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[OnGoing Re:View]Vol.98 GH5Sユーザーによる「LUMIX S5」ファーストインプレッション

#Panasonic #OnGoing Re:View #LUMIX S5

2020-09-09 掲載

txt:猿田守一 構成:編集部

「LUMIX DC-S5」登場!

Panasonicより「LUMIX DC-S5(以下:S5)」が発表されるというアナウンスが既に出ていたが、とうとうその詳細が9月3日に明らかになった。詳しいスペックはこちらで確認してほしい。

実は詳しいスペック等が全くわからない状態でPRONEWS編集部からこのS5が送られてきた。箱を開けるまでどんなカメラが届いたのか分からない状態であったので、開けてビックリ!S5という事だった。SシリーズといえばDC-S1Hに代表されるフルサイズカメラのラインナップの一つという認識。箱から取り出そうとすとあれ?っと思うほどのかなり軽い印象だった。S1Hはボディだけで1kgを超えるカメラで、同じシリーズという割にはこの軽さなので少し驚いた。

ボディを持った感じは筆者が普段使用しているGH5Sとほぼ変わらない。実際にGH5が645g、GH5Sが580g、S5が630g(いずれも本体重量)とS5はGH5よりも軽いという驚きの結果であった(おそらくGH5Sが軽量なのは本体内蔵の手ブレ補正機能が未搭載のためではないかと推察される)。Panasonicもかなり軽量化にこだわって設計したのではないかと伺えられる。

筆者自身フルサイズ一眼系デジタルカメラは所有していないので、今回はGH5Sユーザーから見たGH5SとS5の違いをざっくりレポートしてみたいと思う。

※360°「回転」「拡大」「縮小」が可能で本体細部確認できます。

GH5SとS5を比較してみた

今回使用したレンズはLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6。このシリーズのLマウントレンズでは一番リーズナブルなレンズとなっている。しかしワイド端は20mmとかなり広角。今までよく「35mm換算で」と枕詞の様に言っていたのが、本機は35mmフルサイズなので、昔のフィルム時代の感覚でサイズ感が分かるというのもありがたい。このレンズは20mmの超広角域から60mmの標準域までカバーできるので、様々なシーンで活用できるだろう。

(左)GH5S、(右)S5

このレンズをマウントした状態での比較となるが、GH5Sと比較したサイズ感はいかがだろうか。よく見るとGH5Sより少し小さい?という感じだ。実際にはトータルでの運用の場合、レンズ込みのサイズ感が重要となるので、コンパクトさからいくとやはりレンズが軽いマイクロフォーサーズなのかもしれない。20-60mmズームレンズを付けた状態ではカメラを構えた時の重さの感覚はS5の方が重く感じる。しかし手になじむ感覚はかなり良い印象だ。

(左)GH5S、(右)S5

それでは筆者が感じた各部の操作感や気が付いたところなどを記していきたいと思う。

■前面
(左)GH5S、(右)S5

レンズをはずした様子だが、本体サイズはGH5Sとあまり変わらないというよりむしろ背が低いサイズ感だが、フルサイズLマウントはさすがにマイクロフォーサーズ規格とはサイズ感が断然違う。センサーサーズもGH5SはS5のおおよそ1/4の面積でしかない事を考えると色々な面での余裕度が違う事が推察される。また本機ではフラッシュシンクロ端子が省略されている。GH5Sではこのフラッシュシンクロ端子を用いタイムコードを入力または出力することができた。複数のカメラで収録を行う場合このタイムコード設定を外部機器と合わせる事ができる機能である。

■背面操作パネル
(左)GH5S、(右)S5

背面のボタンやジョイステック類はS1系を踏襲している。GH5Sと比較すると基本的なボタン類の配置は似たところがあるので違和感なく使うことができた。筆者的に良かったのはDISP(ディスプレイ)ボタンの位置が下方に移動した点だ。GH5SのDISPボタンは親指がかかる位置にあるので、カメラを右手で持ったまま手を下げた時など、不用意に押してしまい、LCDが真っ暗になっていた…という事がよくあった。このような意図しない動作を防ぐ位置関係には好感が持てた。

■モニター
(左)GH5S、(右)S5

GH5Sと比較すると若干小さい。GH5Sは3.2インチ、S5は3.0インチという差はあるが言われなければ分からないレベルだろう。実際問題3インチクラスのモニターでルーペを使わない裸眼状態でここまでこの差が認識できるのか興味がある。

このモニターの特筆すべき点は高輝度・高コントラストなため明るい昼間の撮影でも問題なく映像を確認可能な点である。モニターボディへの取り付け方法はGH5と同じ仕様となっている。

■ファインダー

GH5Sと同じくOLEDを使用したファインダー。仕様書によるとGH5Sは368万画素、S5は236万画素となっている。しかしながらこれも仕様を知らない状態で両カメラを覗いても画素数の差はほとんど感じられないレベルであろう。マニュアルでフォーカスを合わせる時などフォーカスアシストを表示しているので特に解像度的に見難いという事はなかった。

■上部パネル
(左)GH5S、(右)S5

S5にはGH5Sと同じモードダイヤルが搭載されている。GH5Sではフィルター効果だった選択位置がS&Qに変更されている。

またWB/ISO/露出補正の三連ボタンは大型化され動画記録ボタンより一段高い位置に配列されるようになった。この事でブラインドタッチでの操作ミスが軽減される。実際筆者も現場での収録時ではISO感度をよく変えるのだが、この時に間違って他のボタンを押してしまう事がしばしばあったので、このようなデザインはとてもありがたい。

