PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [CES2018]Vol.01 混沌のCES開催〜“非接触性”の増加、未来のモビリティ提案

News

[CES2018]Vol.01 混沌のCES開催〜“非接触性”の増加、未来のモビリティ提案

2018-01-15 掲載

txt:西村真里子 編集部 / 構成:編集部

全く予想のつかないCES

今年のCESはいろんな意味で大いに荒れた。それは展示内容もそうだが、会期中珍しくラスベガスは大雨に見舞われた。それが原因で翌日LVCCは、長時間に渡る停電で現場は混乱を招いた。そんな自然現象の前には手の出しようがない。

1日中大雨に見舞われるラスベガスコンンベンションセンター。排水機能が弱く漏電し、会場が停電する憂き目に…

この時にTwitterやSNSを駆け巡ったのは、“Hey Google Turn on the light!(グーグル、電気つけて!)”だった。この現象はある意味核心をついている出来事でもあった。潮流であるAIだろうが、VRだろうが、当然CESのベースである家電も電気がないと何もできない。これがCES2018の肝だったかもしれない。当たり前のような答えを突きつけられたような出来事だった。それでも我々は前に進む。

今回も各分野で活躍中の方々を招聘し多元的に多様性を持ってCESに臨んだ。PRONEWS編集部でもそんな混沌さを伝えるべく、多様なアプローチ視点でCESを語ってみたい。

PRONEWS編集部

Google一色だったCES2018

CESメイン会場前ではGoogleが特設テントを設営。この他にもラスベガスの会場のあらゆるところでGoogleのポップアップブースが目立っていた

CES2018はGoogle色が強いCESだった。CESだけではなくラスベガスの街中にもGoogleがあふれていた。タクシーの運転手も「Hey GoogleなんてCESが始まるまで知らなかったけど、すっかり意識するようになったわ」というぐらい強い印象を残していた。それはモノレールのラッピング/車内広告、街頭サイネージからCESメイン会場前の特設テント、会場内ではGoogle Assistantを採用した企業ブースにGoogleスタッフが派遣されデモンストレーションを支援するなど、あらゆる場面でGoogleを意識させるようなプロモーションの賜物だろう。

CES2017はフォードやLGなどがAmazon Alexa連動サービスを発表し、2017年は音声認識/Alexaの年であると誰もが意識した昨年に比較して、音声認識の選択肢としてGoogle Assistが圧倒的な存在感を示していた。

Google Assistant搭載プロダクトを紹介する企業のブースにはGoogleスタッフがデモンストレーションを支援していた 忘れ物防止を助ける「tile」。彼らのブースにもGoogleスタッフがデモンストレーションの支援に来ていた

AmazonとGoogleの音声認識覇権争いも気になるが、音声認識テクノロジーがこれからのプロダクトには必要不可欠になるということも強く印象に残ったCESだった。米国KOHLERのトイレは、蓋の開閉を「Hey Google, open the cover」で済ますことができ、ソニーブースではスピーカーやBRAVIAテレビのコントロールを「Hey Google」「Alexa」で完結できるデモを紹介していた。

音声認識でトイレの蓋開閉が行えるKOHLERのデモ。非接触なので衛生面を気にする消費者に人気が出そうだ ソニースピーカーやBRAVIAテレビにAmazon AlexaやGoogle Assistaを採用。自前主義ではないソニーの姿勢に驚いた

“音声認識”は必要不可欠になる。同時に、音声認識が要する“非接触性”も主流になるだろう。「誰が使ったかわからないトイレの蓋を触るのは嫌」という消費者の衛生面に関する意識と、「様々なデバイスが溢れる家庭内でわざわざ人間が動いてデバイスをコントロールするのは面倒」という利便性を追求する意識が我々を音声認識に向かわせる。そして“非接触性”のニーズはCES2018でイノベーションアワードを受賞した無線給電「Wi-Charge」にもつながる。ケーブル不要で電化製品を充電できるのでデバイスの増加とともにスパゲッティ状態になりつつある家庭やオフィスでのニーズは高まるだろう。

