Blackmagic Designの発表によると、Crew in a Boxの新しいプラグアンドプレイ・リモート制作ソリューションの基軸として、Blackmagic Pocket Cinema Camera 6KおよびATEM Mini Proスイッチャーが使用されているという。2020年6月に登場して以来、Crew in a Boxシステムは数十のテレビやCM制作に使用されてきた。これには、ヴァネッサ・ハジェンズが司会を務めた「MTV Movie & TV Awards: Greatest of All Time」プロモーションのリモート撮影も含まれる。

Crew in a Boxは、クリオ賞受賞歴のあるCMディレクターでロサンゼルスの制作会社Wavemaker Creativeのオーナーであるアイラ・ローゼンスウェグ氏、受賞歴のある撮影監督ダラス・スターリング氏、エミー賞ノミネート歴のあるVFXアーティストジェレミー・ファーンスラー氏により開発された製品。

Crew in a Boxは、簡単に使用でき、高品質で遠隔操作可能な制作テクノロジーであり、パンデミックの最中でも安全に撮影を継続できる。また同製品は、先日IABMのBaM Create Awardの2020年最優秀放送&メディア制作および撮影イノベーション賞を受賞している。

ローゼンスウェグ氏:本格的な制作を保留せざるを得ない場合でも、ブランドやネットワークは引き続きセレブリティーを起用して、製品や番組の宣伝を行いたいはずだと考えました。従来型のセットに戻って撮影するのに不安を覚えるタレントや、スタッフを実際に配置して制作を行うリスクを避けたいと考えるメディア会社にとって、Crew in a Boxを用いることで、実際にスタッフが現場で作業する必要なく、安全な方法で高品質の制作を行えます。

Blackmagic DesignのBlackmagic Pocket Cinema Camera 6Kを中心に構築されている同製品では、高品質のイメージが得られる。各キットには、カメラ、内蔵テレプロンプター兼ディレクターがタレントと直接通信できるInterrotron、3つのパネルから成る幅90cmのLED照明、プロ仕様のマイクが含まれている。Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kを選んだ理由を同氏は以下のように語る。

映像作家である私たちにとって、プロダクションバリューと画質は最も重要な要素です。また、幅が約60cmの箱に収まり、コンピューターから操作できる小型のカメラを探していました。あらゆる小型のシネマカメラに関してリサーチを行ったのですが、すぐにBlackmagic Pocket Cinema Camera 6Kが最良の選択肢であると気付きました。

以前に使用したことはなかったのですが、はるかに高額なカメラと肩を並べる画質が得られ、浅い被写界深度の美しいイメージが撮影でき、13ストップのダイナミックレンジに対応していることを知りました。また、6Kで撮影できるので、中間距離で撮影し、その映像をクローズアップにしてもアーチファクトが生じないため、少ないテイク数で済みます。

タレントが箱を開けてカメラを接続するだけで、システムは離れた場所にいるスタッフに自動的にインターネット経由で接続され、それらのスタッフが遠隔から撮影のあらゆる側面のコントロールを行う。撮影中、ディレクターがビームスプリッター上に表示され、タレントに対して指示を行い、このビームスプリッターのガラス面を通して、カメラがタレントを撮影する。カメラの操作、フィード間の切り替え、グラフィックの挿入はすべて、ATEM Mini Proでリモートで実行される。

ATEM Mini Proではカメラを遠隔から操作でき、カスタムメイドのCrew in a Boxソフトウェアを用いることで、Zoomがカメラをウェブカメラとして認識するようになります。これに加え、優れた付加機能も搭載しています。DaVinci Resolveプライマリーカラーコレクターでのカラーグレーディング、4台までのローカルカメラを確認および切り替え可能な機能、内蔵DVEでのエフェクト処理、複数のプラットフォームへ直接ライブ配信できる機能などを使用できます。

エージェンシー、クライアント、スタッフがビデオ会議に参加し、カメラからの高解像度のフィードを確認し、セットでの撮影かのように制作を進められるため、撮影に関わる人すべてが円滑に作業を行える。Blackmagic Pocket Cinema Camera 6Kからのビデオはボックス内で収録される。あるいは、フィードをライブ配信に使用することもできる。

登場以来、Crew in a Boxは多数の世界的な広告キャンペーン、配信、放送に利用されている。クライアントには、マクドナルド、ステートファーム保険、Audibleに加え、NBC、FOX、ABC、FXなどのネットワークなどが含まれる。

新型コロナウイルス感染症による規制の変更に伴い、Crew in a Boxは、カメラに直接語りかけるタイプのCM、カメラ目線もしくはフレーム外に目線があるインタビュー、遠隔からゲストが出演するバラエティ番組やトーク番組、映画宣伝、スタッフがいない場所にいるタレントの撮影などにも使用されるようになっており、今後も引き続きこのようなケースの撮影方法のひとつとして使用されることが予測されている。

先日、Crew in a Boxはヴァネッサ・ハジェンズを司会に迎えた「MTV Movie & TV Awards: Greatest of All Time」のプロモーションキャンペーンの撮影に使用された。プロデューサー、撮影監督兼Crew in a Boxの操作担当、テレプロンプターの操作担当を含む、5名のスタッフがカメラ操作および撮影の技術面をリモートで担当し、バイアコムCBSのスタッフが遠隔でクリエイティブ面およびプロデューサー業を取り回して撮影されたため、不要なリスクを除去し、タレントに不安感を与えることなく制作を行うことができたとしている。