Blackmagic Designの発表によると、シルク・ドゥ・ソレイユの「Mystère(ミステール)」のライブプロダクションに、URSA Broadcast、Camera Fiber Converter、Studio Fiber Converter、ATEM 1 M/E Advanced Panel、ATEM 4 M/E Broadcast Studio 4KなどのBlackmagic Designの製品が使用されたという。

この制作は、ルーカス・コロンボ氏が率いるMoai Filmsが、ジェイコブ・マン氏が率いるLos Nativsおよびカルロス・ロペス氏が率いるRebel Studiosに加わる形で行われた。マルチカムの大規模なライブスイッチングで行われた撮影には、Blackmagic Designの放送テクノロジーが用いられた。Camera/Studio Fiber Converterを使用したフル4Kワークフローが、シルク・ドゥ・ソレイユの巨大な劇場での撮影に使用された。

カジノの特別劇場で上演されている、シルク・ドゥ・ソレイユの他の多くの作品と同様に、ミステールは、パワフルな運動力、高度なエネルギーを要するアクロバット、インスピレーションを与える想像性などを組み合わせた作品。

多数の受賞歴を誇るフィルムメーカーである、ルーカス・コロンボ氏が立ち上げたMoai Filmsは、数多くのCM、ミュージックビデオ、物語映画、テレビシリーズ、ドキュメンタリーを手がけてきた制作会社。同氏は、海外・国内で数十の賞を物語映画の部門で受賞しており、また同氏によるミュージックビデオのMTV、VEVO、VH1でのオンライン視聴数は数百万回にも及ぶ。

ディレクターのジェイコブ・マン氏は、先日立ち上げられたばかりのLos Nativの合同創始者だ。同社は、ライブイベント、マルチカム撮影、ストーリーテリングを専門とする複合媒体デザインスタジオだ。

コロンボ氏はマン氏と共に、Blackmagic DesignのURSA Broadcast、URSA Mini Pro、Micro Studio Camera 4Kを含む10台のカメラを使用したセットアップでミステールの撮影を行った。セットアップには、6mのジブに取り付けたURSA Broadcastが1台、Dana Dollyにマウントした1台のURSA Mini Proに加え、その他2台のカメラが舞台正面に配置され、さらにRoninのハンドヘルドスタビライザーにマウントしたMicro Studio Camera 4Kが1台使用された。また、4台のMicro Studio Camera 4Kが舞台上の様々な場所に設置された。

コロンボ氏:10台のカメラを使用したシルク・ドゥ・ソレイユのライブプロダクションで、Blackmagic Designのカメラが完璧に機能することは分かっていました。URSA Broadcastの新しい高度なビデオモードで、箱から取り出した瞬間から美しいカラーのショットが得られました。B4レンズをマウントして、2/3インチセンサーを使用できたので、エネルギーに満ちた出演者とショーを追いながら、アクロバット後のタイトショットが撮影できました。撮影全般においてISO800で、FUJINONの新しい4Kレンズを基本的に使用しました。これは、ワイドダイナミックレンジのカメラと非常に相性が良い組み合わせでした。

ロペス氏:ショーのビジュアルは圧倒されるほど美しく、音楽も素晴らしく、また出演者の運動力は人間業とは思えません。この撮影における課題は、視聴者をいかにアクションの中に引き込むかということでした。フル4Kのプロダクションで得られたフッテージは、はるかにエキサイティングな仕上がりになりました。

マン氏:シルク・ドゥ・ソレイユはロマンティックなんです。URSA Broadcastを使用することで、アーティストが求めるシネマライクなルックと雰囲気を妥協することなく、放送環境を得られました。10台のカメラに加えて、モニター室をセットアップする必要があったのですが、1時間半後には完全に稼働していました。Blackmagic Designの製品は、それだけ無駄がなく能率的なんです。

新製品のATEM 1 M/E Advanced Panelを使用したのですが、本当に素晴らしいですね。反応が本当に優れています。また、新製品のATEM 4 M/E Broadcast Studio 4K、5台のHyperDeck 12G、5台のHyperDeck Studio Miniも使用しました。それぞれでISO収録でき、さらにプログラムの収録が行えました。またCamera Fiber ConverterとStudio Fiber Converterを使用したので、カラーのコントロール、タリー、トークバックが使用でき、信号の送受信が行えました。全てがスムーズに機能しました。まるで全てが完備されたコントロールルームのようでした。

Blackmagic Designのライブプロダクションワークフローで、コロンボ氏が気に入った点のひとつがATEMカメラコントロールソフトウェアの使いやすさだと言う。同ソフトウェアを使用して、制作中にすべてのカメラのカラーグレーディングおよびカラーマッチが行われた。コロンボ氏が臨機応変に微調整やカラーの変更などを行い、同時にマン氏がカメラのスイッチングを行った。

マン氏:ルーカスが私の真横でカメラの調整を行っていたのですが、カラリストになって目の前のスクリーンで芸術的とも言える美しい映像を作り上げていました。スイッチングに次第に没頭していき、撮影に携わったシルク・ドゥ・ソレイユの関係者の興奮が手に取るように感じられました。パフォーマーも休憩を取って映像を見にきたほど、良い仕上がりになっていました。自分たちのアートがきちんと表現されていることに本当に感動している様子でした。

コロンボ氏:シルク・ドゥ・ソレイユの素晴らしいショーを撮影する機会が得られ、またBlackmagic Designの新しい放送ソリューションを今回のような壮大な作品に使用できて、本当に楽しみながら素晴らしい経験ができました。