PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [Digital Cinema Bülow IV]Vol.02 VARICAM LT テクニカルトピック〜機能別詳細解剖

News

[Digital Cinema Bülow IV]Vol.02 VARICAM LT テクニカルトピック〜機能別詳細解剖

2016-02-19 掲載

本格的なTVドラマ、ドキュメンタリーの現場に合わせたVARICAM LTの堅牢かつユニークな仕様

VLT_02_1

VARICAM LTは、コンパクトな筐体の中にハイエンド向けシネマカメラであるVARICAM 35の機能を踏襲しつつも、TVドラマや本格ドキュメンタリー制作にも利用出来る多彩な新しい技術が盛り込まれているのが大きな特長だ。また、過酷な現場で威力を発揮するであろうマグネシウム合金製の堅牢なボディ設計と、ON/OFFが明確なディップスイッチ等、随所にプロの過酷な現場での操作性を意識した設計がなされている。さらにカメラ内部以上に、カメラ周辺部へのこだわりも強いデザインは発表時にも多くのユーザーからも注目されていた。ここではその魅力をVARICAM LTテクニカルトピックとしていくつか紹介しよう。

交換式レンズマウント

VLT_02_2

最も特徴的なのはレンズマウント部分だ。業務用としてパナソニック初のEFレンズマウントがベースになっており、オプションのPLマウントアダプターを購入すれば、工場やサポートセンターへ持ち込まなくてもユーザー自らがマウント交換可能なのも、このVARICAM LTの大きな魅力となっている。オプションとなるPLレンズマウントモジュール(AU-VMPL1G/希望小売価格税抜195,000円)への実際の交換作業は、マウント部横の2点の微細な穴のビスを精密機械用のドライバーで緩めて、下部のリング部分が回転してレンズマウントが脱着可能になる。

VLT_02_3 VLT_02_4

面白いのはレンズマウント部を外した状態で、MOSセンサー部の前に通常はブルーのIRカットフィルター(赤外線カットフィルター)が装着されているが、これをIR撮影用のフィルター(クリア)に交換すれば、昼夜逆転した、いわゆるネガフィルムのような不思議な雰囲気を持つ赤外線写真のような映像撮影が可能だという。ドキュメンタリーのネイチャーものなどで使用されれば新しい表現ができるのでないだろうか?VARICAM 35で採用されたセンサーはISO800/5000のデュアルネイティブISOにより、非常に優秀な感度特性があるが、これとIR撮影用フィルターを併用使用する事で、非常にダイナミックレンジの広いなかで、赤外線写真風のユニークなコンテンツが出来ると期待されている。またこうした撮影の際にも、豊富なレンズバリエーションを持つEFレンズ群との組み合わせは面白い。

VLT_02_5

コントロールパネルと操作ボタン、出力端子

VLT_02_6

カメラ付属の専用コントロールパネルもデザインは若干違うが、内容はVARICAM 35のものと同一だ。裏側のケーブル部分のみ35は脱着式だったのに対して、LTでは直づけ式になっている。

VLT_02_7

右側面には操作系ボタンが配置されシンプルで分かりやすい設計だ。後方にはメモリーカードスロットがあり、expressP2カード、SDカードスロットがそれぞれ1枚ずつの挿入口がある。カメラ筐体右側後部には各種出力端子が装備されており、概要は写真の通り。ワイヤレスユニット(USB式)が装着出来るようになっている。そしてこのVARICAM LTはもちろん4K収録可能なカメラではあるが、3G-SDI等の4K外部出力はない。

VLT_02_8

実際に今の4K撮影減の多くでも、実際に4Kモニターでの確認は出来ない状況は多く、オンセットのDITなどがあるような大掛かりなシネマやCM撮影以外で必要とされるケースは少ない。特にTVドラマやドキュメンタリーの現場では機動性の面でも負荷となるわけで、こうした余計な部分を削ぎ落としたことで、価格面や機動性を追求したモデルになっているのは、実際の現場を良く研究されている証拠で、非常に好感が持てるところだ。

