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[江口靖二のデジタルサイネージ時評]Vol.04 今年のCESには注目すべきデジタルサイネージが多数登場

#江口靖二のデジタルサイネージ時評

2014-01-23 掲載

CES2014はもちろん家電のショーであるが、デジタルサイネージの展示も少なくはなく、実は各ブース展示の映像演出も、サイネージ的に面白いものもある。今年は例年よりもデジタルサイネージに注目が集まったように思うので幾つかご紹介したい。

パナソニック

ds2014_04_02.jpg ショーウインドウサイネージ(4K)

パナソニックは昨年のIFA、CEATEC以降、完全に4Kを全面に打ち出している。4Kの市場としては言うまでもなくテレビが中心であるが、デジタルサイネージも有望な市場ということで、パナソニックブースでは入り口近くにかなりのスペースを4Kサイネージに使っていた。

ds2014_04_03.jpg 電子カタログ(4K)
ds2014_04_04.jpgハンガーから商品を取り上げるとモデルが着用した写真が自動表示される

4Kサイネージエリアは、空間が洋服などのブランドショップのイメージに設定されている。65インチの4Kディスプレイによるショーウインドウサイネージは、ガラス越しに設置された4Kディスプレイをバーチャルな操作パネルで操作する。ポイントは高画質と営業時間に縛られない点だ。他には商品棚前に設置された4K電子カタログや、ハンガーから服を取り上げるとその服の色々なアングルからの写真が表示されるものなどがあった。これらは全部HDでもできることであるが、大画面と高解像度化によって使えるレベルに達していると思う。こうした利用が進むためには、提案や実現において販売やマーケティングに関する十分な検討が必要になるだろう。


ds2014_04_05.jpg S字に配列された55インチのOLED

さらに今回CESで注目されている湾曲ディスプレイをデジタルサイネージ的に使う提案も目を引いた。55インチの湾曲したOLEDを6面横に繋いだ展示は今までにない斬新な設置だった。この55インチOLEDは凹凸両方に対応できるので(現時点で可変できるわけではない)このようにS字型に配列できる。形状だけではなく画質も良好であった。こうした設置というのはサイネージによる空間演出としてこれから広がっていくと思う。

LG

ds2014_04_06.jpg LGの105インチ4K X 5面

LGは105インチの4Kディスプレイを縦向きで横5面に並べた、超大型で高精細なサイネージ利用のイメージを訴求した。こうした訴求ポイントはシンプルでわかりやすい。確かにこのサイズでこの解像度は圧巻である。ただこのケースだと競合する他の方式を利用した表示装置が多く、価格と耐久性が勝負になってしまうと思われる。

サムスン

ds2014_04_07.jpg50インチのHDディスプレイを縦4 X 横4 X 柱4面で合計64面
ds2014_04_08.jpg98インチのHDディスプレイ

サムスンは巨大な柱の4面をすべてディスプレイで覆った「VideoWall Solution」を提案。まあ正直やり過ぎ感は否めない。他には98インチのHDディスプレイを展示した。

東芝

ds2014_04_09.jpg 東芝の「Borderless Board」見た目は大型タブレットのような感じ

特にこれがデジタルサイネージとカテゴライズされて展示されたわけではないが、東芝の新しいコンセプトのディスプレイ機器がこの「Borderless Board」だ。24インチのタブレットのような製品で、タッチパネルディスプレイを搭載。搭載OSについて明言はなかったが、LinuxかAndroid系と思われる。コンセプトはテレビでもパソコンでもない。スマートフォンやタブレットでもない。家庭の中で新しいディスプレイを使うと便利になるシーンがあるのではないかという提案である。イメージとして、通常時はカレンダーやフォトフレームとして常時電源はオンで、必要に応じてネットからの情報を表示するイメージだろうか。家族間の伝言板にもなるだろう。

ds2014_04_10.jpg 普段はカレンダーになったり、時計になったりするイメージ

このスタイルはかつて「chumby」や「dash」が模索したものや、フォトフレーム向けのコンテンツ配信サービスであった「FrameChannel」のような、これまで成功しなかったホームサイネージ的な利用に近い。これらの前例と比べて、Borderless Boardは24インチと画面サイズが大きいので使われ方が微妙に変わってくると思う。また家の中で持ち運ぶような使い方は想定してないため、バッテリー駆動はできない。こうしたコンセプトがB2Cでいきなり市場ができるとは思わないが、B2Bであれば可能性は十分高いと思う。デジタルサイネージはまさにその一つだろう。

RED

ds2014_04_11.jpg シャープのブースで見かけたREDの「REDRAY」

RED自体はCESにブースを持っていない。しかし各社の4Kテレビに映像を出すためのプレイヤーとして、「REDRAY」がかなり使われていた模様だ。REDRAYは4Kまでのフォーマットに対応し、内蔵の1TBのディスクにFTPまたはUSBでコンテンツを保存し再生する。シャープのブースでは、4Kコンテンツの再生の一部に使用していたようで、機材協力として実機の展示もあった。また東芝ブースの4Kテレビ7台への表示は、REDRAY1台からの4K分配だったそうだ。あくまでもREDRAYはコンシューマー向けの4Kプレイヤーという位置づけのようだが、むしろこうしたB2B、デジタルサイネージに向いているのではないだろうか。

ds2014_04_12.jpg 東芝ブースの4Kテレビ7台表示のバックエンドはREDRAY

次回は海外展示会続きで、ラスベガスで開催されるDigital Signage Expo 2014のレポートをしたい。


WRITER PROFILE

江口靖二 江口靖二事務所主宰。現在デジタルサイネージコンソーシアム常務理事などを兼務。


[ Writer : 江口靖二 ]
[ DATE : 2014-01-23 ]
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