PHOTO&IMAGING 2014から見えてくる韓国のスチール・映像事情

韓国・ソウルでスチルカメラ系の総合展示会「PHOTO&IMAGING 2014」が、2014年4月17日〜20日の日程で、ソウル・江南(カンナム)地区のCOEXエキシビションホールにて開催された。今年で23回目の開催を迎えるこの展示会は、出展者数約200社、4日間のトータルで約9万人の来場者を数える展示会で、日本で言えばCP+とフォトネクストをあわせたようなイベントだ。

展示会場の総面積は日本のCP+と同規模だが、特徴的なのは今年で3回目を迎える“KOREA PHOTO FESTIVAL”と、6回目となる“SEOUL PHOTO”という2つの写真展を同時併催しているところ。会場面積の4分の1がこの写真展会場となっている。その他にも、Photo&Travelという旅行会社や観光地とコラボレーションを主旨とした展示スペースやPhoto&Opticsという光学系研究のスペースなどが集まった複合展示会となっているのも特徴的だ。

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箱入り展示のNABで発表されたばかりのソニーα7s

その約3分の2を占めるPHOTO&IMAGING 2014では、基本的にはスチルカメラ関係の展示が中心で、そのほとんどは写真機材がメインの展示。会場で最大面積のスペースを構えるのはやはり地元企業のサムスンだが、それに継ぐのはキヤノン、ニコン、ソニーといった日本企業のブースだ。そして意外にもキヤノンやソニーのブースの方が賑わいを見せていたのも印象的だった。

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P&I MOVIE ZONEに設けられたパナソニックブースでは、話題のGH4を中心に展示

会場の一角には少ないながらも「P&I MOVIE ZONE」という映像系の展示ゾーンも設けられ、やはり韓国もこのところのDSLRムービーブームに影響を受けて、このジャンルでのムービー製品にも注目が集まっているようだ。もちろん5月に開催される映像音響機材の総合展示会「KOBA SHOW」ほどの機材の種類やスペース、アイテムは揃っていないものの、スチルカメラ、DSLRムービー関係周辺の、日本ではなかなか見られない変わった製品を幾つか見ることが出来た。ただし、VARAVONが一部展示していたものの、KONOVAやCineroidなど、日本でも有名な撮影周辺機材メーカー自身のブース出展はない。また、ほとんどのカメラメーカーがPHOTO&IMAGINGホール側にブースを構える中、パナソニックのみがGH4のプロモーション中心ということで、このP&I MOVIE ZONEへの出展を行っていた。

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ARRI ALURA ZOOMレンズ 45-250mmがついたデモ機から、31型の4Kモニター「BT-4LH310」への表示など、GH4周辺の4K環境を積極展示

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DCAGE社のBlackmagic Pocket Cinema Camera用のケージ

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韓国ではメジャーなBON Electronics社の高性能で安価な7インチマルチフォーマットモニター。日本ではネットワークエレクトロニクスジャパン(株)が取り扱い

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スチルレンズをシネマレンズ仕様に変更するG.L OPTICS(中国)社のモディファイレンズシリーズ。どれだけ実用に堪え得るかは不明…

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撮影ロケ用の様々な帽子を専門に扱う、VOULEZ VOUS(ヴーレ・ヴー)という韓国の帽子メーカーブース。こういう展示も珍しい

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ベンチャー企業のTAKESHOOTのブースでは、自社開発のアルミ製でユニークな形状のマルチコプター「SPIDER COPTER」を展示。アルミ製で軽量、狭い所での速い動きにも対応できるという。RED EPICなどに対応した大型モデルもある

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ハンディステディカムの新しいカタチ、GAZERのハンディジンバル各種。ハンドルで持つ形状の新しいタイプのジンバルとして昨年のCEATECでもイノベーションアワードを獲得。スマートフォン用のSP1、GoPro用のGP1、ミニデジカメ用のMD1/2などの各種タイプがある。照明機材のFOMEXブースにて展示



※本展示会取材のためソウル滞在中に起きた惨事、セウォル号転覆事故におきまして、多くの犠牲者の方とそのご家族、ご関係者の皆様に、慎んでお悔やみを申し上げます。また亡くなられた犠牲者の方々には心から哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。

WRITER PROFILE

石川幸宏

映画制作、映像技術系ジャーナリストとして活動、DV Japan、HOTSHOT編集長を歴任。2021年より日本映画撮影監督協会 賛助会員。