PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [CES2014]Vol.07 ブロードキャスト周辺の注目すべきアレやコレや

News

[CES2014]Vol.07 ブロードキャスト周辺の注目すべきアレやコレや

2014-01-11 掲載

「Super Joey」を発表するdishのチャーリー会長

CMスキップ路線を拡大させるアメリカのdishの新サービス

CES2014_07_05427.jpg 操作画面。AutoHop機能の有無など視聴形式を個別に設定できる

アメリカの衛星放送プラットフォーム会社であるdishが、新サービスである「Super Joey」を発表した。これは同社の衛星放送受信機能付きのDVRである「Hopper with Sling」にチューナーをさらに2台追加したもので、同時に8チャンネルを録画することが可能。dishはアメリカの携帯電話会社スプリントの買収を巡ってソフトバンクと競った会社だ。

CES2014_07_04818.jpg AutoHop機能も提供するSuper Joey

Hopper with Slingはプライムタイムの4大ネットワーク全番組を録画しておき、放送後8日間いつでも視聴が可能になる「PrimeTime Anytime」機能を搭載している。さらに「AutoHop」を有効にすると、PrimeTime Anytime機能で録画した番組は、翌日の午前1時以降から自動CMスキップ再生が可能となる。早送りやCMスキップボタンを押すのではなく、そもそもCMが再生されない。

CES2014_07_04821.jpgWireless Joey

当然ながら米国でも4大ネットワークから訴訟が起こされて係争中であるが、CMスキップが有効になるまでに時間差を設けるなどして対抗している。またHopper with Slingはスマートフォンやタブレットにも対応しており、昨年のCESの最高賞を受賞した製品でもある。

CES2014_07_04820.jpg LGのスマートテレビがVirtual Joeyに対応

今回のCESで同時に発表された「Wireless Joey」は、WiFiを経由してワイヤレスで家中どこでも視聴できるようにするもの。インターネット接続の有無は関係なく、セットアップが簡単な家庭内の無線映像伝送装置だ。5GHzの802.11acに対応し、伝送速度は1.3Gbpsだ。また「Virtual Joey」はここのテレビにボックスを接続することなく、1台のボックスからLGなどのテレビのアプリや、PlayStation3と4を通じての視聴が可能になるものだ。

CES2014_07_04822.jpgSONYのPlayStation3と4にも対応

また視聴可能端末としてアマゾンの「kindle fire」が追加されることもアナウンスされた。同時録画チャンネル数を増加させ、家中のどのテレビでも、出先も含めたどのデバイスでももっとテレビを見られるというのがdishの提案である。

CES2014_07_04829.jpgkindle Fireにも対応すると発表

CMスキップなどは日本ではなかなか考えられない話であるかもしれないが、先日ソニーかキーノートで発表したクラウドベースドTVサービスなどと合わせて、アメリカのテレビはこうして確実に変わっていこうとしている。

テレビ局や動画配信サービスにも対応可能な高速ファイル伝送システム

CES2014_07_05343.jpg FTPソフトライクな「Sliver Bullet for File Transfer」の起動画面

こうした「いつでもどこでももっとテレビ」という要求にも応える技術の展示が、ラスベガスのホテルでプライベート展示された。日本のSkeedが提供する高速ファイル伝送ソフトウエアである「Sliver Bullet」である。「Sliver Bullet」はインターネット上で大容量のファイルを伝送させる場合に発生する遅延やスピードの低下に対して、安定した高速伝送を確保するものだ。通常のファイル転送はプロトコルとしてTCPを使うことが多いが、これは確実な転送を確保するために様々な「確認」を行いながら転送するので時間がかかることが多い。これに対して同社の「Sliver Bullet」は、プロトコルにUDPをベースとした独自の技術を採用しているので、高速伝送が可能になるというものだ。

CES2014_07_05328.jpgFFFTPを使った一般的なフェイル転送の状況

一般的にはUDPはデータを送りっぱなしで「確認」を取ることをしないので、データの欠落が生じたり、逆に帯域を使いすぎて他の電装に悪影響を及ぼすことがある。同社はこれを解決するために、独自のプロトコルと帯域制御技術を用いており、特許取得済みだそうだ。

CES2014_07_05335.jpgSliver Bullet for File Transferでの転送状況

実際のデモでは、100MBのファイルをアイルランドからラスベガスのホテルのWiFi経由で転送した場合、通常のFTPソフトで4分半程度かかったものが、Sliver Bulletを使うと1分20秒ほどで転送された。一般的には回線遅延が多いなど、条件が悪いほど改善させるのだという。

Sliver BulletはFTPソフトのようなソフトウエアやWEBベースのサービス、あるいはSDKとして提供されるので、既存のハードウエアやシステムアプリへの組み込みが可能。利用シーンとしてはインターネット、モバイル、衛星などあらゆる回線上での利用が可能で、放送局の局間や海外支局からの伝送、プロダクションやポスプロとのやりとりなどに利用されているという。今後は放送局のニーズが高い報道取材現場から撮影したファイルを高速伝送したり、カメラに内蔵されたWiFiや、スマートフォンなどからダイレクトに高速ファイル伝送できるようなサービスも検討していくという。