「Wi-Charge」ブースでは電気機関車のオモチャに対して無線給電を行なっていた

新たな自動運転時代

自動車の電化、コネクテッド化に伴いCESでの自動車メーカーでの存在が大きくなってきているニュースはここ数年よく目にする事実だろう。自動運転にプラスしてCES2018では新たな自動運転時代の移動(=モビリティ)のあり方を提案しているシーンも目立った。また自動運転時代を意識して新たに「Smart City」というエリアも出来たのも今年の特徴だろう。

Intelブースではプロジェクションマッピングとハプティクスシートで自動運転時代の移動の在り方をバーチャル体験できる

Intelでは自動運転時代のモビリティについてバーチャル体験できた。ハプティックシートとプロジェクションマッピングを組み合わせてちょっとだけ自動運転時代の街並みに未来タイムスリップできた。

トヨタe-Paletteコンセプト:未来は店舗が消費者が求めるところへやってくる。カジノもわざわざラスベガスに行かずとも求めるところへやってきてくれるのだ

トヨタは自動運転時代の消費活動について映像で紹介していた(e-Paletteコンセプト)。店舗に出向いて購買する消費活動から現在ではオンラインで購買し、運送会社が配達する消費活動へとシフトしているが、自動運転時代には店舗そのものが消費者の元にやってくる、というものである(デモンストレーションでは、靴を買いたい消費者の元(家・オフィス・どこでも)に自動運転シューズショップがやっていて、そこで試着し気に入ったものを消費者が購買できるデモンストレーションを紹介していた)。

Intelは5G時代の体験を紹介。VRコンテンツもストリーミングできるようになると遠隔ミーティングもよりリアルなものと近づく

バーチャルとリアルの移動の融合も今後さらに進化するだろう。現在ではVRコンテンツは強力なマシンが無いと動かないが、5G時代にはストリーミングコンテンツもVRで楽しめる。Intelは5GストリーミングVRコンテンツのデモをしていたが、今後はオンラインミーティングも没入感あるVRで行えるようになることが現実のものになりつつあるのを感じる。

ややもすると昨年までのCESはテクノロジーデモンストレーションが多かったのだが、CES2018は生活者のユースケースを考えたプロダクトが増えていた。世界最大級のテクノロジーカンファレンスの中で展示スタッフの説明をじっくり聞き、未来の生活シナリオを考えながら理解するものが増えたのはテクノロジーがより浸透している証拠。これからさらにユースケースをしっかりと考えたソリューション提案が増えることだろう。その時代には自前主義ではことが収まらず企業間が手をつなぎ、また今ない価値を提案するにはデザイナーの参画も必要になってくる。今年のCESではキーワードとしては表に目立ってなかったがオープンイノベーションやデザイン思考も浸透した結果が顕在化していたと感じた。

txt:西村真里子 編集部  / 構成:編集部
[CES2018] Vol.02

[ Category : , ]
[ DATE : 2018-01-15 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[SXSW2018]Vol.10 SXSWワールドプレミアから全国上映へ「旅するダンボール」ができるまで

txt:猪蔵 編集部/ 構成:編集部 現地での反響を受け広がる上映の道 アカデミー賞とカンヌ映画祭をつなぐのはSXSW Film部門ではないのか?と言われるほど... 続きを読む

[Photokina2018]Vol.04 スチルカメラの祭典から動画系の情報をお届け

txt:手塚一佳 構成:編集部 Photokina2018は単にスチルカメラの祭典というだけではない。そもそも今や動画の一定番となった一眼動画はこのPhotokinaから始ま... 続きを読む

[IBC2018]Vol.06 会場から気になるブースをピックアップPart3

txt:猿田守一・編集部 構成:編集部 AJA、IBC2018で8つの新製品と現行製品のアップデートを発表 AJAは、IBC2018にて8つの新製品と現行製品の... 続きを読む

