Blackmagic Designの発表によると、ゲーム開発会社NetEase Gamesの人気ゲームである「IdentityV 第五人格」のeスポーツ大会にBlackmagic Designのワークフローが使用されたという。同大会では、Blackmagic URSA BroadcastATEM Constellation 8Kをはじめとする様々なBlackmagic Design製品でeスポーツ大会の配信が行われた。同大会のシステムの構築は株式会社PANDASTUDIO.TVが行った。

「Identity V」はNetEase Games製作のゲームで最も人気のあるタイトルのひとつで、国内外で2億回以上ダウンロードされている。複数プレイヤーでチームを組んでプレイするホラータッチの同作は、世界各国でeスポーツ大会が開催されており、各国の勝者が集まって世界大会も開催されている。日本国内のチャンピオンを決めるIdentity V Championship Japan Fall 2020(IVC2020)は2020年11月に開催され、勝ち残った144チームがトーナメント戦に参加した。同大会はライブ配信され、総再生数は870万回を超えた。

同社はPANDASTUDIO.TVのスタジオで配信業務を行っており、そこにはATEM 2 M/E Production StudioスイッチャーやATEM 2 M/E Advanced Panel、DeckLink Duo2キャプチャーカード、HyperDeck Studio Proディスクレコーダー、Smart Videohub 40×40ルーターなどが導入されている。ここでゲームの実況解説やeスポーツの予選など、選手が会場に集まらずに、オンライン上でプレイする際の放送が行われている。

今回のIVC2020では、このPANDASTUDIO.TVのオンライン用配信システムをベースに、Blackmagic URSA BroadcastやATEM Constellation 8Kなどを含む、オフライン(会場)用のシステムを新たに構築して配信が行われた。

会場では、選手たちを撮影するために5台のBlackmagic URSA Broadcastが使用された。それらのカメラの出力は、Smart Videohub 40×40を介してATEM Constellation 8Kに送られた。スイッチングにはATEM 2 M/E Advanced Panelが使用され、そのPGM出力が配信用のスイッチャーへ送られた。同社eスポーツ部マネージャーの郑潇翔氏は次のようにコメントしている。

郑氏:今回はリアルタイムでカメラコントロールができる機材が必須でした。大会の冒頭でゲームの登場人物に扮したダンサーが踊る部分がありますが、このダンスシーンをきちんと撮りたいと思っていたからです。ATEM Constellation 8Kはスイッチャー側からカメラコントロールができる上に、コストも抑えられるので他に選択肢はありませんでした。ハードウェアのATEM Camera Control Panelを使って手軽に調整できたのもありがたかったです。

ゲーム内の映像は6カメラ使っています。eスポーツの大会ではオブザーバーと言われるゲーム内カメラマンがいます。彼らはゲームの内容には影響を及ぼさずに、ゲーム内の視点を自由に変えて、ゲーム内の映像を配信スタジオに届けます。彼らの腕次第で試合の面白さも左右されるとても重要な役割です。スマートフォンやPCから送られたゲーム映像はATEM 2 M/E Production Studioでスイッチングしました。

さらに、同大会の会場には教会のセットが作られており、そのセットの入り口裏には大型LEDディスプレイを設置し、通常時は教会内部の映像をHyperDeck Studio Miniから再生してセットに奥行きを持たせるとともに、試合終了時には勝利チームのロゴを表示した。この映像はBlackmagic DesignのATEM Television Studio Pro 4Kでマクロを組んでワンタッチでスイッチングされた。

また、当日は選手の舞台裏の様子も映像で記録していた。同社eスポーツ部コンテンツディレクターの許馨予氏は次のようにコメントしている。

許氏:もともと舞台裏の選手たちを写真で記録するつもりだったのですが、照明が暗くて写真では綺麗に撮れないと言われて、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kを使って撮影することにしました。映像に残したことで、ファンの方々からも選手の普段見られない一面が見られて嬉しいと好評でした。

郑氏:暗いところでも綺麗に撮れるカメラということで、ドキュメンタリー担当のチームと調べていて、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kは低照度下の撮影にも強く、持ち運びしやすい、そしてジンバルにも載せられるということで採用しました。BRAWで収録しましたが、ノイズもなく綺麗に撮れていました。ポストプロダクションもDaVinci Resolve Studioで行いました。

当日は、メインのシステムで使うもの以外にも、たくさんのBlackmagic Design製品を会場に持ち込んだという。

本来なら、カメラの出力はそのままATEM Constellation 8Kに送れるのでルーターは必要ないのですが、Smart Videohub 40×40を2台持ち込みました。当日は関係者が100人もいて、あちこちで映像確認が必要だったんです。そのためプログラム映像を各ディスプレイに送るためにSmart Videohub 40×40をフル活用していました。そのほかにもセットアップ時に信号がきているかの確認でVideo Assist 12G HDRを使いました。今回、様々な場面でBlackmagic Design製品を使いましたが、円滑な大会の運営に不可欠でした。