余談ではあるが3連ボタンの高さがそれぞれ違うというこだわりが良い。GH5Sでもボタンの高さの違いがあった事を、S5と比較した時に初めて気が付いたのであった…。

シャッターボタンの周りに調整ダイヤルのリングがあるのだが、GH5Sと違い縦型から水平型へと変わっていた。Sシリーズ共通デザインなのだが、上位機種のグリップの延長上ではなくシャッターボタンの外周環となるのでちょっと操作的に違和感が感じられた。慣れの問題となるが、筆者的にはGH5Sの垂直型ダイヤルの方が人差し指の位置関係から使いやすいと思った次第だ。

■側面

GH5Sとの大きな違いはHDMI出力端子のサイズの違いだろう。S5ではGH5SのTypeAの標準サイズからTypeDのマイクロHDMIとなっていた。外部モニターやライブ配信で使用する場合どうしても抜き差しを頻繁に行う部分なのだが、この部分の強度的な問題が気になる。

しかしながらTypeDはかなり小さなコネクタとなるので、比較的細くてしなやかなHDMIケーブルを使用する事でこの端子への負荷を減らすことが出来る。TypeAでもそうなのだが、ケーブルからの負荷が端子の不具合を発生させるので、なるべく負荷がかからないようなケーブリングを行う必要がある。

メモリーカードスロットは2連のSDカードスロットが搭載されている。対応SDカードは、スロットにより異なり、スロット1はUHS-II class3 V90までの対応となり、スロット2はUHS-I class3までの対応となる。また記録方法はGH5Sと同じリレー記録・バックアップ記録・振り分け記録となっている。振り分け記録は動画記録はスロット1の写真データはスロット2のような使い方ができる。スチルで使用する場合はJPEGとRAWを別々のスロットに指定する事も可能だ。

■撮影

撮影モードはGH5SはFHDからC4K(4096×2160)まで、S5はFHDからUHD(3840×2160)までとなっている。記録形式はMOV MP4 H.264 H.265HEVC(59.94P/29.97P/23.98P)となっておりS5ではAVCHDは省略されている。

またセンサーサイズをフル・APS-C・ピクセルバイピクセルと変更可能だ。フルサイズ読み出しからAPS-Cに変更する事で撮影時の被写体画角がおよそ1.5倍大きくなる。

高感度性能は流石の余裕度

撮影時に確認した状態は同じS5に付属していたレンズのF値に合わせISO、F値、SSを設定した。ISOを51200で両機を比較した場合GH5SとS5とでは細かい部分の描写能力の差が出た(JPEGでの比較)。

GH5SではFUJIYAの文字が潰れてしまっているが、S5でははっきり読み取れることが出来た(ともにISO 51200 F5.6 SS 1/640)。ファインダーを覗いていても低ノイズと言う事が確認できる。本機のデュアルネイティブISO機能の優秀さが感じられた。

■フォーカス性能

今回テストしたのは人の認識能力。このコロナ禍で人々はマスクを付ける事が当然となっている。このような状態でどこまで認識出来るのか興味があったので試してみたところ、驚くことにちゃんと人の瞳を認識してそこにフォーカスを合わせていた。また複数マスクをした人がいる場合でも複数の人の顔に四角い枠が表示されていた。この認識能力の高さには驚いた次第だ。また猫や犬などもしっかりと認識出来ていた。

既出の写真だが、モニター画面の外側の白っぽくなっている部分までがフォーカス検知できる範囲のようだ。右側のS5は広くなっている
■手ブレ補正

本機は上位機種同様のシャッター速度5段分の手ブレ補正を実現している。手持ち撮影時の手ブレ感知機能が非常に優れている印象だ。ちなみにギミックではあるが手振れ状態を視認確認できるモードが用意されている。中央に赤いターゲットマークが表示され、手ブレの様子が緑色の点で表示される。この点をなるべく揺らさないように丸いターゲット枠に収めておけばうまく補正された写真が撮れるという仕組みのようだ。

見ていて気が付いたのだがここに表示される緑の点が実に分解能が高かそうな動きをしている。これだけ高い認識能力があれば手ブレを気にせずスローシャッターを切ることが出来るのではないだろうか。

まとめ

今回のレポートを執筆するにあたり、諸事情により出先のホテル内での検証や撮影となった。写真を整理していて気になったのだが、試しに撮影した写真が上記のものとなる。この写真は手持ちで1/10のスローシャッターとなったのだが、見事に手ブレが補正されていた。次回に機会があるのなら動画でもこの手ブレ補正について検証できたらと思う。

今回短い時間での検証だったが、S5の魅力は筆者には十分伝わった。S1やS1Hを展示会以外で試したことがなかったので今回GH5Sとの比較となってしまったのだが、総じてGH5Sと同じような操作感や、整理された新しいメニュー構造により、よりユーザーフレンドリーになった様な感じがした。GHシリーズユーザーであればフルサイズの本機への乗り換え、または新規購入という流れになっても違感なく使い続けることが出来るのではないかと思う。

Sシリーズの上位機種S1Hの高画質性能をほぼ受け継いだ形の本機であるのだが、果たしてPanasonicは低価格な本機に対してここまで上位機種と差を付けない戦略を取って大丈夫なのか気になった次第だ(ユーザーにとっては嬉しいことだが)。9月下旬の発売まで楽しみだ。

今回S5をじっくりと弄り倒す時間が無かった関係で、ごくごく簡単なインプレッションになってしまった事をお許しいただきたい。詳細なレビューは追ってお届けしたい。


WRITER PROFILE

猿田守一 企業向け動画、番組制作、CM、動画配信、各種ステージ記録など撮影から編集まで行い、地域に根ざした映像制作活動を行っている。


[ Writer : 猿田守一 ]
[ DATE : 2020-09-09 ]
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