[CP+2021]Vol.03 シグマ、山木社長が語る28-70mm F2.8 DG DNのContemporary版とArt版の違いとは?
2021-02-24 掲載

txt・構成:編集部
山木社長がオンラインプレゼンテーションでContemporary版とArt版の違いを解説
シグマは2月24日、ミラーレス専用フルサイズ標準ズームレンズ「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」(以下、28-70mm Contemporary)を発表。それに合わせて代表取締役社長である山木和人氏が交換レンズ新製品のプレゼンテーションを行うオンラインイベント「SIGMA STAGE Online」を開催した。シグマはすでに24-70mm F2.8 DG DN | Art(以下、28-70mm Art)を発売中にも関わらず、なぜ28-70mm Contemporaryを発売したのか?興味深い内容が紹介されたのでレポートしよう。

ワイド側の開始焦点距離を28mmとすることにより、コンパクトなボディを実現
山木氏は、最初に新製品の概要を紹介。28-70mm F2.8 Contemporaryは、フルフレームミラーレスカメラ用に設計されたDG DNレンズで、Lマウント用とソニーEマウント用をラインナップするという。
ただし、シグマには既にF2.8の標準ズームレンズ24-70mm F2.8 Artを発売している。24-70mm F2.8 Artと28-70mm F2.8 Contemporaryはワイド端の焦点距離を除いて仕様に違いはなく、大きな違いはワイド端で現行モデルは24mm、新製品は28mm。ここから山木社長は、コンセプトと仕様や相違点、類似点について説明した。

まずは、28-70mm F2.8 Contemporaryのコンセプトについてだが、レンズを設計する際に、「小型化」「24-70mm F2.8 Artと同等の光学性能」「高いビルドクオリティ」の3つの目標を定めたという。
小型化については、すでに現行の24-70mm F2.8 Artは市場の中でも、ソニーの「FE 24-70mm F2.8 GM」やパナソニックの「LUMIX S PRO 24-70mm F2.8」よりも小型で軽量のレンズを実現したとのこと。

ソニーEマウント用のタムロン「28-75mm F/2.8 Di III RXD(A036)」は、このクラスでは最も小型だが、28-70mm F2.8 Contemporaryはさらに上回るコンパクトな製品を実現。28-70mm F2.8 Contemporary(Lマウント用)の全長は101.5mm、最大径は72.2mmで、24-70mm F2.8 Artよりも約20%短く、20%スリムになったという。

質量は24-70mm F2.8 Artよりも43%軽く、470g。フィルターサイズは67mmに対し、24-70mm」のフィルターサイズは82mm。コンパクトなミラーレスカメラにぴったりとフィットし、SIGMA fpを組み合わせた場合の総重量は892gとアピールした。

小型化を実現した理由として、ワイド側の焦点距離を挙げた。24mmと28mmでは数字的には4mmしか違わないが、画角には大きな違いが生じる。24mmの対角画角は85°だが、28mmでは75°となる。つまり、ワイド側の開始焦点距離を28mmとすることにより、コンパクトなボディの設計が可能と解説した。
Artと非常によく似た光学設計を採用を採用して、匹敵する光学性能を達成
次に山木氏が語ったのは、24-70mm F2.8 Artに匹敵する光学性能の実現だ。その理由として、24-70mm F2.8 Artと28-70mm F2.8 Contemporaryでは、どちらの構成も非常によく似たレンズ構成図だが、この2種類のレンズでは似た光学設計を採用。そのため、どちらのレンズでも同じく、高いレベルの光学性能を期待できるという。
さらに、どちらのレンズも同じ光学設計者が設計を手掛けているのも、同じレベルの光学性能を期待できる理由のひとつとしている。


プラスチックを使いながらも高いビルドクオリティを実現
またビルドクオリティでは、軽量化を図るためにプラスチック部品を主体とするものの一切妥協はしていないという。プラスチック使用でありながら高いビルドクオリティを実現できた方法として、主に2つの方法があると明かした。第一は、シグマが特許を取得したTSC(耐熱性複合材)をプラスチック材料として、主要部品の大部分に使用したこと。
TSCは、通常のエンジニアリングプラスチックよりも硬度が高く、アルミニウムと同等の熱特性を有しているため、レンズ本体にソリッドな感覚を与える効果があるという。また機械設計者はサイズや質量よりも、ズームリングとフォーカスリングのビルドクオリティと操作感を優先し設計したことも理由だとした。

28-70mm F2.8 Contemporaryの発売日は2021年3月12日、価格は税込110,000円を予定している。
最後に山木氏は、「高品質でコンパクトな「28-70mm F2.8 Contemporaryが、皆さんの撮影生活に数多くの新たな機会をもたらすものになるよう願っています」と述べ、オンラインイベントを終えた。
txt・構成:編集部
◀︎Vol.02 [CP+2021] Vol.04(近日公開)▶︎
またビルドクオリティでは、軽量化を図るためにプラスチック部品を主体とするものの一切妥協はしていないという。プラスチック使用でありながら高いビルドクオリティを実現できた方法として、主に2つの方法があると明かした。第一は、シグマが特許を取得したTSC(耐熱性複合材)をプラスチック材料として、主要部品の大部分に使用したこと。
TSCは、通常のエンジニアリングプラスチックよりも硬度が高く、アルミニウムと同等の熱特性を有しているため、レンズ本体にソリッドな感覚を与える効果があるという。また機械設計者はサイズや質量よりも、ズームリングとフォーカスリングのビルドクオリティと操作感を優先し設計したことも理由だとした。

28-70mm F2.8 Contemporaryの発売日は2021年3月12日、価格は税込110,000円を予定している。
最後に山木氏は、「高品質でコンパクトな「28-70mm F2.8 Contemporaryが、皆さんの撮影生活に数多くの新たな機会をもたらすものになるよう願っています」と述べ、オンラインイベントを終えた。
txt・構成:編集部
[ Category : CP+2021, SPECIAL ]
[ DATE : 2021-02-24 ]
[ TAG : 展示会 SIGMA CP+2021]
- SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary(ソニーE用/フルサイズ対応) [SYSTEM5]
- 89,100円(税込)
- SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary(ライカSL/TL用) [SYSTEM5]
- 89,100円(税込)
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