txt:土持幸三 構成:編集部

スナップ写真に適したカメラやレンズ

寒さも和らぎ草木が芽吹いてきたので久しぶりにスナップ写真でも撮ろうと思い立ち、カメラを手にしてみた。除湿庫の隅に長らく放置していたことでバッテリーの残りが少なかったのと、常に持っていくNDフィルターも汚れていたので清掃しながらバッテリーを充電、レンズを何にするかを考えた。

一般的にスナップ写真に適したレンズは35mm判換算で35mmあたりといわれるが、今回は多摩川沿いの風景と翌日に渋谷に行く予定もあったため、街中で様々な被写体に対応できるように標準ズームレンズを選んだ。35mmあたりの単焦点レンズの方が描写力は高いのだが当然、焦点距離が決まっているので自由度は低い。

また、動画撮影の際は単焦点レンズを使用するので、バックアップとして所持しているズームレンズを使用する機会がなく、久しぶりに使ってみようと思ったのである。焦点距離は35mm判換算で24mmから120mmで、確かレンズ内手振れ補正がついていて手持ち撮影の時に便利なのと廉価だったので購入したのだった。

筆者の手の大きさは標準的なサイズだと思うが、キチっとカメラを握っていたいのでグリップ感の少ない小さなカメラを好んで使いたいと思わない。また小さなカメラは背面の液晶画面を見ての撮影が主でファインダーがない機種が多く、静止画はファインダーをのぞいて撮影したい筆者としては、カメラはファインダーがありグリップがあるものが好みだ。

あと背景がピーカンで近くの花などを撮影したい時などにコントラストが大きくなりすぎるのでビルトインフラッシュが付いているものが都合よく、スナップに使うカメラの条件としている。

筆者がスナップ写真を撮るときに心がけていることは、何かを撮りに行くなど、目的を一切決めずにロケーションに行き、歩き、自分が面白いと思うものを見つけたら記録する、ということ。もちろん、ロケーションを決めた時点でそこに何があるのはある程度知っている場合もあるのだが、できるだけ頭の中をフラットにしようと心がけている。

多摩川沿い

多摩川沿いはのんびりとして気持ちが良い
早速オブジェがあったのでパチリ

今回出かけた多摩川沿いは筆者がたまにサッカーで利用する施設の近くだが周辺を歩いたことは無く、カメラに標準ズームレンズ、NDフィルターと小型三脚を持って出かけた。午後3時ごろに目的地付近に着き、早速オブジェがあったのでパチリ。

カモが羽ばたく瞬間を連射モードにして撮影
カモが羽ばたいた後の方が面白いと思った

プール施設を突っ切って河辺に出ようとしたが行き止まりで、引き返したところで「バシャバシャ」と音がしたので見ると、プールでカモ達が遊んでいた。またバシャバシャしてくれることを願って設定を連射に切り替えると、こちらの意図を察してくれたのか、バシャバシャとやってくれた。

その羽ばたく羽根が大きく開いた状態を狙ったのだが、あとで見てみると羽ばたき終わった瞬間の方が面白い写真に思えた。このように後で見返してみると現場で思ったことと違う印象を持つこともスナップ写真の面白さだと思う。

シャッター速度を早くして落ちる水を撮影
シャッター速度を遅くして水の動きを撮影

その後、二ヶ領上河原堰堤と呼ばれる場所では、緩急のある水の流れと、上流から豪快に流れ落ちる水をNDフィルターも使いながらシャッタースピードを変えて撮影した。シャッタースピードを変える事によって水の表情が変化するので楽しい。時間にして1時間ちょっとだったと思うが、カメラを手にして歩くと普段とは違って見える風景が新鮮で、充実した時間が過ごせた。

渋谷

渋谷はまだ工事をしている場所が多い

翌日の渋谷は電車の連絡口も含めて大きな変化に驚き、だいたいこの辺りを歩こうと思っていた所も工事で入れなくなっているなど、予定とは違う場所をぐるぐる周ってしまった。ただ、多摩川沿いとは違ってビルや歩道橋など、縦と横の線が交わって面白い形に見える空間が多く、シャッターを切った。

縦や横の線が多くて面白い
モノクロにしたら面白いのではないかと思いながら撮影

写真を撮りながらモノクロの方が良いと思うものもあり、家に帰ってからPCを使った作業での楽しみも多く、実りあるスナップ写真撮影だった。暖かくなったこの時期、みなさんもスナップ写真撮影を行ってみてはいかがだろうか。

WRITER PROFILE

土持幸三

鹿児島県出身。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。