PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [After Beat NAB SHOW 2017]Vol.04 注目の360°VRの課題は、どこで、なにで、なにを見るのか

News

[After Beat NAB SHOW 2017]Vol.04 注目の360°VRの課題は、どこで、なにで、なにを見るのか

2017-06-15 掲載

txt:江口靖二 構成:編集部

隆盛誇るVR。その課題はなんだろう?

今年はノースホールの一角に、Virtual and Augmented Reality Pavilionを構成し、30社以上が出展する盛況ぶりである。とくにVRは360°映像が主流である。NokiaのOZO、Insta360のInsta 360 Pro、今年中に発売とされるRICOH THETAの4K版などの単体カメラ、GoPROをはじめとするさまざまな既存のカメラをマウントするリグやストレッチ用のソフトウエア、制作コンテンツのノウハウを提供するサービスなど、会場内でもひときわ勢いを感じる領域である。

RICHO THETAの4K版のプロトタイプ RICHO THATA 4K版での撮影サンプル動画

VRは、すでにB2B領域ではデザインやUIの開発、建築物設計ではHMDでのウォークスルー利用が一般的である。ここではB2Cでの利用について考えてみたい。B2Cでの360°VRの課題は明確である。どこで見るのか、なにで見るのか、なにを見るのか、という点である。

最初に、どこで見るのかという点から考えよう。もしもそれが家だとすると、HMDのような装着型のデバイスが必須となる。部屋の壁面全部をディスプレイ化したり、プロジェクターで投影するというのは非現実的であるからだ。となると、HMDの装着感の大幅な改善が課題である。どうしても目の近くに表示デバイスを持ってくる必要があるので、ある程度の軽量化は可能だろうが、メガネ的なものの装着は避けられないだろう。さらに技術が進化し、視神経や脳に直接信号を送れるようになればこれらは解決するかも知れないが、まだSF的な領域と言わざるをえない。

HMDは装着感が大きな課題

HMDの装着感が改善されるとして、なにを見たいと思うだろうか。それはおそらく、家という日常的な場所に居ながらにして、別の場所で起きている何らかの状況に高い臨場感を感じることができると嬉しいものだ。そしてそれは、もたらす映像の臨場感が高いがゆえに造り物ではない本物、ライブ感があるもの、あるいはライブそのものである可能性が高いと思うのである。

Canonのドーム型シアター ドーム内部

せっかく映像による高臨場感を感じられるのに、わざわざニセモノの世界を体験する必要はなく、より本物を感じるためにはLIVEが最適であるはずだ。それを見越しているのかどうかはよくわからないが、各社の360°カメラは盛んにライブストリーミング対応を謳っている点が非常に興味深い。

NokiaのOZOを利用したライブストリーミングのデモ

では、家以外の場所ではどうだろう。例えばプラネタリウムと同様のドーム型スクリーンに、映像を投影するケースだ。この場合は家庭用の蚊帳のようなものもあるかも知れないが、やはりプラネタリウムや映画館は非日常的な特殊な場所である。だとすれば映画のような作品性の高いもの、ライブやスポーツなども、コンテンツの可能性として考えられる。

こういう非日常のエンターテインメントはすでにビジネス化されているものが多いので、その延長上で考えることはできるだろう。逆にテレビ番組のようなコンテンツはこうした利用方法、ビジネモデルにはおそらく向かない。テレビ番組本編に連携した、あるいはリアルなイベントのようなものと組み合わせるなどの、発想の転換をする必要があると思う。

このように、視聴される場所と表示デバイス、そしてコンテンツにいくつかの組み合わせが存在する。どこで、なにで、なにを見るかをしっかり吟味していかないと、3Dテレビの二の舞いになりかねないので要注意である。

txt:江口靖二 構成:編集部
Vol.03 [After Beat NAB2017] Vol.01

[ Category : , ]
[ DATE : 2017-06-15 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[After Beat NAB SHOW 2017]Vol.03 地味に重要なHDRとSDRが混在する時代のワークフロー

txt:江口靖二 構成:編集部 HDRについて考える CESなどでは、HDRに関する展示や提案が非常に多くなっている。それらは再生側、ディスプレイに関する技術の... 続きを読む

