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Column

Vol.134 手軽にFPVが楽しめるDJI FPV登場。ゴーグルを使用したドローンの操縦やマニュアルモードを検証

2021-04-13 掲載

txt:藤本拓磨 構成:編集部

■DJI FPV
DJI FPV コンボ 税込154,000円
DJI FPV Fly Moreキット 税込33,000円
モーションコントローラー 税込17,600円
問い合わせ先:DJI JAPAN

多くのユーザーが試せるようにDJI FPV飛行の機材をワンパッケージ化

2021年3月に新しく発表されたDJIのドローン「DJI FPV」。この機体の注目ポイントは、ゴーグルを使用したドローン操縦、アクロバットな飛行も可能なマニュアルモードを取り入れたことである。でも機体を手に入れたとしても、どのような使い勝手なのか飛ばさないとわからない。そんな気になるポイントを実際に飛行で確認した。

レビューDJIFPV説明写真

なお、日本国内において、野外でゴーグルを使用するFPV(First Person View)飛行は、航空法における「承認が必要となる飛行の方法」の中の「目視外飛行」に該当する。この条件下で飛行を行う場合には、航空局長の承認が必要となり、国土交通省への承認申請を行う必要がある。

筆者はDJI FPVの飛行にあたって、日本全国(飛行マニュアルに基づき地上及び水上の人及び物件の安全が確保された場所に限る)と、今回の飛行場所での個別申請(通常送信機版、モーションコントローラー版)の3種類の許可承認を東京航空局から得たうえでテストを行った。

ゴーグルのクリアな映像とNモード(ノーマルモード)の操縦のしやすさ

DJI FPVは、これまでのDJI機と同じようにGPS制御や飛行高度制御も兼ね備えられている。飛ばしてみると予想通りMAVICシリーズのように飛行はとても安定していた。ゴーグルを着用し操縦して最初に驚いたのはゴーグルのクリアな映像とNモード使用での操縦のしやすさだった。

レビューDJIFPV説明写真
屋外でゴーグルを使用しての飛行が可能。ただし、目視外飛行になり、航空局からの飛行の許可・承認を取得する必要がある
https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2021/04/ong132_DJIFPV_01.jpeg
左はゴーグル内で操縦者自身が実際にみてる画面(歪み補正なし)。右は機体本体で記録される画面(歪み補正有、EIS有)ゴーグルと機体はそれぞれで映像の記録が可能
※画像をクリックすると拡大します

通常のFPVで使用するゴーグルでは、まるで調子の悪いブラウン菅テレビのようなノイズまみれの映像の中で操縦する。しかしDJI FPVのゴーグルはノイズを感じることのないクリアな映像と遅延を感じない映像伝送による操縦が可能であった。

また操縦するために見る映像と記録される映像には、歪み補正やEIS(電子式映像ブレ補正)の機能などの適用をそれぞれに設定することが可能であり、操縦時に視界を広範囲にするために歪み補正をしたくない場合も柔軟に対応できる。今回はゴーグルは歪み補正なし、機体は歪み補正有、EIS有り(電子式映像ブレ補正)で飛行を行った。

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※画像をクリックすると拡大します

歪み補正の効きがわかりやすい木の間での飛行も行った。揺さぶられることのない安定した飛行と、操縦に対し素直に反応してくれる非常に操縦しやすい機体と感じた。

左画面 操縦者ゴーグル映像(歪み補正なし)。右画面 機体収録映像(歪み補正あり、EIS 有り)

動画の通り、歪み補正有り、EIS有りで収録した場合はの機体本体の映像データにはプロペラの写り込みはまったくなかった。さらにEIS(電子式映像ブレ補正)の効きも不自然さはなく、撮影される映像に対してもよく考えてつくられている機能と感じた。

従来のDJI機と中距離での使い勝手は一緒なのか?

