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[イベント映像演出の世界]Vol.22 迫力のある水中からの中継を実施~マリンワールド海の中道

2018-05-25 掲載

株式会社海の中道海洋生態科学館 運営本部 展示部魚類課 次長 三宅基裕氏
txt:岩沢卓(バッタネイション) 構成:編集部

外洋大水槽で行われる「ダイバー魚ッチング」でのV-1HD活用法

1989年のオープン以来、福岡市内唯一の水族館として利用者を集めてきた「マリンワールド海の中道」。2017年に初の全館リニューアルを行い、展示設備や内装なども含めて大きな改装が行われ、映像音響機器に関する機材の更新・増強も同じタイミングで実施された。

今回は、外洋大水槽で行われる、水中カメラを使用したショーイベントで使用される機材選定と使用方法について、株式会社海の中道海洋生態科学館 運営本部 展示部魚類課 次長 三宅基裕氏にお話を伺った(映像音響設備設計は、三友株式会社と甲斐和幸氏(deserve)によるもの)。

外洋大水槽で行われる「ダイバー魚ッチング」

外洋大水槽で行われる「ダイバー魚ッチング」ではMCとダイバーの掛け合いによって進行する番組形式のショーとなっている。ダイバーはマイクを装着し、水槽内から説明と水中カメラの操作などを行う。

水中カメラと説明用パワーポイントの切り替え、クイズの問題や選択肢の表示などをRoland V-1HDにて行なっている。

映像・音声を1名で操作している

導入のきっかけと、そのこだわりを聞いた

――水中カメラを使用したショーは、いつごろから行われているのですか?

三宅氏:1995年に増築された際に、この大水槽が出来たので、そのころからになります。すでに水中カメラやダイバーのマイクなどを使ってはいましたが映像に関しては、家庭用の映像切替器を使って、パチパチと切り替えていました。6年ほど前にRolandのV-4を導入しまして、そこからはスムーズな映像切り替えができるようになりました。

今回のリニューアルにあたり、プロジェクターやモニターのHD化を行ったので、スイッチャーもそれに合わせて選定をお願いし、V-1HDを導入することになりました。

リニューアルに合わせて導入されたRolandのV-1HD
――20年以上の長い歴史のあるスタイルなんですね、水中カメラ中継のスタイルをはじめたきっかけはなんでしょうか?

三宅氏:当時、宇宙飛行士の方が、宇宙空間内の実験を中継映像で行なっているのを見た館長が刺激を受けまして、同じような形で、水中からの視点を見せることで、お客様により海洋生物に興味を持って、親しんでもらいたいと始めたことがきっかけです。

水中カメラ自体は、海洋調査などで使用していたので、我々には馴染みのあるものですが、それを水族館内でどのように多くのお客様に体験してもらえるかについては、長い期間をかけて完成度を上げていきました。

ダイバーの水中カメラからの映像がプロジェクターとモニターに表示される
――機材選択のポイントは、どういったものがありますか?

三宅氏:まず、コンパクトでワンマンオペレートが可能なことが条件としてありましたので、それを実現できたことが大きいです。また、当館の場合、ショーのための専門スタッフではなく、餌やりなどの飼育作業・ダイバー役・MC役・機材操作担当と全ての作業をローテーションで行なっていますので、映像や音響機器の専門家でなくても習得でき、操作できることが重要になります。

機材に慣れるまでの時間は必要でしたが、開館前や閉館後の時間を使ってリハーサルを重ね、現在は問題なく運用できています。

――実際に使用を開始されて変化したことはありますか?

三宅氏:ワイプ機能を使って、クイズや質問・ダイバーへのリクエストなどを画面上に表示させることができたのが大きいです。特に、クイズの問題や選択肢などを、音声だけでなく映像としても表示できることで、お客様の理解と参加しやすさの向上につながっています。まだ、機能面では使いこなせていない部分が多いので、これから、もっと色々な演出方法を検討していきたいと思っています。

ワイプ機能を活用して演出の工夫をしている
――演出の工夫で大事にされていることはなんでしょうか?

三宅氏:一番大事なことは、お客様に楽しく学んでもらうための工夫をし続けることだと思っています。まずは、楽しいと思ってもらい、興味をもってもらわないとなりません。

ダイバーが持っているカメラのすぐ脇をサメが通り過ぎたときの迫力など、ダイバー視点でないと伝えられない、映像が持つシンプルなパワーを生かすことが重要だと考えています。

――今後の構想などあれば教えてください。

三宅氏:HDMI対応のV-1HDを使用することで、パソコンやタブレットなど多くの機器を簡単に接続することができるようになりました。まだ、実験段階ですが、FaceTimeやSkypeなどを用いての映像中継もショーの中に組み込む事を検討しています。

外洋大水槽の上部からダイバーが潜っていく様子を伝えたり、予備水槽内にいる稚魚の様子など、様々な視点から水族館の様子を見せられたらと思っています。将来的には、遠隔地から調査の様子や、船の上と繋いで魚たちの自然界での様子まで中継で見せることが出来たらと、技術的な課題はあるかと思いますが、構想は広がっています


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[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2018-05-25 ]
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