カメラ部門のノミネート発表

2021年は、動画機能を意識したミラーレスカメラの発売が相次いた。特に印象的だったのはソニーFX3だ。α7S IIIをより動画向けにカスタマイズした「Cinema Line」シリーズのカムコーダーである。4K最大120Pのハイフレームレート動画やオートフォーカス性能、高感度のほかに冷却ファン内蔵で約135分の連続動画撮影をわざわざCinema Lineで実現をしてきたソニーの姿勢には驚いた。パナソニックのGH5 IIとBS1Hは両機種とも動画記録時間無制限は健在で、ライブ配信機能の充実が特徴だ。

2021年は、シネマカメラやミラーレスカメラに8K動画対応の新製品が相次いだ。V-RAPTOR 8K VVやRDJI Ronin 4D-8Kなどや、ミラーレスカメラのZ 9が8Kに対応してきた。特に8Kはミラーレスカメラでの対応が増えており、8K撮影は市民権を得つつあるようだ。

ジンバルカメラや4軸安定化機構、LiDARフォーカスシステム、映像伝送と制御システム等を統合したDJIのRonin 4Dの登場も鮮烈だった。新発想のシネマカメラ登場は今年最大のトピックと言っていいだろう。

カメラ部門にノミネートされた製品は以下の通りだ。

■SONY FX3

発売日:2021年3月12日
希望小売価格:税別45万9,000円

FX3は、映像制作用カメラの商品群「Cinema Line」コンセプトの製品。2020年12月に発売したFX6の下位モデルとなる。基本的な仕様はミラーレス一眼カメラ「α7S III」とほぼ同等で、35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載。ISO80からISO102400、拡張時ISO80からISO409600の高感度設定、最高4K120Pに対応。CFexpressカードスロットを2基搭載し、ボディ内手ブレ補正を搭載する。

■Panasonic LUMIX GH5 II

発売日:2021年6月25日 価格:オープン。ボディのみの市場想定価格:税込194,000円前後

LUMIX GH5 IIは、マイクロフォーサーズミラーレス一眼カメラ。Cinema4K 60P 10 bitやCinema4K 30P 4:2:2 10 bit記録に対応。V-Log Lの撮影モード搭載で、グレーディング耐性の高い10 bit Logの映像をカメラ本体で記録可能。GH5とほぼ同じ外観で、見た目も一緒だが、LUMIX初となる無線ライブ配信機能を搭載しており、高速通信に対応したスマートデバイスと本機をテザリング接続することで、ライブ配信を可能としている。

■Panasonic DC-BS1H

受注開始日:2020年10月 希望小売価格:オープン。市場想定価格は税込404,000円

「DC-BS1H」は、ボックススタイルのフルサイズミラーレス一眼カメラ。S1Hから受け継ぐセンサー全域を使った3:2 6K/24Pや16:9 5.9K/30P動画記録を特徴とする。BS1Hに既存のBGH1を加えたLUMIX BOXシリーズは、ボックススタイルの形状採用によりフレキシブルにカスタマイズが可能。BS1HとBGH1は概ね同等レベルのサイズとインターフェース(BS1HはFnボタンとロックスイッチが追加されている)で、周辺の接続機器や電源供給の共用が容易なのを特徴としている。

■Canon EOS R3

発売日:2021年11月27日 希望小売価格:オープン。キヤノンオンラインストアの価格:税込748,000円

EOS R3は、最高約30コマ/秒の高速連写と高画質を両立したフルサイズミラーレスカメラ。デュアルピクセル CMOS AF IIによる高速・高精度・広範囲なAFの実現を特徴とする。6K60PのRAW動画内部記録や4K120Pハイフレームレート動画撮影、クロップ(切り出し)なしのオーバーサンプリングによる4K60P動画撮影を実現。さらに、Canon Log 3に対応するなど、用途に応じた動画記録を可能としている。

■Nikon Z 9

発売日:2021年12月24日 希望小売価格:オープン。市場想定価:格税込70万円前後

Z 9は、ニコン Z マウントを採用したフルサイズ(ニコンFXフォーマット)ミラーレスカメラ。ニコンの技術を結集させ、静止画・動画ともにニコン史上最高の機能・性能の実現を特徴とする。動画撮影においては、最長約125分の8K UHD/30Pの動画を、外部レコーダーを使わずカメラボディー内のメモリーカードに記録可能。4K UHD/120P/60P/30Pにも対応し、多様な動画制作のニーズに応えられるとしている。

キヤノン XF605

発売日:2021年10月28日 希望小売価格:オープン。公式キヤノンオンラインストアの価格税込598,400円

XF605は、「L(Luxury)レンズ」、1.0型CMOSセンサー、映像処理プラットフォーム「DIGIC DV7」の搭載により、4K60P/4:2:2/10bit/HDR映像を撮影可能。フルHDでの撮影時、120P/100Pのハイフレームレート撮影に対応する。HDR方式は、「HLG(Hybrid Log-Gamma)」と「PQ(Perceptual Quantization)」の2つの方式を用途に応じて選択可能。レンズ部には、2枚の非球面レンズと、1枚のスーパーUDレンズを採用。4K対応の光学性能と焦点距離25.5-382.5mm(35mm判換算)の光学15倍ズームを両立。ワイドアタッチメント「WA-U58」やテレコンバーター「TL-U58」(ともに別売)と組み合わせることで、さらに広域の焦点距離をカバーする。