次に高度を高く、距離が離れた場合の使い勝手が従来のDJI機のように扱えるのかが気になるポイント。GPSの受信環境が良い開けた土地の環境で試してみた。

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オーディエンスモードによるゴーグル映像。ホームポイント表示
※画像をクリックすると拡大します

まず離陸するとホームポイント(離陸地点)にAR表示で「H」が画面に映し出され、元の場所へ戻るための目標となるための工夫がされていた。距離や高度、バッテリー残量なども見やすい表示になっている。

機体が約600mほど離れたところで映像伝送のアンテナ受信感度が減り始めた。もっと遠くにも飛ばせる余裕はあったが、映像伝送が快調なのはそのくらいの距離と感じた(環境によって大きく異なる)。

日本仕様のファームウェアによって電波スペックが本来のスペックより劣ることになるため気になっていたが、PhantomやMavicを使用するのと同じように使用でき、極端に電波感度の強度の違いは操縦していて感じることはなかった。

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オーディエンスモードによるゴーグル映像。RTH発動時の表示
※画像をクリックすると拡大します

自動帰還、バッテリーアラーム、フェールセーフ設定などについては従来のDJI機の機能を理解していれば同じような設定方法。もしRTH機能が働いた場合は画面上に表示され、ストップするための表示もある。これらの機能は通常のFPV機にはないため、DJI FPVが安心して使用できるメリットでもある。

DJI Googles V2 オーディエンスモードについて

レビューDJIFPV説明写真

DJI FPVで使用するDJI Googles V2 はスマートフォン端末を接続することで機体カメラの映像を表示できるが、今現在は映像表示しかできない。そこでDJI Googles V2をもう一台用意しオーディエンスモードを使用し、操縦者のゴーグルで見ている画面がそのまま受信可能なことを発見。今回はその画面をアクションカメラで撮影し動画に加えている。

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※画像をクリックすると拡大します

使用するには、機体の電源がついている状態で2台目のゴーグルの画面から選択を行うのみであった。接続してみると操縦者のゴーグルよりは、受信感度が劣る仕組みなのか今回は機体が300mくらい離れたところで途絶え、操縦者のゴーグルにはないノイズが多く映ることを確認した(この後の動画でゴーグル表示画面映像にノイズが多いのはそのためである)。

マニュアルモードで初フライトを検証

ゴーグルのクリアな映像とNモードの操縦のしやすさ、さらに従来の機体のようにGPS制御による機能が確認できたので2つ目の注目ポイントであるマニュアルモード飛行を試した。動画では、初めてマニュアルモードを飛行させたときのリアクションをまとめた。

左はゴーグル表示画面。右上は操縦者のゴーグル画面。右中は機体本体の映像。右下はコントローラー手元

実際に使用してみると想像とは異なり、操縦しやすいコントローラの感度とアクロバティックな飛行時でも機体姿勢のバランスが良いセッティングになっている機体であった。

この機体は専用アプリでシュミレーターを使用してから飛行させることを推奨するが、シュミレーター上での機体の落下速度は現実より遅く感じたり、スティック感度のバランスがどうも相性が合わず、これが実機だったら振り回されやすくコントロールしずらい設定かもしれないと個人的に不安でもあったため、操縦のしやすさをより感じた。

NモードからMモードへの切り替え

初めからMモードで飛行し始めなくても、操縦のしやすいNモードから飛行途中にモード変更が可能である。モード変更時はアプリで誘導表示があり、これに従いスティックの位置をキープする。そうするとマニュアルモードに変更される。切り替え後もバタつくことなく安定した機体のポジションからMモードでの飛行ができた。これはスイッチの切り替えのみですぐにモードが切り替わってしまうと機体が暴走してしまう可能性も考えられることから存在する機能であるように感じた。

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オーディエンスモードのゴーグル画面のため、スティックの操作が反映されていない。
※画像をクリックすると拡大します

