急速に変化したイベントの在り方

Zoomなどのビデオ会議システムを活用したウェビナー(セミナー)、YouTube Liveなどのライブ配信のニーズが2020年春ごろから大きく広がり、2021年に入ってもなお、その勢いが続いています。

コロナ禍によって「人と人とがひとつの場所へ気軽に集まる」ことは困難になり、大きなホールで行われる音楽ライブや展示会、会議室規模のスペースで開催される講習会やセミナーなど、余暇や自己研鑽のために私たちが参加していた「リアル」で行われていた多くのイベントたちは、早急に「オンライン(ネット)」を活用した新しいカタチへの移行を求められたのです。

イベント運営に関わる人たちは、コロナ禍以前の「リアル」イベントと変わらないカタチのまま「オンライン」で成立させることに、さまざまな苦労と焦りがあったと推察します。

多くのイベントは「リアル」から「オンライン」へ。そして、最近では「リアル」で集まる人数をある程度制限しつつ「オンライン」でも参加できる、いわゆる「ハイブリッド」なカタチでイベントを開催する動きも顕著になっています。

この事態が収束していけば「リアル」と「オンライン」の割合がまた「リアル」のほうへ戻るのかもしれませんが、リアルのみの完全復活には相当な時間と、その議論が必要となるでしょう。

つまり、もうしばらくは「オンライン」と「ハイブリッド」なカタチのイベントの開催が必要とされます。Zoomなどのビデオ会議システムを活用したウェビナー、YouTube Liveなどのライブ配信のニーズは続いていくでしょう。

「Zoom」「YouTube Live」が注目される理由

Peatix Japan株式会社が発表した「2020年 オンラインイベントに関する調査」によれば、イベント管理・チケット販売サービス「Peatix」で告知されたオンラインイベントが「利用している動画配信サービス」のトップは「Zoom」で、73.4%と圧倒的な数字を示しています。

利用している動画配信サービス

Peatix Japan株式会社ブログ「2020年 オンラインイベントに関する調査」より引用

これまでもSkypeやLINEなどビデオ通話が可能なツールは存在していましたが、企業における「テレワーク」が進んだことで注目を浴びたのは、クラウド型ビデオコミュニケーションツール「Zoom」でした。

Zoomは特に(SkypeやLINEのように予めお友達の関係を結ばずとも)「URLさえ知っていればコミュニケーション(ミーティング)ができる手軽さ」が人気となりました。類似サービスも登場しましたが、結果的にZoomがビジネスシーンにおいて特に認知された存在です。

「リアル」から「オンライン」への移行が求められたさまざまなイベントの状況が多くの人がZoomでウェビナー機能を利用する結果へとつながったと感じています。

多くのオンラインイベントを手掛けて「Zoom(ウェビナー)」が多くの人に利用されていることは、個人的にも感じていました。また、こうした調査結果からもそれが裏付けられていることがわかります。

調査結果から「利用している動画配信サービス」はZoomの次にYouTubeです。

さまざまなイベントが「リアル」から「オンライン」へ移行され、YouTubeの「YouTube Live」がライブ配信プラットフォームとして改めて注目されました。

これまで「ニッチ」な存在であったライブ配信は、日本においてはすでに10年ほどの歴史があり、YouTube Live以外にも数多くのプラットフォームが存在します。

近年、ソーシャルメディアにライブ配信機能が実装され、一般の人たちにも「ライブ配信」という存在が広く認知されました。例えば、Facebookの「Facebook Live」やTwitterの「Twitter Live」などがその代表といえます。「オンライン」イベントを実施する際に利用されるライブ配信プラットフォームはやはり「YouTube Live」であることが多いのです。YouTubeは大人も子供も「誰もが一度は利用したことがある」サービスとしての安心感、認知度の高さで選ばれていると感じます。

ZoomとYouTubeどちらを選ぶ?

これまで時代の流れを受け展示会や発表会などリアルで交流、発信していた業務をライブ配信やウェビナーに置き換える企業も多いのではないでしょうか。

もし、実際にライブ配信やウェビナーを開催する場合、Zoom(ウェビナー)またはYouTube Liveどちらのプラットフォームを選択すればよいのでしょうか?

これはコンテンツにもよりますが、会議室スペースで行われるセミナーや講習会をオンラインで開催したいのであれば、私は「Zoom(ウェビナー)」をオススメします。

セミナーや講習会のほとんどは「ややクローズド」で「参加してもらう人の属性をある程度絞りたい」ことが多く、さらに、参加者の個人情報(メールアドレスや氏名など)を今後の活動のために知っておきたいなど、開催目的があるはずです。

参加者の個人情報の入力や、リアルタイムの投票機能や、ウェビナー終了後アンケートの流れも設定が可能なZoomは、これまで「リアル」で実施してきたセミナーや講習会を「オンライン」で実施するのに適しているプラットフォームのひとつであると感じています。

一方で、YouTube Liveはできるだけ多くの人に広く見せたいコンテンツに親和性があります。例えば、企業が商品やサービスのプロモーションの一環として行う製品発表会。そして、音楽ライブや大きな展示会イベントで選ばれることが多いと感じています。

YouTube Liveの優位性は、Zoomと比べて圧倒的に高画質・高音質で数万人単位での参加者の視聴可能な、強固なライブ配信プラットフォームであることです。

ZoomもYouTube Liveもいまや多くの人が実際に触れたことがあるサービスです。あとは、そもそも「リアル」から「オンライン」へ移行するイベントの内容はどんなものなのか?そして、これまでリアルで開催していたときはどのような年齢層や属性の人がターゲットなのかをその特性に応じて割り出し、Zoom(ウェビナー)を活用するのか、それともYouTube Liveなのかを判断するのが良いと思います。

洗練された進行や演出方法に注目が移る

YouTube Liveを中心としたライブ配信、Zoomなどのビデオ会議システムを活用したウェビナーのニーズの広がりは、さまざまなイベントが「オンライン」でも参加可能な(参加者から見れば)良い時代になったと感じています。これまでリアルのイベントに参加するために会場へ赴く移動時間がなくなったことで、これまでより気軽にイベントに参加できるようになりました。

イベント開催側の立場からすると、これまでの「リアル」でのイベントとは勝手が異なる「オンライン」での運営の難しさを感じている方も多いと聞きます。

そして、今後は「オンライン」イベントの事例が増えていけば「オンライン」へ移行することがゴールではなく、(特に、体験を伴わない講習会やセミナーは)より洗練された進行、演出方法に参加者の注目は移っています。

イベントが単発であればライブ配信やウェビナーの業務を請け負う企業やフリーランスのエキスパートに依頼をしたほうが良いですが、定期的に顧客とコミュニケーションを取ることを検討するのであれば、ある程度のコストをかけて、ライブ配信やウェビナーを実施するための映像機材や音声機材、配信機材などを揃え、自社で運営していくことも必要になってくるのかもしれません。そのコツと方法を伝えていきたいと思います。


◀︎Vol.00 [はじめてのライブ配信101 for Biz] Vol.02(近日公開)▶︎