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[コロラド紀行]Vol.4 イルミネーシヨンで飾られたデンバー市庁舎と電力事情

2007-11-28 掲載

今朝起きて我が家の飼い犬達を裏庭へ出そうとしましたら、一面真っ白の雪景色でしたのでびっくりしました。デンバー地区では今シーズン3回目の降雪ですが、積雪量は5cmくらいで大変湿った雪ですので、コロラドにしてはいささか拍子抜けの降雪です。もっとも前の晩の天気予報では山間部だけで、デンバー地区で雪になるとは言っていなかったので、乾燥粉雪50cmといった気象条件になっていなかった様です。

今シーズンはロッキー山脈でも降雪量が少なく、各スキー場では予定の期日にオープン出来ずにいるところが多くなっています。 それでも 気温だけは摂氏零度以下となっている標高の高いところでは人工降雪機でゲレンデを整備してオープンしているところが4カ所程有りますが、それも全部のリフトを動かす程になっていないためお客が集まらず、リフト料金などの割引を行っている有様です。

天然現象なので何処にも苦情を持って行くところが有りませんが、今年の夏にはカリフォルニア州では大変な山火事でCO2を多量に排出した為にコロラドに雪が降らなくなったのではないか? と勘ぐる向きも出ています。

コロラドでは冬期の積雪の雪解け水を貯水池に貯めておいて1年分の水道水にしていますので、冬に雪が少ないと、夏の渇水に直結するので大変です。 天に向かって祈るしか無いと言った状況になりそうです。

今回は早くもイルミネーシヨンで飾られたデンバー市庁舎の様子とコロラドでの電力事情に付いて紹介します。

デンバー市庁舎ライトアップ

光で飾られたデンバー市庁舎
ホリデイシーズン毎年恒例のデンバー市庁舎の電飾です。中央の屋根には「Peace on Earth」そして左側の屋根には「Merry X’mas」、右側の屋根には「Happy New Year」の電飾文字が掲げられています。

デンバー市役所とデンバー郡役所とが入っている建物は前回のこのレポートで紹介したコロラド州庁舎とCivic Center Parkを挟んで相向かいに建っています。毎年サンクスギビングデイから新年が明ける迄沢山のカラフルなランプを使って豪華なイルミネーシヨンで飾られるので町の年末の名物となっています。今年もサンクスギビングデイの翌日11月23日(金)の夜にその点灯式が行われて多勢の見物客を集めて電飾を開始しています。

今迄はいろいろなカラーの白熱ランプを使っていましたが、昨年からそれらをLEDランプに変更して全体で約3分の1の電力消費となったので大変な節約となっている、としています。その数2万個のLEDランプと総延長5マイル(8km)に及ぶ電線とを使っています。取り付けにはクレーン車を使って作業が行われましたが、世界的にも最も大掛かりな建物のイルミネーシヨンの一つだとしています。

点灯は11月23日から来年の1月15日迄の間、夕方6時から明け方まで毎晩点灯されます。

デンバーのダウンタウンのほぼ中心に在る16番街はその延長が丁度1マイル(1.6km)程ですが、通常の大きな建物の中に多くの店舗があるショッピングモールと異なり、道路の両側そのものがショッピングモールの形態をなすように造られたデンバーの町の目玉商店街です。通りの中央に沿って歩道が有りますがその両側に200本以上の街路樹が植えられ、56,000本以上の花が飾られています。このホリデイシーズンには街路樹が無数の電飾で飾られ丁度長い長い光のトンネルの様です。通りに沿って90秒おきに大型バスが行き来しており、誰でも無料で利用出来る様になっています

11月23日(金)の点灯式にはNBC系列の地元TV局KUSA(Channel 9)が主催で現場からのTV中継放送が行われ、バンド演奏やコーラスなどの催しが行われて最後に大勢の見物客のカウントダウンで点灯されました。

また、11月30日(土)の午後8時からと12月1日(日)の午後6時からは、これも毎年名物となっている「Parade of Lights」と呼んでいる電飾を施した多数の車などによるパレードがこのデンバー市庁舎前をスタートしてデンバーのダウンタウンの街路2マイル(3.6km)を使って行進します。毎年デンバーの中心街を彩るクリスマスに向けての催しです。

コロラドの電力事情

17th Street Plazaの看板
ビルの前の角に立っている中に入っている主要な会社の名前を示す看板です。電力とガスのXcel Energy社の他にコロラドを代表するビールのCoors社(最近カナダのビール会社Molsonと合併してMolson Coorsと社名が変わりました。)も入っています。全米に13カ所設けられている日本の外務省管轄の総領事館の一つもこのビルに在って、コロラド、ユタ、ニューメキシコ、アリゾナ、ワイオミング、モンタナ、アイダホの合計7州をカバーしています。

