35mm F1.4 DG HSM | Artが光学性能の強化や小型化を実現してリニューアル

シグマは2021年4月27日、ミラーレス専用設計のフルサイズ対応「SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art」を発表。それに合わせて代表取締役社長山木和人氏がオンラインイベント「SIGMA STAGE Online」を開催した。すでに発売されている35mm F1.4 DG HSM | Artとの違いについて詳しい紹介が行われたので、その様子を紹介しよう。

シグマはLマウント用とソニーEマウント用の35mm F1.4 DG HSM | Artを販売中だが、こちらはもともとDSLR用設計だったものを改良したもの。2012年に販売を開始したArtライン初のレンズではあるが、今でも同クラスで最高レベルの品質を備えたレンズのひとつとしている。

一方、新製品の35mm F1.4 DG DN | Artは、ミラーレスカメラ専用設計を特長とする。光学性能の強化やコンパクトなボディ、ミラーレスカメラ用AFの高速化などについて改善を図ったという。

光学性能の強化し、周辺部の性能や色収差の少なさを実現

最初に新製品35mm F1.4 DG DN | Artを発売中の35mm F1.4 DG HSM | Artと比較し、その新しい要素と改良された要素を紹介した。1つ目が光学性能の強化、2つ目がコンパクトボディ、3つ目がミラーレスカメラ用AFの高速化とのこと。

光学性能の強化では、レンズ構成は光学性能をさらに高めるため数多くの高性能ガラスエレメントを使用。青色で示されたSLDガラスが2枚、緑色のELDガラスが1枚、黄色のFLDガラスが1枚、赤枠の非球面ガラスが2枚で構成されているという。

MTF曲線を紹介。どちらのレンズも優れているが、周辺部の性能は35mm F1.4 DG DN | Artが上回っているとアピールした。

MTF曲線の比較。左が新製品の35mm、右が発売中の35mm

この2種類のレンズは、同じ光学設計者によって設計されており、この2機種は高い性能を達成しながらも、新製品の35mm F1.4 DG DN | Artでは軸上色収差の改善を試みることができたという。軸上色収差を比較では、新製品の35mm DG DN | Artでは色収差が小さくなっていると語った。

ピント面の前後に現れる軸上の色収差を光学設計の段階で除去をしている

サジタルコマフレアの改良については、35mm F1.4 DG DN | Artと35mm F1.4 DG HSM | Artで撮られた星景写真の周辺拡大を紹介。新製品35mm F1.4 DG DN | Artでは、サジタルコマフレアが非常に良く抑えられ、天体写真撮影のカメラマンには特に満足していただけるのではと説明した。

左が35mm F1.4 DG DN | Art、右が35mm F1.4 DG HSM | Art

シグマは、ガラス面間の反射とメカ部品によって画像内で発生するゴーストをシミュレートできるプログラムを開発。新しいレンズの設計作業が始まると、ゴースト専門チームが初期設計段階からゴーストのシミュレーションを行い、防止に向けた設計の変更を光学設計者に助言するという。

ゴースト専門チームは、新しいレンズの試作品や生産準備品を製作する際には、ゴースト専門チームが光をさまざまな角度に変えながら数多くの写真を撮影し、画像に想定外のゴーストやフレアが発生していないかどうかをチェックする。35mm F1.4 DG DN | Artでは、開発期間内に合計で3,000枚以上の画像を撮影したという。

ゴースト専門チームのおかげで、35mm F1.4 DG DN | Artでは画像内のゴーストとフレアを最小限に抑えることに成功。ゴーストに悩まされることなく、超高コントラスト画像を期待できると語った。

85mm F1.4 DG DN | Artの知見を生かして、小型化と高い光学性能を実現

小型化については、新製品の35mm F1.4 DG DN | Artは発売中の35mm F1.4 DG HSM | Artよりもさらに小型化を実現。質量は645gで、最新のコンパクトミラーレスカメラに十分にフィットさせるために小型化を目指したという。

先日発売された85mm F1.4 DG DN | Artのおかげで、レンズの小型化と高い光学性能を同時に実現するために必要な知見を取得。85mm F1.4 DG DN | Artと新製品35mm F1.4 DG DN | Artは、同じ設計チームと光学設計者、メカ設計者が開発に携わっていると紹介した。

フォーカスレンズの軽量化でオートフォーカス機能の高速化を実現

オートフォーカス機能の高速化では、新製品35mm F1.4 DG DN | Artのフォーカスユニットを紹介。1枚のレンズでフォーカス機能の制御をしており、フォーカスユニットの軽量化を実現。それにより、AF-SとAF-Cの双方でフォーカススピードの高速化を可能としている。

また、35mm F1.4 DG DN | Artには、複数の便利な機能が搭載。絞りリングと絞りリングロックスイッチを搭載、絞りクリックスイッチを使用すれば、動画撮影用に絞りのクリックなしが可能、AFLボタンを搭載し、フォーカスをロックするだけでなく、ソニーーEマウントシステムのボタンの機能をカスタマイズ可能。さらにフォーカスモード切換えスイッチも搭載。レンズフードは正しい位置に装着するとスイッチによりロックされるという。

小型化と大口径を両立しい人にお勧めの新製品

シグマには同じ焦点距離に、35mm F1.2 DG DN | Artと35mm F2 DG DN | Contemporaryをラインナップ中。非常に大きなボケ味を必要とする場合はF1.2、コンパクトなボディと大口径35mmを必要としいる場合は新製品の35mm F1.4 DG DN | Art。コンパクトさを重視するなら35mm F2 DG DN | Contemporaryをお勧めするとしている。

最後に35mm F1.4 DG DN | Artの発売日は5月14日を予定し、希望小売価格は税込115,500円だという。