今後映像の世界では4K化やファイルベース化によってますます巨大なファイルのやりとりが行われていく。回線側の増強も進むであろうが、こうした高速ファイル伝送技術の利用ニーズは高いものと思われる。

Txt:江口靖二 構成:編集部
Vol.06 [CES2014] Vol.08

[ Category : , ]
[ DATE : 2014-01-11 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[IBC2019]Vol.08 聞こえてくる脱地上波への足音、OTTへのさらなる進展

txt:石川幸宏・編集部 構成:編集部 OTT普及による映像業界への影響 IBCがいま最も先端の映像事情を垣間見れる展示会であることは本特集Vol.01でも言及... 続きを読む

[IBC2019]Vol.06 メディアやエンターテインメント領域のAIと機械学習

txt:江口靖二 構成:編集部 カンファレンス、セッションからみる現状と近未来 IBC2019ではブロックチェーンと同様に、AIや機械学習(マシンラーニング、ML)... 続きを読む

[IBC2019]Vol.04 IP、リモートカメラが変える映像現場の未来

txt:石川幸宏・編集部 構成:編集部 急激に進むIP化の波 このIBCで特に目立ったのが、IPとリモートカメラによる各種制作ソリューションだ。特にライブイベント、リモ... 続きを読む

[IBC2019]Vol.03 今後の映像業界を牽引するのはGAFAではなく中国勢になる

txt:江口靖二 構成:編集部 今年注目のキーワードは“8K+AI” IBC2019での注目キーワードは「8K+AI」だ。そしてそれらのほとんどは中国企業によって先導さ... 続きを読む

[IBC2019]Vol.02 豊作の秋を感じる賑わう会場から〜カメラ、レンズなど注目の新製品と動向

txt:石川幸宏・編集部 構成:編集部 豊作の秋を感じさせる賑わう会場より この秋のIBC2019のタイミングでは、Vol.01で紹介したソニーのFX9、Z750をはじ... 続きを読む

[IBC2019]Vol.01 欧州放送展示会IBCに異変あり!今年の印象と目立つ新製品発表から

txt:石川幸宏・編集部 構成:編集部 今年のトレンドを探る 毎年9月にオランダ・アムステルダム市街地にある、RAI会場で開催される、欧州最大の業務用映像・音響... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.09 DJI、Zhiyun Tech、FeiyuTech、MOZAの4大ジンバルメーカーに注目

txt・構成:編集部 FeiyuTech、未発表のジンバル「AK3000」を参考展示 BIRTVの展示会場で見逃せないのは、DJI、Zhiyun Tech、Feiy... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.08 Pilotfly、カメラをあらゆる方向に向けてもモニターの角度は保てるスマートトラッキングローラー「Pilotfly Cavalier」を展示

txt・構成:編集部 モニターやライトを一定方向に固定可能な「Pilotfly Cavalier」 Pilotflyは2013年設立の台湾を拠点とするブランド。主力... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.07 Aputure、LS C300dより20%明るくなった人気のLEDライト「LS C300d II」を展示

txt・構成:編集部 人気のLEDライトが更に明るくなって新登場 LEDライトメーカーのAputureは、ここ数年間で世界中のクリエイターが注目する急成長中のブラン... 続きを読む

特集記事

Inter BEE 2019 Inter BEE 2019
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2019の歩き方 InterBEE 2019の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
フィルム撮影の経験をしたい人に向けてフィルム撮影で必要な各種の工程について解説していく。
IBC2019 IBC2019
欧州最大の業務用映像・音響の専門展示会「IBC2019」をレポート。
新世紀シネマレンズ漂流 新世紀シネマレンズ漂流
シネマレンズを中心に一眼やミラーレスデジタルカメラの動画撮影機能と組み合わせて使われる交換レンズの最新動向を紹介する。
BIRTV2019 BIRTV2019
中国・北京の中国国際展覧中心で開催された展示会「BIRTV 2019」をレポート。
SIGGRAPH2019 SIGGRAPH2019
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会SIGGRAPH2019をレポート。
QBEE2019 QBEE2019
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
4K・8K映像技術展Report 4K・8K映像技術展Report
東京ビッグサイト青海展示棟にて開催された4K・8K映像技術などの最新技術が一堂に出展する「通信・放送Week2019」をレポート。
DSJ2019 DSJ2019
幕張メッセで開催された国内最大のデジタルサイネージの展示会「DSJ2019」をレポート。
Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019 Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019
米国ハリウッドのパラマウントスタジオ内で開催された映画撮影機材の専門展示会「Cine Gear Expo」をレポート。
After Beat NAB SHOW 2019 After Beat NAB SHOW 2019
東京・秋葉原のUDXにて開催されたAfter NAB Show 2019をレポート。
NAB2019 NAB2019
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会「NAB2019」をレポート。
SXSW2019 SXSW2019
テキサス州オースティンで開催されたSXSW2019をレポート。
CP+2019 CP+2019
パシフィコ横浜にて開催されたカメラと写真の総合展示会「CP+2019」をレポート。

トップ > 特集 > [CES2014]Vol.07 ブロードキャスト周辺の注目すべきアレやコレや