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[Stereoscopic 3D 第3章]Vol.03 3D作品の納品・上映について(フィニッシュ編)

#CineForm #AJA #Stereoscopic 3D(3D映像) #KONA #Ki Pro #AG-3DA1 #Stereoscopic 3D 第3章

2010-09-10 掲載

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株式会社マリモレコーズ 江夏由洋(FILTER KYODAI)

3D最大の壁「上映」とそれ超えるための3つのハードル

marimo0301.PNG
3DA1で撮影した左右の映像を編集している様子。左右映像と音声が同期したタイムラインをそれぞれ「同期再生」させる方法は確立されてはいないのが現状
marimo0302.JPG
2台のプロジェクターから「分離上映」させるためには、ランプ前に偏光フィルターを置く必要がある。左用の映像と右用の映像が分離されて投影されるため3D視聴が可能に
marimo0303.JPG
分離上映されたものを右目と左目それぞれで「排他視聴」するためには専用のメガネを用意しなければならない。写真左は偏光メガネ、右はアナグリフメガネ。どちらも安価で購入できる

3D制作のワークフローを撮影~編集と解説してきたが、今回は「3D最大の壁」ともいえる上映について話を進めて行きたい。なぜ上映が「壁」なのか?3D作品の映像というのは上映する場所が極めて限定されてしまう事実があるからである。とはいうものの、「3D」は旬で、かなり熱い。それだけ3D映像の持つ魅力や可能性というものが大きいのであろう。最終回として3Dを楽しむための「手段」とその現状を記していきたい。

3D映像を鑑賞するときの3つのハードルを理解しておこう。

  1. 「同期再生」のハードル
  2. 「分離上映」のハードル
  3. 「排他視聴」のハードル

一つ目は「同期再生」の問題である。独立した左右の映像を同期させて出力させるには比較的高度な技術を要する。そのため一枚の画像に左右の映像を入れ込んで再生する「サイドバイサイド」などの方法は多くの現場で受け入れられている。

二つ目は「分離上映」のハードルだ。3Dの上映は左右の映像を分離させて写しだす必要がある。このために偏光フィルターやフレームシーケンシャルといった方法、アナグリフのようなRGB分解など様々な手段があるが、どれも特殊であることは否めないだろう。

そして三つ目が「排他視聴」のハードルだ。上映のスタイルに合わせて視聴者は必ず「メガネ」をかける。右目には右目以外の映像が見えてはいけないからだ。 これらのことからも分かるが、3Dを視聴するには面倒なことが多いのが現実だ。しかし技術が進歩する中で、そのハードルは少しずつ下がってきているのも事実だ。

AJA KONA 3を使ったソリューション

marimo0305.png 3Dのための同期再生を可能にするAJA KONA 3とソフトウエアのCineForm Neo3D。Final Cut Proとあわせることで左右の映像がHD-SDI経由で見事に同期再生される

marimo0306.png
KONA 3の設定画面。SDI OUTPUTを「STEREO」にすれば、強制的にMUXされた素材の左右の映像がサイマル(同期して)で2本のHD-SDIから出力される

まず、今回の編集作業でも大活躍したAJA KONA 3のソリューションを紹介しよう。現在ノンリニア編集においてHDのステレオ映像出力が可能なソリューションとして注目を集めているのが、KONA 3とCineForm Neo3Dを使った方法。この二つを使えばHD-SDIを介して左右の映像を同期させながら出力させることができる。完成させた作品を同期させて左右の映像をサイマルで(同期して)アウトプットできればさまざまなシステムの可能性が膨らんでくるだろう。もちろん左右の色や波形を専用のモニターで同時に確認できるだけでなく、そのままプロジェクターや3Dモニターで再生させることも実に容易だ。詳細は第2回を読んでもらえればわかるが、KONA 3の3Dインターフェースとしての能力は相当高いのである。

marimo0307-7.jpgHDCAM-SR。SRW-5800。KONA 3から2本の出力をそのまま接続。テープに2ストリームの映像が収録できるのが魅力

更にハイエンドの3D上映スタイルとしてHDCAM-SRを使えば更に安定した同期再生が可能になる。もちろんKONA 3から直接プロジェクターに繋げる方法もあるが、テープメディアであるHDCAM-SR を使えば万全だ。今のところ3Dの記録、再生が可能なデッキはSONYの「SRW-5800」と「SRW-5100」(※再生のみ)の2台。今回はSRW-5800をKONA3と左右2本のHD-SDIでつなげて、Final Cut Proで編集した作品をテープに収録した。こうすれば、安定した同期再生のシステムが完成する。テープを入れて再生すれば、左右の映像がいつでもズレることなく出力されるし、機動力も抜群だ。

Blu-rayを使ったソリューション

ただHDCAM-SRを使う方法はお金がかかる。いくら綺麗で安定した同期再生の方法だとは言え、1台700万円もするデッキをいつも使えるとは限らない。そういった意味でも今一番汎用性のある3D上映のスタイルはBlu-rayメディアを使った方法ではないだろうか。Blu-rayの3D同期再生の方法は2種類ある。ひとつは最もお手軽にできる「Side By Side」方式で、もうひとつは次世代の3DコーデックMPEG4-MVCを使った方式だ。

marimo0308.jpg効率的な同期再生を可能にする「サイドバイサイド」。一つの画面に左右の映像が含まれるため、確実に同期する。この映像をBlu-rayに収録するのが一番簡単な方法

Side By Sideの方式は、いたって簡単である。HDサイズの画角の左半分が左の映像で右半分が右の映像となっており、一枚の映像に左右の画が含まれているため再生した時に同期がずれる事は絶対にない。もちろんBlu-rayに記録される映像は従来の形式と何ら変わらないので、どんなプレーヤーであっても再生する。あとは各種メーカーのSide By Sideに対応した3D対応テレビなどにHDMI経由で視聴すれば立体視が可能になるのだ。映像が半分になるため解像度も半分になるが、最もお手軽な同期再生の方法であるといえる。

marimo0309.jpg

そして最近注目を集めているのがMPEG4-MVCコーデックを使った方法だ。MPEG4-MVCは同時に2ストリームのHD映像を収録することのできるコーデックであるが、非常に効率的な圧縮を実現し、3Dの次世代のBlu-ray映像コーデックとして期待が高まっている。立体映像の場合、左の映像と右の映像には非常に高い相関関係が成り立っており、重複する映像信号が左右間にある。この特徴を活かして圧縮すると、フルHD映像を2ストリーム収録しながらも1ストリームの約1.5倍の容量で圧縮が可能となった。ただしMPEG4-MVCは従来のBlu-rayプレーヤーでは再生ができないため再生が可能な機種が改めて必要となる。まだ一般的なソフトウエアでMPEG4-MVCにエンコードできるものは無いが、サイドバイサイドとは異なり、フルHDの3D再生が可能という点でこれからの動向に注目が集まる。

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[ DATE : 2010-09-10 ]
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