PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [Camera Preview 2020]Vol.12 RED KOMODO 石坂拓郎撮影監督インプレッションインタビュー
News

[Camera Preview 2020]Vol.12 RED KOMODO 石坂拓郎撮影監督インプレッションインタビュー

#RED DIGITAL CINEMA #Camera Preview 2020

2020-10-23 掲載

txt・構成:編集部

撮影監督石坂拓郎氏がRED KOMODOでアクション作品を撮る

撮影に使用したRED KOMODO ST(ストームトルーパー)。初回限定版の配色だ。現行品の筐体は黒色

これまで謎に包まれたシネマカメラ「RED KOMODO」がまもなく出荷を開始する。国内でも国内代理店のRAIDがKOMODOのリリースに向けて準備中。そして、実写映画「るろうに剣心」の撮影監督 石坂拓郎氏がKOMODOのデモリールを撮影したという。KOMODOを使った撮影体験談を聞くことができたので、さっそく紹介しよう。

Martial Arts Tokyo | Takuro Ishizaka | KOMODO
–今回の内容に至りました経緯を教えてください

KOMODOのデモリールを撮影しました。

企画を考えているときに、ちょうどInstagramで映画「るろうに剣心」のアクション部で日芸を卒業した伊澤彩織さんの投稿を見かけました。伊澤さんは、Instagramで格闘家などのワンアクションを撮って、そこの最後に「MARTIAL ARTS TOKYO」と入れて公開するプロジェクトを行っていました。

これが、面白いなと思いまして、伊澤さんとコラボする形になりました。そこからどんどんと自分の知り合いを引き込んでいきました。それで制作していった事感じです。

石坂拓郎氏(撮影監督):米国LA在住の撮影監督。岩井俊二監督の右腕として活躍した名カメラマン、故 篠田昇氏の遺作となった「世界の中心で、愛をさけぶ」でフォーカスマンを担当。その後、国内の映画作品、CMなど様々な方面で活躍
――撮影期間は何日でしたか?

2日間が演者さんの撮影で、1日間が実景撮りでした。撮影は、汐留、中野、渋谷、晴海で行い、撮影部は3人で助手をつけました。尺はショートバージョンは30秒、ロングバージョンは2分です。

――KOMODOの第一印象はいかがでしたか?

よかったですね。いろいろな意見がありますが、私は素直に面白いな思いましたね。まず、四角という形が潔い良いですね。手に持った瞬間、「ちいさっ!」みたいな感じでした。本体のみで、あとはなにもついてない。上にディスプレイがついていますが、それが起き上がることもない。本当に潔く、四角い。そのデザインは大変なインパクトを感じました。

国内メーカーさんともカメラについて意見交換をする機会がありますが、XLRを始めさまざまな機能が搭載していないと不十分だよねという感じになってしまう。結局、機能を実装せざる終えなくなって、複雑化してしまう。REDの場合は、割り切っているのでしょう。最小限かつ必要な機能で実現している印象を受けました。

――先日、完成前の作品を拝見させていただく機会がありました。グレーディングをしなくても「完成の状態ではないか?」と思いました。

それはグレーディングをしていないストレートで出しただけの状態ですね。やっぱりKOMODOの面白かったのが、REDはLUTを昔から積極的に配布や共有が行われています。そのLUTの運用が充実しており、近年では、仕様書がしっかりしています。それをきちんと読んでみると、意外にワークフローにもうまく絡められる。カメラ用のLUTをダウンロードして、メディアに入れてKOMODOの中に入れることができます。

そして、「RED CONTROL」と呼ばれるiPhoneアプリが非常に重宝します。iOSデバイスから直接KOMODOカメラを制御できるアプリなのですが、特に感動したのは、映像がアプリ上で確認できることです。

RED CONTROLは、全メニューがコントロールできる。その中に3D LUTメニューがあり、プリセットや好みのLUTがすべて作例として、同時にリスト表示できます。カメラボディからモニターにつないで、ルックの確認をモニターでできます。その少し派手なライティングをして、色破綻がLUTででちゃったりしても、違うLUTで試す、といった思考錯誤も可能です。

さらに、現場選択したLUTは、ポスプロでそのLUTを当てて再現もできます。これは凄くいいなと思いました。


――ダイナミックレンジや画質の面で、従来のDSMC2シリーズと違いを感じることはありますか?