VLT_02_9 VLT_02_10

大口径Φ38mmの有機ELビューファインダー

VLT_02_11

OLEDのEVFもVARICAM 35から踏襲されたもの。別売のオプション(AU-VCVF10G/希望小売価格税抜800,000円)になるが、内部構造はVARICAM 35に付けられていたものと全く同じで、光学ズームとそのために独自開発のリンク機構を採用し、ズーム時の視度変化を無くしている。VARICAM 35のものと違うのはコネクト部で、カメラ側にはVF-SDIという端子が備えられ、ここからHD-SDIの出力が得られる。つまり安価なサードパーティのEVFや小型HDモニターもここから出力を得られるようになっており、このようなサードパーティ製品使用時の場合も想定されているのはこのVARICAM LTの非常にユニークな部分だろう。

VLT_02_12

グリップ&ショルダーマウント

VLT_02_13

ショルダー使用した際に便利な操作用グリップモジュール(AU-VGRP1G/希望小売価格税抜185,000円)も今回新たにオプションで用意された。他社製品に比べてユニークなのはハンドル部の伸縮ができ、先端部から伝送系も伸縮を考えたカールコードで接続されていること。グリップの先端部にもアサインボタンが設けられる等、細かい配慮が施されている。ショルダーマウントモジュールも、VARICAM 35の時に発売されたAU-VSHL1G(希望小売価格税抜250,000円)も利用出来るが、グリップ使用時に便利な専用形状のAU-VSHL2G(希望小売価格税抜225,000円)が新たにラインナップされた。

VLT_02_14 VLT_02_15

4Kコンテンツのモニタリング

4KのデータはAVC-Intraで記録されるが、一つ問題になるのは、やはりそのコンテンツの簡易的な再生環境だろう。大掛かりなポスト作業が発生しない現場ではPCやMac等であまりフォーマットの知識が無いスタッフの間でプレビュー画像を見たいという要求は、ローエンドになればなるほど高く、その仕様は簡単かつシンプルなものが求められる。ProRes→QuickTime→mp4などがもてはやされた理由はそういうこともあるだろう。TVやドキュメンタリーの現場ではなおさらである。このAVC-IntraのムービーをPC上で簡易的に見るには、P2 Viewer Plus Ver.2.3(AVC-Intra 422対応)が用意されている。Windows版/Mac版が用意されており、同社のサイトから無償ダウンロード可能だ。

http://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2016/02/VLT_02_16.jpg 本体背面
※画像をクリックすると拡大します

更に新たなVer2.3からはDPXへの変換機能が追加された。AVC-Intra 4K 444/422/LT、AVC-Intra2K 444/422、AVC-Intra444/422クリップの任意に登録したIN/OUT点の範囲内、もしくは選択したクリップ全体をDPXデータとして書き出しが可能で、ラップトップPC等での簡易カラーコレクション等へも便利な訴求だ(※AVC-Intra 2K LTとAVC-Intra LTは将来対応予定)。

txt:石川幸宏 / 編集部 構成:編集部
Vol.01 [Digital Cinema Bülow IV] Vol.03

[ Category : ]
[ DATE : 2016-02-19 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.16 会場で気になったあれこれ

txt・構成:編集部 美しい肌の色調と滑らかなボケ味を実現したPLプライムレンズ「Sumire Prime」 キヤノンは、NABで発表したSumire Prim... 続きを読む

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.15 SmallHD/Teradek:ワイヤレスプロダクションモニターやカメラコントロール対応モニターを展示。両社の技術が新製品に集結

txt・構成:編集部 撮影現場での映像確認やDITに最適な17インチワイヤレスプロダクションモニター「17RX」 TeradekやWooden Camera、Sma... 続きを読む

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.14 Cine Gear Expo 2019〜ATOMOS:オンセットやスタジオ用HDRシネマモニター/レコーダー「NEON」を展示

txt・構成:編集部 オンセットやスタジオ向けのHDRシネマモニターレコーダーが登場 ATOMOSは、Cine GearでHDRシネマモニター/レコーダー「NEON」を... 続きを読む

