Blackmagic Designの発表によると、金鶏奨を受賞した「チャクトゥとサルラ」が、北京映画アカデミー(BFA)のルオ・メンチョウ氏により、DaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Advanced Panelを使用してカラーグレーディングされたという。

「チャクトゥとサルラ」は、モー・ユウ氏による小説、「羊を飼う女」がベースとなっている。平凡なモンゴル人夫婦が、それぞれ異なるライフスタイルを追い求めることで互いにすれ違っていく。

「チャクトゥとサルラ」は、北京映画アカデミーの映画監督学部で学部長を務めるワン・ルイ監督がメガホンを取り、ジリムトゥ、そしてタナが出演。2020年7月31日に中国全土でプレミア公開された同作は、第33回金鶏百花映画祭において、最優秀監督賞を受賞し、さらに第32回東京国際映画祭において最優秀芸術貢献賞を受賞した。

「チャクトゥとサルラ」のグレーディングは、2018年9月に、映画/テレビテクノロジー学部の一部である150平方メートルの広さを持つDaVinci Resolve 4K DIシアターにおいて、監修カラリストであるゼン・ジーガン教授とカラリストのルオ・メンチョウ氏が、北京映画アカデミーの映画/テレビテクノロジー学部と共同で行った。

メンチョウ氏によると、多くのシーンは、同作の撮影監督を務めた北京映画アカデミーのリー・ウェイ教授率いるチームにより、内モンゴル自治区の大草原で撮影されたという。

メンチョウ氏:リー教授のチームはすばらしい仕事をしてくれました。彼らはカラーグレーディングを非常に重視しており、カラリストたちが、作品のリアルなテーマを反映するような魅力的なルックに仕上げることを期待していました。この作品は、異なるメーカーの2台のカメラを使って撮影したので、カラーマッチが非常に重要でした。

ストーリーは秋から冬にかけて展開される。このため、カラリストたちは多くの油絵を参照にしてそれぞれの季節に適したルックを模索したという。

最終的に、秋の草原のルックはジャン=フランソワ・ミレーの「羊飼いの少女」からインスピレーションを得ました。冬のシーンは色褪せた冷たいルックを採用しました。

カラリストのチームは、ACESワークフローでのフィルムルックの作成に関して、研究やテストを重ね、DaVinci Resolve Studioで同作用のPowerGradeを作成した。プライマリーグレーディングではコントラストや明るさの調整にフォーカスし、セカンダリーグレーディングではログモードで微調整して細かな変更を加えたという。その結果、起伏に富んだストーリーの中に、常に希望があることを暗示するユニークなルックとなった。

メンチョウ氏にとって、DaVinci ResolveのACESワークフローで作業したのは今回が初めてであったが、同作におけるカラーの扱いを振り返り、次のようにコメントしている。

10年前にDaVinci 2K Plusを使用し始めて以来、私は常にDaVinci Resolveを使用しています。パワフルな各ページは特定のジョブに特化しており、精巧なノードベースのワークフローを実現できます。これらの機能により、DaVinci Resolveは主要なポストプロダクションツールの中でも卓越したツールとなっています。

ACESワークフローに新しく対応したことで、よりパワフルかつ多用途になりました。この作品で使用したACEScc AP1カラースペースは、異なるカメラのショットをカラーマッチするのに非常に役立ちました。

さらに特筆すべきは、ACESワークフローに切り替えた時に、DaVinci Resolve Advanced Panelのトラックボールの周囲にあるリングの感度が変更することです。反応性がよくなり、波形も抜本的に変わりますが、すでに行った調整に関しては、ディテールがそのまま残ります。

カラーグレーディングの他に、メンチョウ氏は異なるフォーマットやカラースペースでデリバリーを出力する必要があった。

DaVinci Resolveのデリバーページは、ACES ODTオプションと動作し、複数のビデオクリップやイメージシーケンスを、Rec.709あるいはDCI-P3で、一度に効率的に生成できます。DaVinci Resolveは直感的で、幅広いパワフルなツールを提供してくれるので、カラリストたちはそれらをクリエイティブに使用して、目指すゴールに近づくことができます。

さらに今回のプロジェクトでは、UltraStudio 4K ExtremeやDaVinci Resolve Advanced PanelなどのBlackmagic Designのハードウェア製品も使用しましたが、これらは、作品を効率的かつ安定的に完成させるために必要不可欠でした。