前回のVol.08までは、クライアントの要望に沿ったカラーコレクション、カラーグレーディングの処理を解説してきた。カラーとコントラストの調整には主にカラーホイールやカスタムカーブを使い、特定の領域を選択したり、囲ったりするにはクオリファイアーや色相/彩度/輝度カーブ、ウィンドウを用いた。

今回は箸休め的テーマとして、「カラー&コントラストの時短ツール」を紹介したい。

画像にメリハリをつける

(01)カラーホイールパネルには、お馴染みの4連カラーホイールの下部に5~6個の調整ツールが並んでいる。

左から「ホワイトバランス」と「自動バランス」、そしてページ選択ボタン。1ページ目は「コントラスト」「ピボット」「彩度」「色相」「輝度ミックス」、2ページ目には「色温度」「ティント」「ミッドディテール」「カラーブースト」「シャドウ」「ハイライト」といった調整ツールが配置されている(図01-01)。

図01-01

(02)便利なツールはいくつもあるのだが、まず最初に紹介したいのがコントラストツール(以下、コントラスト)とピボットツール(以下、ピボット)だ。若干暗く、メリハリもない。ボンヤリとしたサンプル画像(図01-02)にコントラストとピボットを試してみる。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/06/dr-09_08.jpg 図01-02
※画像をクリックすると拡大します

(03)ビデオスコープをオン(Shift+Command+W(Mac)/Shift+Ctrl+W(Win))にして波形モニターを観察しながら、コントラストの数値を上げて(増やして)みる。

数値窓にマウスポインターを重ねると、アイコンが⇔(両方向矢印)に変わり、左右にドラッグすることで数値を上下できる(図01-03)。もちろん数値の直接入力も可能。ちなみに数値をデフォルト(初期値)に戻すには、ツール名(ここではコントラスト)部分をダブルクリックする。

図01-03

(04)数値(今回は1.300)を上げれば画像にメリハリがつき(コントラストが拡張され)、ビデオスコープの波形も上下に広がることが分かるだろう(図01-04)。

図01-04:少し暗くなり過ぎた印象かもしれないが、次のピボットで回復されるのでご安心を

ピボットで全体のバランスを調整

(01)次にピボットを調整する。

お気づきかもしれないが、コントラストとピボットは2つがセットになって初めて機能するツールだ。つまり、先にコントラストを調整しないと、ピボットの数値をどんなに変えても画像上では何の変化も起こらない。

画像と波形モニターを確認しながら、ピボットの数値を少しづつ下げていくと、画像が明るくなり、波形モニターも徐々に上に持ち上がっていくのが分かるだろう。

全体のバランスを観察しながら、良い数値に決める(図01-05)。今回は、ピボット値を「0.120」として完成とした(図01-06)。

図01-05

図01-06

(02)ノードの番号部分をクリックする(Command+D(Mac)/Ctrl+D(Win))と、調整前と調整後を切り替えられるので見比べてほしい。

今回の2つのツール、コントラストとピボットと同じ効果を、カラーホイールのマスターホイール(輝度調整ホイール)を使った場合、少なくとも以下の操作が必要だろう。

  1. オフセットで全体の輝度をわずかに上げる
  2. リフトでシャドウ部を締める
  3. ゲインでハイライト部を持ち上げてメリハリをつける(コントラストを拡張する)
  4. ガンマで少しづつ明るくしながら、全体のバランスをとる

時短ツールを使って、作業効率を上げてみてはいかがだろうか?次回は、本稿で紹介しきれなかった他の便利な時短ツールを紹介したいと思う。

WRITER PROFILE

小島真也

Blackmagic Design認定トレーナー、写真家、撮影監督。商業/自主映画では撮影監督として撮影・照明・カラーグレーディングも担当。