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.13 富士フイルム、100メガピクセルのラージフォーマットミラーレス「GFX100」やシネマカメラ用ズームレンズ「Premista」を展示

txt・構成:編集部 話題のラージフォーマットミラーレスカメラとシネマカメラ用ズームレンズ「Premista」との組み合わせがユニーク 富士フイルムブースの注目は、... 続きを読む

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.12 きれいなフレアとボケ味が特徴のプライムレンズの新製品「Tokina Vista One」シリーズを展示

txt・構成:編集部 シングルコートが特徴のフレアを実現したVista Oneシリーズをデモ 今年のTokina Cinemaブースは、昨年よりも大きくなっている。メイ... 続きを読む

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.11 ニコン、フルフレームミラーレスカメラで12ビットProRes Raw出力対応「Z 7」を展示

txt・構成:編集部 3:2のフルフレームセンサーを16:9に上下カットした形で収録可能予定 Cine Gear展示エリアに、ニコンはブース出展していない。しかし、AT... 続きを読む

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.10 パナビジョン、NDフィルターの度合いを調整できる6ストップ「LCND」フィルターシステムを展示

txt・構成:編集部 スタンドアロンでもワイヤレスでも濃度の調整が可能な「LCND」 パナビジョンは、レンズ、カメラ、フィルターから制作ワークフロー、ポストプロダクショ... 続きを読む

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.08 Leitz、プライムレンズのThalia-Tシリーズに新ラインナップを検討中

txt・構成:編集部 ライカユーザーならお馴染みのTHAMBAR 90mmがThalia-Tシリーズとして登場 2019年8月発売予定のThalia-T 90m... 続きを読む

[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.07 カールツァイス小倉氏にラインナップが充実してきた「Supreme Prime」の魅力について聞く

txt・構成:編集部 Supreme Primeの拡充から見えてくること Cine Gear展示会場の見どころは、やはりほぼすべてが出揃っているレンズメーカーの展示だ。... 続きを読む

特集記事

Inter BEE 2019 Inter BEE 2019
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2019の歩き方 InterBEE 2019の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
フィルム撮影の経験をしたい人に向けてフィルム撮影で必要な各種の工程について解説していく。
IBC2019 IBC2019
欧州最大の業務用映像・音響の専門展示会「IBC2019」をレポート。
新世紀シネマレンズ漂流 新世紀シネマレンズ漂流
シネマレンズを中心に一眼やミラーレスデジタルカメラの動画撮影機能と組み合わせて使われる交換レンズの最新動向を紹介する。
BIRTV2019 BIRTV2019
中国・北京の中国国際展覧中心で開催された展示会「BIRTV 2019」をレポート。
SIGGRAPH2019 SIGGRAPH2019
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会SIGGRAPH2019をレポート。
QBEE2019 QBEE2019
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
4K・8K映像技術展Report 4K・8K映像技術展Report
東京ビッグサイト青海展示棟にて開催された4K・8K映像技術などの最新技術が一堂に出展する「通信・放送Week2019」をレポート。
DSJ2019 DSJ2019
幕張メッセで開催された国内最大のデジタルサイネージの展示会「DSJ2019」をレポート。
Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019 Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019
米国ハリウッドのパラマウントスタジオ内で開催された映画撮影機材の専門展示会「Cine Gear Expo」をレポート。
After Beat NAB SHOW 2019 After Beat NAB SHOW 2019
東京・秋葉原のUDXにて開催されたAfter NAB Show 2019をレポート。
NAB2019 NAB2019
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会「NAB2019」をレポート。
SXSW2019 SXSW2019
テキサス州オースティンで開催されたSXSW2019をレポート。
CP+2019 CP+2019
パシフィコ横浜にて開催されたカメラと写真の総合展示会「CP+2019」をレポート。

トップ > 特集 > [Digital Cinema Bülow IV]Vol.02 VARICAM LT テクニカルトピック〜機能別詳細解剖