KOMODOはグローバルシャッターを搭載しています。例えば、電車を撮影した場合、見慣れてしまっている電車の歪みがありません。逆に最近ではローリングシャッターに慣れ過ぎていて、歪まないのが不思議に感じるぐらいです。あとは、フラッシュも試しましたが、光の光芒が線になることはありませんでした。

画質やダイナミックレンジに関しては、そんなに従来のREDとは差は感じません。従来のREDとは違うのは圧縮レートが細かく選べません。MQ、HQ、LQの3種類です。

私が手元に届いたときは、MQとHQしかありませんでしたが、最近になってLQが追加されました。その3つがあれば、結構十分だなと思いました。KOMODOはREDCODE RAWのR3Dで撮れます。あの小ささで、16ビットのR3Dが撮影可能ということが最大のアドバンテージだと思います。

ノイズに関しては、少しあります。これはグローバルシャッターの影響だと思います。ただし、いろいろ検証してみると、ISO1600に上げれると、ハイライトも綺麗に収まることがわかりました。当初はISO1600で撮ろうと考えましたが、ノイズが上がるので、最終的にはISO1000ですべて撮りました。

ノイズリダクションテストも行いました。Resolve用のNeat Videoのノイズリダクションをしたのですけれども、サンプルを撮って試したところとても綺麗になります。ノイズリダクションは、約90ドルぐらいで購入ができます。パッと処理するだけでISO800より綺麗にすることができます。それもRAWの状態でノイズキヤンセルできるのも強みだと思います。

――KOMODOのイメージセンサーはスーパー35mmですが、スーパー35mmのメリットやデメリットをどのようにお考えですか?

私は「るろうに剣心」をRED MONSTROで撮ったこともあり、スーパー35mmの良し悪しはわかります。小型が特徴であるKOMODOというプロダクト特性を考えたときに、これにフルフレーム搭載は少し意味がないかなと思いました。私自身、スーパー35mmでずっと撮影をしていたこともあり、そんなに気にはなりませんでした。

――今回の作品は、どのようなレンズと組み合わせて撮影をされましたか?

1つはTOKINA CINEMA ATX 11-20MM T2.9です。このレンズは面白いと思いました。RFマウントが良かったのは、何のマウントでも変換できるところです。

それと、今回の都内の撮影場所は、暗いシーンが多かったので、ファーストレンズ(ZEISS SUPER SPEED)を借りて使いました。T1.3と明るいのが特徴です。

私は昔よく使っていたレンズで、小型なのが特徴です。近年のシネマレンズは、どれも大型化の傾向にあります。LeicaのSummiluxやSummicronになると、ボディの2倍ぐらいの長さになってしまいます。しかし、ファーストレンズはあの小ささで、T1.3です。クオリティもよくて、フレアもいい。KOMODOに対して、大型化の問題をどうやって防ごうかなと考えたときに、ファーストレンズの組み合わせが一番いいなと思いました。

アクセサリーは、Wooden Cameraのマウント変換とトップハンドル、バッテリーアダプターを使って撮りました。バッテリーは、BebobのMICROにして、できるだけ小型化を実現しました。そして、MoVI Proに乗せて持った瞬間にあまりの軽さに感動しました。動きやすいし、結構無理な体勢もできる。このぐらい軽ければ、MoVIの意味があると思いました。

――どのような解像度で撮影をされましたか?

メインは6Kと4Kです。たまに5Kで撮りました。KOMODOの6Kは最大40Pまでです。残念ながら4Kまで落とさないと、60Pにはなりません。ハイスピードはそれほど強いカメラではありません。2Kは120Pに対応しますが、少し怖くて本番撮影では使用しませんでした。

6Kは、Colorfrontようなソフトウェアを使用すれば8K現像も可能となります。あとは6Kや5Kで撮って、納品が4Kであれば、オーバーサンプルリングで綺麗になるし、小さいフォーマットを作って、疑似ルックアラウンドにする。もしかしたら、あとで、スタビライザーをかけられる余裕もでたりします。

――今後、KOMODOでどのような作品を撮影したいと考えてしますか?

KOMODOは、シンクにも対応していますので、マルチカメラの撮影も可能です。KOMODOは決して高くはありませんから、恐らく結構な人が購入するのではないかと思います。例えば知り合いからKOMODOを借りて、プレート上に3台を並べた撮影が実現できるのでは?と考えています。今まではMONSTROで3台揃えるとなると偉い値段になるので、なかなか実現はできませんでした。

KOMODOは、R3Dやカラーマネージメントが結構しっかりしており、RAWで撮影が可能というところが僕にとっては大きいなと思っています。それ故、撮って出しでベストな画が撮れるというカメラではありません。ひと手間加えて使うイメージのカメラです。使い方を分かれば、ぐっとクオリティが上げられる。RAWなので、フレキシブルにさまざまな形にできると思います。

txt・構成:編集部
Vol.11 [Camera Preview 2020] Vol.013

[ Category : ]
[ DATE : 2020-10-23 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[Camera Preview 2020]Vol.15 「LUMIX DC-BGH1」開発者インタビュー。動画に特化した新機軸の箱型ミラーレス一眼担当秘話を聞く

取材・文:編集部  パナソニックからボックススタイルのミラーレス一眼「LUMIX_BGH1」が発売された。PRONEWSではいち早くからレビューをお届けしているが、今回は... 続きを読む

