キヤノンは、同社の超高感度多目的カメラ「ME20F-SH」が評価され、全米テレビ芸術科学アカデミーより、第71回目となるテクノロジー&エンジニアリングエミー賞を受賞したことを発表した。キヤノンがエミー賞を受賞するのは5回目。

テクノロジー&エンジニアリングエミー賞は、放送業界における技術開発およびイノベーションを評価するもので、放送業界の発展に目覚ましい貢献をした企業や団体、個人に対して授与される。

ME20F-SHは、ISO感度400万相当で、イメージセンサーと映像処理プラットフォームを独自に開発し、最低被写体照度0.0005ルクス以下を実現した多目的カメラ。コンパクトな筐体とモジュールデザインの採用により、多様な用途や撮影シーンに応じてカスタマイズすることができ、赤外線投光によるモノクロ撮影が一般的な低照度環境下でも、赤外線投光なしでノイズの少ないカラーのフルHD動画の撮影が可能だとしている。

搭載するCMOSセンサーの画素は一辺が19μmと、同社のデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark II」などに搭載されるCMOSセンサーと比べると、7.5倍以上の面積を持つ大きなセンサーを採用。天体観測、自然災害の監視や防犯、微生物の微弱な光の観察などの生命科学分野、また野生生物の生態撮影などの映像制作分野での活用を想定しているという。

ME20F-SHを使用して光量の少ない環境下、室内、海中(ウミホタル)、ナイトサファリ、工場夜景、夜の空港などさまざまなシーンで撮影したサンプル映像