Blackmagic Designの発表によると、ロサンゼルスに拠点を置くポストプロダクションのEncoreが、米CBSのテレビドラマ「エレメンタリー(Elementary)」のカラーグレーディングにBlackmagic DesignのDaVinci Resolveを使用しているという。同番組では、ジョニー・リー・ミラーが探偵シャーロック・ホームズを、ルーシー・リューがその助手であるワトソンを演じている。

撮影は、全米撮影監督協会所属のカメラマン、ロン・フォルトゥナート氏、カラーグレーディングはEncoreのシニアカラリスト、トニー・ディアモール氏。オリジナルショットは、 Log-Cで撮影され、デイリーカラリストのスティーブン・ボドナー氏がすべてのフッテージに対し、単一のリニアLUTを適用。そしてディアモール氏はResolveのノードに同じLUTをロードし、別のノードにボドナー氏が作成したデイリーCDL(カラー・デシジョン・リスト)をロードすることで、CBSネットワーク局、撮影監督、プロデューサーに配信されたデイリー素材と全く同じ色を再現したうえで、カラーグレーディングを開始できるという。

DaVinci Resolveでの作業画面

DaVinci Resolveでの作業画面

Resolveを使用することで、ディアモール氏は自由にLUTノードのオン/オフ切り替えができる。すでに作り込まれてリニアの状態になっているドラマのストック映像、タイトル部分、オープニング映像がある場合にはこの機能を使用。デイリーのCDLに関しても同様にオン/オフ切り替えが行えるため、ディアモール氏はこれをもとにルックを作り込んだり、元素材のLog-Cのラチチュードに戻って、全く違う雰囲気のルックを作ったりもできるという。ディアモール氏は次のようなコメントを寄せている。

「ノードをクリックするだけで、カラーコレクション済みのデイリー素材と、カメラのLog素材のどちらからでも作業できます。これにより、フレキシブルにいろいろな作業が可能となり、時間と労力を大幅に節減できました」

「以前は、オフライン用のテープを持ち込んで、キューアップしたり、入れ替えたりして、カットバックする前に確認する必要がありました。しかし、Resolveはワンクリックでノードをミュートし、必要であればデイリーのCDLを無効化して確認できるのです。これはシンプルですが非常に便利な機能です。ロンが撮影中に見た、そのままの映像を見られることで、作業がしやすくなります」