が影響していると結論づけています。

したがって、先進国のアメリカ人の平均寿命を縮めている3大要因は、

  • 肥満
  • 喫煙
  • 心臓病

であると言えそうです。

この「コロラド紀行」を記述している私は1939年(昭和14年)1月31日生まれの今年の干支の卯年で、今年年男で満72才を迎えます。私は今迄かなり無茶な生活を長年過ごして来たので、今迄とてもこの年まで生きられるとは考えてもいませんでしたが、幸いな事に細身の体質でタバコはいままでやっていませんし、心臓の方も大丈夫そうですので、アメリカで生活していても日本の男性の平均寿命の79.2才までは何とか元気にやってゆけると良いがと思っています。

元気なうちはこの「コロラド紀行」を皆さんに興味を持って頂ける様工夫しながらアメリカの田舎のコロラドでの出来事を中心にお伝えして行こうと思っていますので、皆様の引き続きのご高覧をお願いします。

WRITER PROFILE

萩原正喜

米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。