Blackmagic Designの発表によると、サンダンス映画祭に出展された作品「The 4th」の撮影にBlackmagic Pocket Cinema CameraおよびBlackmagic Cinema Camera EF、カラーグレーディングにDaVinci Resolve 12 Studioが使用されたという。

アンドレ・ハイランド監督・脚本作品「The 4th」の撮影を担当したのは、撮影監督のシェーン・ブルース・ジョンストン氏と、チャールズ・J・ギブソン氏。カラーグレーディングはMTO ColorDataのマーク・トッド・オズボーン氏が担当した。

「The 4th」は、怠け者のジェイミーがアメリカ独立記念日に不運の連鎖と悪化する状況をくぐり抜けるコメディー映画。ハイランド監督は2014年サンダンス映画祭においてショートフィルム「Funnel」がノミネートされ、今作は初めての長編映画となる。監督自身が主演も務めた「The 4th」では、怠け者の一日が偶然の出来事によってまったく変わってしまう様子が描かれている。

撮影監督のジョンストン氏とギブソン氏は、同作の即興的なユーモアと目まぐるしい展開の撮影に2カメラ体制でアプローチした。その際に使用されたのが、Blackmagic Pocket Cinema CameraとBlackmagic Cinema Camera EFだ。両氏はこれらのカメラをハンドヘルド・リグで使用することで、様々なロケーションで簡単に撮影を行うことができたという。ジョンストン氏は次のようにコメントしている。

ジョンストン氏:この映画では、ゲリラスタイルの撮影に対応できるコンパクトなサイズで、なおかつシネマルックの映像を収録できるカメラを選ぶことが極めて重要でした。Blackmagic Designのカメラを使用することで、シネマルックのインディーズ映画を作成するという目標を達成できましたね。

同作品では主人公のジェイミーがロサンゼルス中を行き来するため、撮影現場は暗い夜道や車の中など様々だった。しかしBlackmagic Designのカメラを使用したジョンストン氏とギブソン氏は、光量の少ない場所や窮屈な部屋の中でも、必要なショットをすべて撮影することができたとしている。

ギブソン氏:光の少ない環境でも非常に良い撮影ができました。照明のセットアップを考慮する必要もありませんでした。歩道で街灯の光のみで撮影した時は、特に助かりましたね。

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ジョンストン氏:Blackmagic Pocket Cinema Cameraのサイズも、車内での撮影に便利でした。車に4人の役者が乗り込んだ状況でも、Blackmagic Pocket Cinema Cameraの柔軟性を生かし、必要なショットをすべて撮影できました。エスタブリッシング・ショットの撮影では、主人公のジェイミーがこっちに向かって道を歩いてくる長いシーンを、10m以上も高い場所から撮影しました。このショットは5分以上も続くシーケンスなので、大きなカメラでは到底撮影できませんでしたね。

他にも、オズボーン氏がカラーグレーディングにDaVinci Resolve 12 Studioを使用した。

オズボーン氏:「The 4th」は比較的短い期間で撮影したので、課題はすべてのシーンのバランスを上手く取り、自然な見栄えにすることでした。生活の一部を切り取った映画なので、力強くてリッチなカラーと、自然で美しい肌の色を表現する必要がありました。DaVinci Resolve 12 Studioのおかげで、この映画に合った理想的なバランスとルックを達成することができました。