Blackmagic Designの発表によると、大丸・松坂屋の紳士服プライベートブランドTROJANのプロモーション・ムービーの撮影にURSA Mini 4.6Kを使用し、編集およびカラーグレーディングにはDaVinci Resolve Studio、DaVinci Resolve Mini Panel、UltraStudio 4K、MultiDockが使用されたという。現場でのバックアップ収録にはHyperDeck Studio 12Gを使用している。

ミュージックビデオやコマーシャルなどの撮影、演出、編集を手がける株式会社KIDのタカハシケイ氏が撮影、編集、カラーグレーディングの全てを担当した。

TROJANは、スリムなシルエットと機能性を加え、日本人の体型に合うスーツを展開しているスーツブランド。今回のプロモーション・ムービーでは、アクティブなビジネスマンのためのスーツのモデルとして、元サッカー選手の前園真聖氏が抜擢された。プロモーション・ムービーの中では、スーツ姿でリフティングをする前園氏のショットなどが含まれる。

タカハシ氏:今回、URSA Min 4.6Kを使用した一番の理由は、柔らかい質感のルックと、ハイスピードでの撮影を求めていたからです。リフティングをしているシーンでは、ハイスピードで撮影することで、リフティングの動きのダイナミックさと、スーツのストレッチ感やディティールを見せることができたと思います。機能感を見せることを意識して撮影を行いました。後工程でグレーディングをするため、収録にはRAW 3:1を使用しました。

今回はシグマのズームレンズを使用しました。URSA Mini 4.6Kは、マウント変換できるのが一番メリットに感じています。マウントが変えられることにより、レンズの選択肢が広がり、このカメラがあれば、1台のボディでローバジェットからハイバジェットの案件を対応することができます。レンズにコストをかけられない場合にも、4.6Kのイメージセンサーと15ストップのダイナミックレンジを持ったURSA Mini 4.6Kは、質感の良い画を得ることができます。URSA Viewfinderも見やすくていいですね。

編集およびカラーグレーディングもタカハシ氏が担当し、DaVinci Resolve Studioを使用した。グレーディングにはDaVinci Resolve Mini Panelを使用。ポストプロダクションのワークフローの中で、UltraStudio 4Kはビデオ出力のI/Oデバイスとして、MultiDockはデータストレージシステムとして機能したという。

タカハシ氏:日頃からグレーディングだけではなく編集にもDaVinci Resolveを使っています。ワークフローの中に他の編集ソフトウェアが入らないことで、EDLやXMLなどを経由してコンフォームをしたり、コンフォームがうまくいかなかったときに修正したりする手間や面倒がないのは大きいです。中間ファイルも少なくなるのも楽でいいですね。カットの差し替えなどの変更があったときにも、一からやり直す必要がないので、二度手間になるようなことはありません。一気通貫で作業しているメリットを感じます。DaVinci Resolveのエディットページでは、ショートカットキーを自分が慣れている仕様にカスタマイズできるのはとてもいいですね。データ焼き付けの機能もタイムコードを映像の上に表示するのに便利です。Fairlightページでオーディオプラグインを使用できるのも嬉しいです。

タカハシ氏:グレーディングでは、全体的にハイコントラストに仕上げました。フェイスの肌感を細かく出し、男らしさを強調するために、ミッドトーンディティールで、シャープネスを上げて質感を加えました。そうすることで、より男らしく、力強い印象に仕上げることができたと思います。DaVinci Resolve Mini Panelのホイールの質感がとてもいいですね。触った感じが良く、動きもとても好きです。DaVinci Resolve Mini Panelを使用することで、プライマリーもセカンダリーもキーボードとマウスを使用することなく、フィニッシングまで持っていくことができます。マウスを触るなど、作業工程のロスが減ったことで、時間短縮にも繋がり、より集中して作業ができますね。