[After Beat NAB SHOW 2017]Vol.02 After NAB Show Tokyo 2017レポート02

txt:稲田出 構成:編集部 前回に続いて会場の各社ブースを紹介して行こう。 パナソニック パナソニックはブース名もPOVCAMとし、POVCAMを中... 続きを読む

[After Beat NAB SHOW 2017]Vol.01 After NAB Show Tokyo 2017レポート01

txt:稲田出 構成:編集部 今年のNABの総括をAfterNABshowで考える 2017年5月30日の大阪グランドフロント大阪に続き東京秋葉原のUD... 続きを読む

[NAB2017:Adobe]Creative Cloudのビデオとオーディオ製品のアップデートを発表

Adobeブース360°全天球動画 RICOH THETA Sで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google Chromeブラウザおよ... 続きを読む

[NAB2017:TASCAM]インターネットライブ配信で活躍するMiNiSTUDIO US-42などを展示

TASCAMブース360°全天球動画 RICOH THETA Sで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google Chromeブラウザお... 続きを読む

[NAB2017:ASTRODESIGN]VA-1845、HR-7518などの新製品を8Kカメラやモニターと組み合わせたデモで紹介

ASTRODESIGNブース360°全天球動画 RICOH THETA Sで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google Chrome... 続きを読む

[NAB2017:LiveU]ワイヤレスモバイル中継装置の新製品「LU600」や小型軽量モデルの「LU200」などを展示

LiveUブース360°全天球動画 RICOH THETA Sで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google Chromeブラウザ... 続きを読む

[NAB2017:Harmonic]OTTとクラウドベースのソリューションを展示

Harmonicブース360°全天球動画 RICOH THETA Sで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google Chromeブラウ... 続きを読む

[NAB2017:平和精機工業]様々な撮影シーンでカメラを支えるソリューションを披露

平和精機工業ブース360°全天球動画 RICOH THETA Sで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google Chromeブラウザお... 続きを読む

特集記事

inside DaVinci 14 inside DaVinci 14
4月に行われたNAB2017にて発表となったDaVinci Resolve 14を紹介。
SIGGRAPH2016 How to Media Composer | First
Avid Media Composerのインターフェースを誰でも無料で使えるAvid Media Composer | Firstのセットアップ方法や、使い勝手を解説していく。
QBEE2016 BIRTV 2017
中国・北京で開催されたアジア地区ではInterBEEと並ぶ大規模な放送機器展 BIRTVをレポート。
SIGGRAPH2017 SIGGRAPH2017
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の学会・展示会SIGGRAPH2017ををレポート。
THE ROAD TO VR THE ROAD TO VR
幅広いジャンルで活用されているVRが、いかに普及、どのように進化していくのかを考える。
Digital Cinema Bülow VI~CineGear 2017 Digital Cinema Bülow VI~CineGear 2017
米国ハリウッドで開催された映画撮影機材の専門展示会 Cine Gear Expoをレポート。
QBEE2017 QBEE2017
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
After Beat NAB SHOW 2017 After Beat NAB SHOW 2017
東京秋葉原のUDXにおいて開催されたAfterNABshowで今年のNABの総括を考える。
NAB2017 NAB2017
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会 2017 NAB Showをレポート。
SXSW2017 SXSW2017
米国テキサス州オースティンで開催された、SXSW(The South by Southwest:サウス・バイ・サウスウエスト)をレポート。
CP+2017 CP+2017
カメラと写真の総合展示会、CP+2017をレポート。
CES2017 CES2017
世界最大の国際家電見本市、2017 International CESをレポート。
PRONEWS AWARD 2016 PRONEWS AWARD 2016
2016年は映像業界にとってどのような年だったのか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
Inter BEE 2016 Inter BEE 2016
千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2016をレポート。
InterBEE2016の歩き方 InterBEE2016の歩き方
目的に合わせたブースをピックアップし、最小限の力で最大の効果が得られる最強の「Inter BEE 2016の歩き方」を紹介。
Photokina2016 Photokina2016
2年に一度催される、世界最大のカメラ関連の展示会“Photokina(フォトキナ)”をレポート。

トップ > 特集 > [After Beat NAB SHOW 2017]Vol.04 注目の360°VRの課題は、どこで、なにで、なにを見るのか