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IMAGICA Lab.、銀座7丁目に新たな編集スタジオ「SEVEN」をオープン。DaVinci Resolveでの完結ワークフローを実現した“欲張りな部屋”とは

2018-11-09 掲載

編集室「SEVEN」

株式会社IMAGICA Lab.(呼称:イマジカラボ)は、銀座7丁目スタジオ6階に新たな編集室「SEVEN」をオープンした。Edit、ColorGrading、VFXの全工程を1部屋で網羅したマルチユースな編集室ということで、今回お伺いしてきた。

株式会社IMAGICA、株式会社IMAGICA ウェスト、株式会社IMAGICA イメージワークスは、2018年10月1日付けで合併し、新商号が株式会社IMAGICA Lab.となった。そんなIMAGICA Lab.の新しい編集室として東京・銀座に誕生した編集室が「SEVEN」だ。

SEVENは“欲張りな部屋”をコンセプトに、データ移行時間がなく、全行程を網羅できるとしてBlackmagic DesignのDaVinci Resolveを採用している。1部屋で様々なことに対応できるため、急な変更にも応える“欲張り仕様”となっている。

■機材
  • iMac Pro
    2.3GHz 18コア Interl Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.3GHz)
    128GB 2,666MHz DDR4 ECCメモリ
    Radeon Pro Vega 64(16GB HBM2メモリ搭載)
    2TB SSD
  • PROMISE Pegasus3 R6 24TB(6x4TB)
    本体とはThunderbolt 3(40Gbps)接続
  • Blackmagic Design DaVinci Resolve Mini Panel
  • Blackmagic Design UltraStudio 4K Extreme 3
  • ソニー 25型有機ELマスターモニター BVM-E251
  • 東芝 4K HDR対応TVモニターREGZA 49BZ710X
  • リーダー電子 LV-5700A
■アプリケーション
  • Adobe Creative Cloud
  • DaVinci Resolve+Fusion
  • NukeX
■プラグイン
  • Sapphire 11
  • Trapcode Particular

同社のエディターである渡辺聡氏から編集部分について説明が行われた。

渡辺氏:私は今までAvidやFinal Cut Pro、Premiere Proなどのオフラインソフトを使用してきました。DaVinci Resolveを初めて触ったのは数ヶ月前でした。正直DaVinci Resolveできちんと編集ができるのかなと思いつつの導入でしたが、実際に使ってみると、十分業務にも耐えうる製品だなと思いました。

基本的なDaVinci Resolveのページの紹介をしますと、Media(素材の読み込み・管理)、Edit(編集)、Fusion(コンポジット・VFX)、Color(カラコレ)、Fairlight(MA)があり、ページを切り替えていくことで、共通の素材で一連のワークフローがDaVinci Resolveだけで完結できます。

通常の編集ワークフローですと、例えばオフライン編集はPremiere Proで行い、EDLやXMLを書き出します。それを受け取ったカラリストは、撮影素材からコンフォームし、カラーグレーディングを行い、DPXやQTを書き出します。さらにそれらをオンライン編集でコンフォームをしてから作業を行い、画を完成させる、という流れなのですが、DaVinci Resolveで完結させれば、このようなコンフォームや中間データの書き出しが一切不要となり、ワンストップでできるようになるため、大幅な時間短縮につながります。

DaVinci Resolve

渡辺氏:オフライン編集ではやりたいことを素早く行えるということが大事なのですが、DaVinci Resolveではほとんどの操作をキーボードショートカットに登録できるため、ショートカットを作り込むことで他の編集ソフトと同じような操作感が得られました。

素材整理をする上で便利な機能としては、スマートビンという機能があります。読み込んだ素材を特定の条件に該当するものだけ表示できるので、例えばオーディオファイルだけを表示したり、特定の文言を含んだクリップだけを表示するなど、任意の設定を作ることができます。編集機能としては、タイムライン上の複数の音声クリップのレベルを一括で上げたり、DaVinci Resolve で打ったテキストのフォントを一括で変えることができるのも便利です。別のスタッフへの引き継ぎ機能としては、タイムラインにマーカーでメモを残したり、画に手書きで指示を書くこともでき、引き継ぎも簡単に行えます。

また、他の編集ソフトにあまり無い機能として、RAWファイルを軽快に扱うことができる、という点があります。CM撮影ではREDやARRIを使用することが多いのですが、6KなどのRAWファイルでも、読み込むデコードクオリティを下げることによってFullHDでリアルタイム再生することが可能です。そのため、オフライン用のProRes等を作成する必要がありません。

リアルタイム再生ができるということは、オフライン編集も可能ということです。これを可能にしているiMac Proのパワー、Pegasusのスピード、さらにDaVinci Resolveの再生機能により、ハードとソフト両方でRAWに対して強い環境と言えます。

同社のカラリストである原田麻子氏はカラーグレーディングについて説明する。

原田氏:通常のワークフローですと、AvidやPremiere Proで作業したオフラインから届いたXMLやEDLを使用して、DaVinci Resolveで撮影素材からコンフォームを行います。しかし、SEVENではすでにDaVinci Resolveで 撮影素材を使用して オフラインが行われているので、撮影素材の取り込みを行ったり、撮影素材にリンクし直したりすることなく、オフラインで組まれたタイムラインからそのままグレーディングをすることができます。