DJI Ronin 4D

発売日:DJI Ronin 4D-6Kは2021年内発売、DJI Ronin 4D-8Kは未定
希望小売価格:DJI Ronin 4D-6Kは税別869,000円、DJI Ronin 4D-8Kは1,320,000円

DJI Ronin 4Dは、カメラとジンバルを一体化したシネマカメラ。イメージングシステム、フォーカスシステム、ジンバル、無線伝送を統合したオールインワンカメラジンバルシステムを実現。フルサイズセンサーカメラ「Zenmuse X9を搭載し、独自映像処理システム「CineCore 3.0」に対応し、Apple ProRes RAW、ProRes 422 HQ、H.264動画の内部収録が可能。Ronin 4D-8Kでは、8K75fpsと4K120fpsの動画撮影にも対応している。X9の標準DLマウントは、3種類のフルサイズ単焦点レンズに対応。ハウジング部は、カーボンファイバー製のモノボディ構造設計で、各レンズの重量は約180gと軽量なのを特徴とする。レンズマウントは交換可能で、DLマウント以外にも、Leica MマウントやEマウントにも対応する。

RED Digital Cinema V-RAPTOR 8K VV

発売日:2021年秋 希望小売価格:RED V-RAPTOR 8K VV + 6K S35〈Dual Format〉は税込3,190,000円

RED DIGITAL CINEMAの「V-RAPTOR 8K VV」は、8Kで最大120FPSに対応したシネマカメラ。REDのラインナップの中でも、史上もっとも優れたダイナミックレンジ、センサースキャン時間、低ノイズ、フレームレートを実現している。イメージセンサーは、8Kラージフォーマットまたは6Kスーパー35を撮影可能なマルチフォーマット8Kセンサー(40.96mm×21.60mm)を搭載。センサーサイズはMONSTRO 8K VVセンサーと同じだが、RED独自のREDCODE RAWコーデックで8K120P、6K160Pや17ストップ以上のダイナミックレンジを特徴としている。さらに、MONSTROの2倍速度を備える高速シャッターの搭載を特徴としている。

以下がカメラ部門のノミネート製品となる。

■PRONEWS AWARD 2021カメラ部門 ファイナリスト

  • ソニー「FX3」
  • パナソニック「LUMIX GH5 II」
  • パナソニック「LUMIX DC-BS1H」
  • キヤノン「EOS R3」
  • ニコン「Z 9」
  • キヤノン「XF605」
  • DJI「Ronin 4D」
  • RED Digital Cinema 「V-RAPTOR 8K VV」

はたして何が受賞するのか…?いよいよ発表!

PRONEWS AWARD 2021 カメラ部門 ゴールド賞

キヤノン XF605

受賞にあたり、キヤノンマーケティングジャパン 矢作大輔氏よりコメントをいただいた。

この度は栄えある賞をいただきありがとうございます。お客様からいただいたフィードバックを、全てではありませんが多く盛り込んで、自信をもって導入した製品ですので、たくさんの方にご注目をいただき、大変ありがたく感じております。

XF605は、テレビや配信、取材などのENG用途からHDRコンテンツ制作まで、幅広い用途を想定しながら、機動性やユーザビリティにこだわって開発しました。特に、3本リングや各入出力端子類を豊富に搭載し使い勝手を損なわないようにしながら、部品数を減らし軽量化とボディサイズの小型化を図ることに苦労をしましたが、お客様に喜んでいただけるようにと、こだわって実現できるよう取り組んで参りました。

シネマカメラやミラーレス一眼など、様々なタイプの撮影機材が使用されるようになってきている昨今の映像制作市場において、ハンドヘルドの業務用ビデオカメラというスタイルで、高品質かつ使い勝手の良いカメラのあるべき姿を考えながら開発を進めてきました。我々の想定を超えて、より幅広いジャンルの映像制作の現場を支える道具としてご活用いただけると、大変嬉しく思います。

PRONEWS AWARD 2021 カメラ部門 シルバー賞

ソニー FX3

受賞にあたり、ソニー株式会社/ソニーマーケティング株式会社よりコメントをいただいた。

銀賞に選定いただき、ありがとうございます。FX3に携わったメンバー一同、とても光栄に思います。VENICEを頂点としてこれまで培った映像制作用カメラのノウハウを小型カメラの中にめいっぱい詰め込みました。

Cinema Lineの一員として映画の画作りで好評をいただいているルックや、
操作性、信頼性向上など、コンパクトなボディで実現するため、関係者一同、クリエイターの皆様の使い勝手を第一に考えて意見をぶつけ合って開発しました。

これから本格的な映像制作を始める映像クリエイターの皆様に是非使っていただきたいモデルです。FX3を相棒にカッコいい作品をたくさん作っていただければ嬉しいです。


Vol.00 [PRONEWS AWARD 2021] Vol.02