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SIGGRAPHでは、数多くのセッションや展示が同時並行で開催され、例えばアート、ゲームなどと分野を絞ったとしても、なかなか一人では全ての情報を網羅することはできない。FacebookやTwitterで情報交換、情報を入手しつつ、会場を飛び回ることになる。 その中から話題をいくつか紹介しよう。

Job Fair

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SIGGRAPH会場は、学会発表の場でありながら、巨大な求人/求職の場でもある。展示会場でブースを設けていた GoogleはGoogle Earth、Sketch Upといったプロダクトを売り込むとともに、求人用フライヤー(ちらし)を大量に配っていた。Googleというと検索の会社のように思えるが、実はSIGGRAPHにくるようなインタラクションデザインに強い人材を求めている。Googleの求人カテゴリは、以下のようなものだった。

  • User Experience Resercher
  • Interacton Designer
  • Visual Designer
  • Software Engineer,
  • Front End Software Engineer

また、同様にブースを構えていたCGプロダクションDigital Domainでは、細かに分野が提示された求人用フライヤーを配布していた。特に、特定の分野において何年くらいの現場経験があるのか、どのようなソフトウェア(ツール)が使えるのか、どのような技術を使いこなせるのか?といった細々としたニーズが明確に記載されているのが印象的であった。

業種によってはPythonやC++といったプログラミング言語の素養が求められたり、Real Flow、SynthEyes、PFTrack、Nuke、DeepPaint、VUE、ZBrush、Combustion、Silhouette、Mudboxといった特定用途向けの特殊なソフトウェアの技能も求められる。また、多くの人にとっては初めは映画業界での経験は無いわけで、CM映像制作、テレビ番組での特殊効果などの経験も評価される。各カテゴリは以下のとおり。

 
  • Animator
  • Cloth/Hair Technical Director
  • Compositor
  • FX Artist
  • FX Technical Director
  • Integration Artist : 実写映像との合成を司る、トラッキングツールを駆使するアーティスト
  • Lighting Artist
  • Look Development Technical Director:主にシェーダーを操り、映像の見栄えを司る仕事
  • Matte Painter
  • Modeler
  • Production Coordinator
  • Rigger:モーションキャプチャデータを扱ったり、キャラクタの骨格データのセットアップ等を行う
  • ROTO/Paint Artist
  • Texture Artist

また、展示会場横には、求人/求職の専用コーナー”Job Fair”が設けられた。Sony Pictures Imageworks、Walt Disney Animation Studios、LucasArtsといった大手から、The Millなどの CMプロダクション、IntelやNVIDIAといった技術系の企業、バンクーバーの地元プロダクションまで、24社のブースが立ち並んでいた。Job Fairでは学生らしき若手を中心に、大判のポートフォリオを見てもらったり、デモビデオのDVDを交換する様子が盛んに見られる活気のある場であった。

Pixar User Meeting

Pixarは、展示会場ではCars2の絵柄が目立つブースを設け、レンダリングツール PRMan(PhotoRealistic RenderMan) の製品紹介や、各種映像のメイキングセッションなどを開催していた。Pixarは、Cars2のような映画の制作を中心とするアニメーションスタジオと、そのCGアニメーションを作るためのレンダリングツールであるPRManの開発部署に分かれている。PixarのPRManはPixarのみならず、世界中のCG/VFX映像のための定番のツールであり、多くの利用ユーザーをかかえる。それらPRManのユーザーを集め、PRManのバージョンアップにともなう新機能の紹介や、ユーザーの事例紹介など、展示会場とは趣きが異なる場がPixarのユーザー会である。ユーザー会は会場近くのホテルで夕方から夜にかけて開催された。ユーザー会での事例紹介は、本来の目的を逸し、圧倒的な技術力を元にした受け狙いの発表が続き、会場の拍手と笑いを誘っていた。

WRITER PROFILE

安藤幸央

無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPHをはじめ、 国内外の映像系イベントを独自の視点で紹介します。