コロラド州の主要な電力はXcel Energyという会社が供給しています。この会社は各家庭への都市ガスの供給も行っており、日本の関東地方で言えばちょうど東京電力と東京ガスとを合わせた様なサービスを1社で行っています。そのXcel Energy社がその顧客宛に配布している資料によると、同社のコロラドへの供給電力を発電する為に使用しているエネルギー源は下記の様な比率になっているとしています。

石炭 63.0%
天然ガス 29.3%
水力 1.1%
風力 2.5%
他の電力会社からの買い取り 4.1%
17th Street Plaza ビル
デンバーのダウンタウンに在るXcel Energy社が入っている建物です。現在デンバーで一番の高層ビルで56階建てで、219mの高さです。以前はRepublic Plazaビルと呼んでいましたが、前の通りが17番通りとなっているので、最近17th Street Plazaと名前を変えました。

現在では原子力や太陽光発電、地熱発電、バイオマス発電などは全く使っていないとしています。コロラド州内で産出する天然ガスと良質な石炭、そして、州の北に接しているワイオミング州で産出する潤沢な露天掘りの石炭とが身近かに豊富に有る為にこうした化石燃料が主体の火力発電となっています。

クリーンエネルギーと言う見地から、Xcel Energy社では、これ迄風力発電の開発に力を入れて来ていますが、風力を定常的に得られる州内の場所がその電力消費する都市部から遠距離になっているため、送電設備に多額の投資を必要とする事から、風力タービンの設置されている場所で発電した電気を使ってその場で水素に置換する事業化の検討が為されています。水素電池による電気自動車が普及して来ると大変有効な燃料供給源となるものと期待されています。

コロラド州政府では、2酸化炭素の排出量について電力会社に対して2025年迄に現状の20%の削減をすると言う目標を課しており、更に全体の発電の20%の電力を風力または他のrenewableエネルギーによる発電で賄う事を要求しています。それに対応する為Xcel Energy社では旧式の石炭による火力発電所2カ所229メガワット分の閉鎖を2015年迄に行い、少なくとも10%の排出削減を前倒しで行う事にしています。更に今後8年間で800メガワット分の風力発電と200メガワット分の太陽光発電を新たに設備する計画となっています。ちなみに、1メガワットの電力はアメリカの平均的な家庭約800軒分への供給電力に相当します。

コロラドは年間平均300日の日照日と言う事で知られていますが、特に州の南端中央部に在るAlamosaの町近くにあるSun Luis Valleyは広大な砂漠地帯で年間の日照時間が長く太陽光発電に適した土地と言えます。

この施設からは8.2メガワットの電力を産み出す計画で、Xcel Energy社がその電力を販売する事になります。この建設には70名の作業員が従事しており、太陽光発電の建設トレーニングをかねて作業していますが、今後新たにアメリカ各地で建設される太陽光発電施設の建設作業に順次あたる事を目標としており、Alamosaの施設の完成後にはその運転保守に2名のメンバーがあたる事となっています。

あとがき

11月28日朝の我が家の裏庭の雪景色
例年ならばこの時期には気温も非常に下がって乾燥粉雪30cmという事なのですが、今シーズンのコロラドでの少ない降雪を象徴してか湿った雪が5cmほど降りました。今シーズン3回目の積雪です。中央の木は私がコロラドへ移住して来た時に植えたブルースプルスの木ですが、植えた時は丁度私の背丈ほどでしたが、丁度10年経過して大きく成長しています。今年の夏はコロラドでは山中でカブトムシの一種が大繁殖してブルースプルスの木が食い荒らされて森林大被害をうけましたが、幸い我が家の木は大丈夫でした。樹木としては大柄なのですが、根の張りが浅く暴風などでは倒されやすいのだそうですが、来シーズンには手入れをしなくては、と思っています。

年間で最も空港が混雑し発着便の遅れで多くの乗客が混乱させられるサンクスギビングデイの前後ですが、それを今年は少しでも緩和しようとブッシュ大統領が特別方針を事前に発表して空港関係者に充分な対応を計る様特別要請をしました。また、デンバー国際空港ではセキュリテーチェックの検査員の数を増強したり、除雪部隊の強化を計ったりと準備していましたが、蓋を開けてみましたら、扱った総乗客数は例年を上回る多さだったのですが、なんと混雑具合や便の遅れはほとんど無く、通常の時よりスムースだったと言う事です。空港当局での準備もさることながら、乗客の方も賢く行動した為と思われます。そんな訳で、デンバー空港での2007年の年間乗客数の総計はまたまた空港始まって以来の新記録となりそうです。

さすがに明け方の最低気温は摂氏零度以下となる毎日となっていますが、日中には夏に戻ったか、と思える程の暖かい日が時々有ります。何か地球温暖化の兆候がコロラドでも起きているのではないかと感じさせられる最近です。


WRITER PROFILE

萩原正喜 米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。


[ Writer : 萩原正喜 ]
[ DATE : 2007-11-28 ]
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