通常のワークフローでは、コンフォーム時に問題となることがいくつかあり、時間がかかることがあります。トリミングが行われている際、EDLのみしか頂けていないと、チェック用のQTを参照しながら手動で合わせる必要がある。可変がかかっている場合、DaVinci Resolve側の可変の計算の仕方と、オフライン機の計算の仕方が微妙に異なるので、そこがうまく合わないことがあります。Premiere Pro上でネスト化されたクリップがそのままの状態でXMLに載ってくる場合があるとオリジナル素材が分かりません。これらはその一例となりますが、このワークフローではそのような懸念も問題とならず、スムースにグレーディング作業に入ることが可能です。

カラーグレーディングに関しては従来通りですが、オフラインをしたプロジェクトでグレーディングができる利点は、オフラインでテロップ等を置いたままグレーディングができることです。今までは仮のものを置くなどして対応していましたが、実際のものを置いてバランスを見ながら確実にグレーディングできるようになりました。

通常、グレーディング後にオンライン編集へカラコレ済み素材を渡す際にはレンダリングを行います。レンダリング時にはその後の作業に合わせてレンダリングのサイズを変更したり、端尺を変更したりするなど、クリップによってレンダリングの方法が異なる場合があるので、時間がかかります。そして、その後オンラインでは、再度コンフォームし直す時間も必要になりますが、DaVinci Resolveでオフラインからグレーディング・オンラインまで行うSEVENでのワークフローではこの作業は必要ありません。最終的にレンダリングを行うのはオンライン編集後となりますので、グレーディングが終わった時点で、カラコレの作業は終了になります。グレーディングが確実に行え、カラコレ前後の作業時間も不要になり、グレーディング作業に、より時間をかけられるようになりました。

同社のコンポジターである塚元陽大氏はオンラインとコンポジットについて説明した。

塚元氏:通常のワークフローですと、グレーディングされたDPXやQTをコンフォームするところから始まるのですが、そこに時間が掛かってしまいます。DaVinci Resolveを使用したワークフローでは既に組み上がった状態ですので、時間短縮に繋がります。

DaVinci ResolveのFusion機能で合成作業がどのくらいできるのか?というのをよく聞かれますが、一般的なコンポジットソフトと同じようなことが行えます。稀にオンライン編集のときに、カットの差し換え、尺調が行われることがあります。その際に素材としてはグレーディングされたカットしか無く撮影素材を探すところから始めないといけません。また撮影素材をカラリストが手がけた色に合わせることは非常に難しい作業となります。DaVinci Resolveでのワークフローですと、カラーグレーディングのデータが残っていますし、撮影素材から組み上がっているのでカットを探す時間が短縮されます。

また、DaVinci Resolveでは、同じプロジェクトを複数台のPCで同時に作業ができます(コラボレーション機能)。例えば、オンライン作業中にFairlightでMAを仕込んだりとか、グレーディング作業中にオンライン用のコンポジット作業を仕込むこともできます。そのため、色々な要素が組み合わさって時間も短縮できるので、よりカットの詰め込みだったりができるので、クオリティの面も確保できるのかなと思います。

また、DaVinci Resolveメインの編集室を作ろうと思ったきっかけや、編集室の使い道についてプロダクション部 副部長の小山健一郎氏が語ってくれた。

小山氏:銀座でグレーディングができる部屋を作りたいというのが最初だったのですが、DaVinci Resolve採用の普通のカラコレ部屋を作るだけではおもしろくないので、映画制作で採用しているワークフローをCMにも活かしていきたいのと、DaVinci Resolveで編集もコンポジットもやることがインパクトがあるかなと思い、DaVinci Resolveでの完結ワークフローを提案しました。DaVinci Resolve以外にもソフトは入っていますが、DaVinci Resolveの方が業界内でも知名度もあるソフトですので、認知されやすいかなと思いました。

この部屋の使い道としましては、素材が多い、6K、8Kなどの素材の容量が大きい、長尺のWebムービーなどに適した編集室かと思います。CMだけでなく、MVやライブ映像にも最適かと思います。

写真左から小山健一郎氏(プロダクション部 副部長)、原田麻子氏(カラリスト)、湯山圭氏(VFXスーパーバイザー)、渡辺聡氏(エディター)、塚元陽大氏(VFXアーティスト)、谷本憲佑氏(営業)

実際の運用事例についても伺った。

塚元氏:DaVinci Resolveでオンライン作業した事例としては、弊社ですとドラマで既に採用されております。コンポジットはFusionで行いました。現在も4K60p HDR納品の作品も進行中です。

同編集室でのワークフローは「時短」「効率化」を目指した編集室となっており、様々な納品形態がある時代にあわせてクライアントの要望を叶える“欲張りな部屋”だった。


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[ DATE : 2018-11-09 ]
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