[IBC2018]Vol.05 会場から気になるブースをピックアップPart2

txt:猿田守一 構成:編集部 Blackmagic Design Blackmagic Designは、昨年と変わらず大きなブースを構えソリューションを展示。中で... 続きを読む

[IBC2018]Vol.04 ブロックチェーンで映像ビジネスはこう変わる

txt:江口靖二 構成:編集部 AI関連のセッションが18本もあったIBC2018では、もう一つ、日本ではほとんど扱われていないブロックチェーン関連のセッションが少なくと... 続きを読む

[Photokina2018]Vol.02 プレスカンファレンスからみる今年の動向02

txt:猪蔵・手塚一佳 構成:編集部 富士フイルムプレスカンファレンス 富士フイルムのプレスカンファレンスでは、和製ジョブズとの名も高い飯田年久事業部長の演出に... 続きを読む

[IBC2018]Vol.03 IBCではAIによる放送・映像ビジネスの変革が大きなテーマ

txt:江口靖二 構成:編集部 AI技術を放送業務で実装すること。何のためにAIを利用するのか? 2つのデータソース間の変換を学習するcycleGAN(HEXAGLOB... 続きを読む

[IBC2018]Vol.02 会場から気になるブースをピックアップPart1

txt:猿田守一 構成:編集部 引き続き、IBC2018の会場から気になったブースから取り上げていきたい。 ARRI ARRIブースではALEXA LF 3.... 続きを読む

[Photokina2018]Vol.01 会期前に大きな発表が行われたプレスカンファレンスから01

txt:猪蔵・手塚一佳 構成:編集部 会期前に流れる大きな話題はプレスカンファレンスから Photokinaはドイツ、ケルンメッセで行われるスチルカメラの祭典だ。今年は... 続きを読む

特集記事

10万円以下のジンバル選び 10万円以下のジンバル選び
一層注目が増している小型カメラジンバルをDJIやZHIYUN、FEIYU TECH、FILMPOWERの4社5機種に渡って比較紹介。
Inter BEE 2018 Inter BEE 2018
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2018の歩き方 InterBEE 2018の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
新世紀シネマレンズ漂流:最新単焦点レンズ編 新世紀シネマレンズ漂流:もの作りの現場から
「新世紀シネマレンズ漂流:最新単焦点レンズ編」の続編。前回紹介することができなかったシネマレンズメーカーを取材。
Photokina2018 Photokina2018
ドイツ・ケルンメッセで開催されたスチルカメラの祭典 Photokina2018をレポート。
IBC2018 IBC2018
オランダ・アムステルダムで開催された欧州最大の映像・放送の展示会IBC2018をレポート。
映画「万引き家族」〜撮影部と撮影監督の眼差し 映画「万引き家族」〜撮影部と撮影監督の眼差し
「万引き家族」はいかにして生まれたのか?今回の特集ではその制作側を覗いてみる。
SIGGRAPH2018 SIGGRAPH2018
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会SIGGRAPH2017をレポート。
BIRTV2018 BIRTV2018
中国・北京で開催されたアジア地区ではInterBEEと並ぶ大規模な放送機器展 BIRTVをレポート。
QBEE2018 QBEE2018
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
inside DaVinci 15 inside DaVinci 15
史上最大のアップデートを実現したと言われるDaVinci Resolve 15に関する最新動向をまとめてみた。
Cine Gear Expo 2018 Cine Gear Expo 2018
米ハリウッドの中心、パラマウントスタジオで開催された「Cine Gear Expo」をレポート。
After Beat NAB SHOW 2018 After Beat NAB SHOW 2018
東京・秋葉原で開催された「After NAB Show Tokyo 2018」をレポート。
NAB2018 スペシャルレポート NAB2018
世界最大の放送機器展覧会「2018 NAB Show(NAB2018)」をレポート。
Your Choice?GH5 or GH5S Your Choice?GH5 or GH5S
映像業界で活躍中のカメラマンやディレクターに聞く「GH5」と「GH5S」の選び方。

トップ > 特集 > [CES2018]Vol.01 混沌のCES開催〜“非接触性”の増加、未来のモビリティ提案