Smoke for MacやFlameで変化するフロー。映像制作は、どう変わるのか?

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Autodeskのプロダクトは単品のソフトだけでなく目的に応じていくつかのソフトウェアをセットにした製品が用意されている。これらはただ単機能のソフトウェアを寄せ集めたものではなく、それぞれが有機的に統合され目的とするワークフローを最適化できるツールをセットにしたものである。今回は、こうした製品群の中からエディトリアルフィニッシングに関するプロダクトについてエンターテイメントインダストリーマネージャーのMaurice Patel氏にお聞きした。このカテゴリーにはSmoke for MacやFlame Premiumが含まれ、今回のNABでもっとも関心の高いプロダクトだったからである。

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エンターテイメントインダストリーマネージャーのMaurice Patel氏

今回Autodeskが訴求して行きたい部分はどの辺りなのか?

Autodeskの製品はソリューション別にいくつかのカテゴリーに分けられているが、NABではMedia & Entertainmentが中心とした訴求を展開しています。Media & Entertainmentには映画、ゲーム、テレビといった業界別にソフトウェアがグルーピングされており、それぞれのワークフローに適したソフトウェアツールをセットにした統合ソフトも用意しています。ソフトウェアツールがダイナミックに統合されることで、クリエーターはシームレスに作業を行うことができ、CGやコンポジティング、グレーディングなど制作に必要な工程を自由に行き来できることもポイントです。

たとえば、Flame Premium 2012は、リアルタイムのカラーグレーディング、完全に統合されたタイムラインワークフロー、Flame 3D ビジュアルエフェクトツールが統合されたもので、ステレオスコピック3Dフィニッシングの強化やオートデスクのアニメーション製品Mayaや3ds MaxなどのCGコンテンツを、より素早く簡単に使用可能で、更なる連携ワークフローの強化が行われています。

一方Smoke for Macは、デジタル一眼や大判センサーを搭載したビデオカメラなど今までになかったローコストなカメラが登場し、Final Cutなどによる編集を行う事例が多くなってきています。こうしたカメラを使用するユーザーは、通常のカメラでは描写できない映像やより映画的な絵作りを求めており、より高度なカラーレーションやフィニッシングを求めるユーザーとなっている。Smoke for MacはこうしたクリエーターにAutodesk FBXを利用したオートデスクのアニメーションソフトウェアからのジオメトリキャッシュアニメーションのインポートのサポートやFlameのクリエイティブツールを提供することができ、よりクリエイティブな制作環境を提供しています。

また、大容量かつ高速なストレージが手ごろな価格で入手できるようになり、非圧縮での作業も容易になってきました。またHD以上の2k4kといった解像度の制作も可能な環境が整ったといえますので、Smoke for Macにより、当社の製品がポピュラーになり、幅広いクリエーターの人たちに高度な作業環境を提供できるようになったといえますね。

Smoke for MacとFinal Cutの関係について

NAB期間中にApple社からFinalCutProの新しいバージョンが発表され、ダウンロード形式の販売へと移行するカタチになった。それを受けて、AutodeskがMacプラットフォームでの今後の展開を聞いてみた。

両社は競合することなくお互いを補完する関係にあるといえます。FinalCutProユーザーでCGやより高度なカラーグレーディングを求めるユーザーはSmoke for Macとの連携で、それを実現できることになります。Autodesk製品のユーザーでも新ジャンルのカメラの登場でこうした方向性の仕事も出てきており、Final Cutとの連携により効率的なワークフローを構築することができます。Autodeskの製品はハイエンドな制作を行うツールとして業界では広く普及していますが、カメラを初めとした制作システムがローコスト化するなかで、Smoke for Macにより、もっとポピュラーなツールとしてクリエーターの方たちに使ってもらえるようになりました。単に安きに流れるのではなく、クリエーターの求めるツールとは何かを機能面だけでなく、価格的、環境的にも考慮することで、質の高いコンテンツを誰でもが作りうる場を提供できたといえるのではないでしょうか?

WRITER PROFILE

稲田出

映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。