[Camera Preview 2020]Vol.14 RED、箱型シネマカメラKOMODOいよいよ一般発売。デザインやスマホ連携などの魅力を紹介

取材・文:編集部  KOMODO予約販売スタート REDは2020年10月14日、小型シネマカメラ「KOMODO」の正式受付を開始した。KOMODOはRED Digit... 続きを読む

[Camera Preview 2020]Vol.13 「EOS C70」開発者インタビュー~シネマカメラとミラーレスカメラを融合した理由

取材・文:編集部 撮影:小山田有作 CINEMA EOSとミラーレスを融合させた新機軸のCINEMA EOS誕生 2020年11月中旬に発売が決まったキヤノン初のR... 続きを読む

[Camera Preview 2020]Vol.11 SIGMA fpとBlackmagic Video Assist 12G HDRでBlackmagic RAW収録を試す

txt:伊藤格 構成:編集部 SIGMA fp firmware version 2 & Blackmagic Video Assist 12G HDR SIGMA f... 続きを読む

[Camera Preview 2020]Vol.10 小型軽量ボディに高い基本性能を搭載したLUMIX S5登場

txt・構成:編集部 高感度画質と高い品質の動画性能を搭載したハイブリッドミラーレス 2020年9月3日、パナソニックは小型軽量ボディに高い基本性能を持ち、静止画と動画... 続きを読む

[Camera Preview 2020]Vol.09 ソニーFX9ファームウェアVer.2.0発表。カメラマン田村雄介氏がFX9企画・設計者を直撃!

txt・構成:編集部 5Kサイズスキャンによる4K60P記録やフルHD180fps撮影などを機能拡張 ソニーは2020年5月1日、XDCAMメモリーカムコーダー「FX9... 続きを読む

[Camera Preview 2020]Vol.08 パナソニックS1HがアップデートでRAW出力対応。RAWワークフローの敷居は高くない

txt:田中誠士 構成:編集部 パナソニックS1HのRAW出力を検証する コロナ禍な昨今、小規模体制な撮影ニーズが急増していると感じる。 筆者はこれまで多数のカメ... 続きを読む

[Camera Preview 2020]Vol.07 Z CAMのCEO キンソン・ルー氏に同社シネマカメラE2シリーズの魅力を聞く

txt・構成:編集部 最小で手頃な価格帯の4Kカメラを実現するZ CAM社 Z CAMは、海外ではお手頃価格かつ、性能の高さが話題のシネマカメラブランドだ。国内では技術... 続きを読む

[Camera Preview 2020]Vol.06 初メジャーアップデートVer.2.00で大きく変化するSIGMA fp

txt:駿河由知 構成:編集部 使えば使うほど楽しくなるSIGMA fp 2020年7月11日と13日開催の「ライブ配信まるごと大相談会」。筆者は「シグマfpによる... 続きを読む

特集記事

2020年11月特集:[再現:Inter BEE 2020]-Web Trade Show- 再現:Inter BEE 2020-Web Trade Show-
11月18日(水)からオンライン開催されるInterBEEを解説する。
Inter BEE 2019 ぼくらのEDIUS X
約3年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「EDIUS X」の魅力を紹介。
InterBEE 2019の歩き方 Broadcast & Cinema EXPO 2020
映像制作者、映像業界関係者向け情報イベント配信番組。
ATEM WORLD ATEM WORLD
ラインナップ充実のATEM Miniシリーズの選び方や使いこなしをご紹介。
SIGGRAPH2020 SIGGRAPH2020
オンライン開催されたVFXの祭典・SIGGRAPH2020をレポート。
映像基礎講座 映像基礎講座
映像の基本や基礎知識を学ぶ。映像制作初心者はもちろん、熟練者ももう一度初心に立ち返ろう。
	
Shoot with Vlog cam Shoot with Vlog cam
個人の動画ブログ「Vlog」が隆盛するいま、Vlog用カメラを通して映像を撮ることを数回にわたり考える。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part II
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part I
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
AfterCOVID-19 映像業界サバイバル AfterCOVID-19 映像業界サバイバル
社会的危機となっている新型コロナウイルス拡大の状況を分析し、今何が起こり、何が必要で、その後に何が訪れるのかを考えてみる。
Film Shooting Rhapsody 上映編 Film Shooting Rhapsody 上映編
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。今回はフィルム現像から紹介する。
再現:NAB2020 再現:NAB2020
米国ラスベガスにて開催予定だった世界最大の放送機器展覧会 2020 NAB Showでお披露目される予定だった内容を再現していく。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。
再現:CP+2020 再現:CP+2020
開催中止となってしまったCP+2020をPRONEWS誌面上で再現して行く。
CES2020 CES2020
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2020をレポート。
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [Camera Preview 2020]Vol.12 RED KOMODO 石坂拓郎撮影監督インプレッションインタビュー