最高時速140kmの加速能力をもつ機体スペック

DJI FPVは最高時速140kmと加速能力も高いことも注目ポイント。その加速性能を試すべくマニュアルモードでスピードを出したテストも行った。

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飛行させたデータでは134kmが最高速度であった
※画像をクリックすると拡大します

地上から見てもスピードある飛行をするDJI FPV

機体がコントロールできなかった場合のストップボタンを検証

レビューDJIFPV説明写真

加速力もあるマニュアルモードでの操縦は、もし機体がコントロールできなかった場合に対処方法が必要になる。そんなときにボタン一つで、すぐにホバリングし、機体を制止させる機能がDJI FPVには用意されている。

レビューDJIFPV説明写真

この機能は、マニュアル飛行での作動が可能であり、またこのようにフリップして逆さまになってても機能した。このような機能を取り入れることで、より多くのユーザーがMモード飛行に挑戦できるよう工夫されている。実際に試した動画がこちら。

マニュアルモード使用時の細かな注意点

レビューDJIFPV説明写真

マニュアルモード飛行の工夫がとてもよくされている機体でも、実際に使用することで細かな注意点もあった。一つ目はカメラが上下に操作できることからカメラ角度がどれだけ傾けているのか確認すること。

DJI FPVに限らず、マニュアルモードでの飛行をする際、自身が操縦するために見るカメラの角度が重要である。これは映像上では地面が水平で正面にむいてても、カメラの角度によって機体の傾きはまったく異なり、その傾きそれぞれで見える映像から判断するコントローラーのスティック裁きが違ってくるためである。

レビューDJIFPV説明写真

二つ目はマニュアル飛行専用のコントローラ状態(スロットルが中心に戻ってこない仕様)にしている場合、Nモードで使用するときはスロットルの位置を真ん中に戻す意識が必要なこと。

通常のDJI機では送信機スティックは両方とも中心に戻るようにバネが入っている状態になっており、そのうえで機体は飛行高度制御を行いホバリングしている。DJI FPVのコントローラは通常のマニュアルモードと同じく、スティックの上下のバネが機能しなくなる仕様だ。そのためNモードが通常のDJI機と同じような仕組みで飛んでいるため、このコントローラの状態でNモードを使用する場合は意識しないと上昇もしくは下降しつづけることになる可能性がある。意識は必要であるが、マニュアル飛行専用のスティック状態でNモードを使用しても使いづらさは感じなかった。

飛行時の機体、操縦、ゴーグル映像、機体側撮影映像

実際に飛んでいるとどんな様子なのか気になるところ。地上カメラからの機体飛行映像、手元の映像、機体収録映像、操縦者がみているゴーグル映像を合わせ動画に残した。

まとめ

DJI FPVを実際に飛行してみたことで、機体性能だけではなく、商品としての完成度の凄さを感じることができた。注目のポイントであったゴーグルを使用したドローン操縦、アクロバットな飛行を行えるマニュアルモードは、より多くのユーザーが試せるように工夫されていることを感じた。

これにはまず、ゴーグルのクリアな映像とNモード(ノーマルモード)の操縦のしやすさがあり、中距離で飛行しても従来のDJI機のGPS制御による機能のような使い勝手でFPVに慣れていないユーザーにも安心感があることも大きな理由だ

DJIの機体としては新しいマニュアルモード。使用するにあたって安定したNモードからMモードへの切り替えが工夫され、最高時速140kmの加速能力をもつ機体スペックであっても、機体がコントロールできなかった場合のストップボタンにより緊急の対処方法があることで、機体を墜落させないように工夫されている。

以上のようにDJIの扱いやすい機体性能や技術が継承されつつDJI FPVのために工夫された機能があることで、より多くのユーザーがDJI FPVを飛行させられるような設計になっていた。そして、なによりこれらすべての機材がワンパッケージになっていることに驚いた。

藤本拓磨|プロフィール
撮影機材レンタル会社のドローン担当。
株式会社メディア・リース
ドローンレンタルセンター

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編集部 PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。


[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2021-04-13 ]
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