PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > コラム > 岡英史 > [岡英史のNewFinder]Vol.78 4Kハンドヘルド戦国時代に現れたスーパーカメラ~Sony PXW-Z190

News

[岡英史のNewFinder]Vol.78 4Kハンドヘルド戦国時代に現れたスーパーカメラ~Sony PXW-Z190

2018-11-09 掲載

txt:岡英史 構成:編集部

4Kハンドヘルド戦国時代

光学25倍レンズはマルチに使える

この原稿を書いてる時点で既にDVX200・Z280・XF705・HC550と各社4Kハンドヘルド機をラインナップしてきたが、量産4Kカメラの一発目って何だろうと思って改めて資料見たらPMW-F55が2013年2月、とは言えこのカメラはミドルレンジが簡単に所有出来る物ではなくそこから遅れる事約9か月でPXW-Z100が登場した。

※良く調べたら量産第一号はJVC HMQ-10、意外とJVCは新フォーマットにはいつも一番乗りだ

丁度この年のInterBEEはZ100をお借りしてPRONEWSチャンネルでも4K映像をアップさせて貰った記憶がある。その後は民生機や小型業務機で4K収録出来るものがあったが、やはりレンズワークをするとなるとどれもイマイチなのは扱った方なら感じているだろう。なのでAG-DVX200が登場した時はこぞってこの機種を使い、筆者も即購入しそこからの3か月間はカメラご指名(人間じゃないのが悲しいが)であっという間に駆け抜けたのを思い出す。

そして今年の2QにSonyからPXW-Z280というハンドヘルドENGとして全てを組み入れたスーパーハンディカムが登場したが、ここから更に業務用途としてリーズナブルにしたZ190を登場させてきた。今回もいつも通り実践現場に投入してみたのでその感想を踏まえてレポートしたい。

Z280とZ190の組み合わせはスモールパッケージでの現場には最強だ!

1/3inch×3枚の意味

Z100が登場した時期にある技術者に「なぜ単板なのか?明るさも踏まえて3板の可能性は?」と質問したことがあるのだが、その時の回答はHDでもプリズムに3枚の撮像素子を綺麗に並べるのは至難の業で、4Kの解像度は更に難しいと言われた。そしてその新たな回答として大判センサーという事になったのだが、センサーが大きくなるとレンズの制約がかなり出てくる。ワイド側はともかくとしてテレ側に至ってはワンボディの中に収めるのは難しい。Z150等に入っている1inchセンサーと言うのはその辺のジレンマを上手くバランスさせていたがそれでもENG的な取材には厳しいのが本音。

その回答としてSonyが用意したのは全ての要求を満たした1/2inch×3枚のZ280で、その解像度や明るさは今までの4Kハンドヘルドの常識をひっくり返すものだった。接近戦の取材ならこの機種は言う事なしだが、業務レンジではもう少しテレ側が伸びてほしい、できれば価格ももう少し抑えた物をと言う声にも応えて、この時期にそうそうと出てきたのがZ190だ。レンズ周りは殆ど同じ(実際は大きく違うが)とした場合センサーが小さい方がテレ側にシフトするのは既にお分かりだと思う。そのため、Z190はテレ側光学25倍と言うコンデジ並みの倍率を手に入れる事が出来た。ここにさらにHDモード時は4KからのHD切り出しによる高精細な2倍デジタルエクステンダー機能により50倍の高倍率ズームになる。国内での劇場ならこの倍率でアップが抜けない所は無い。もちろん、飛行機や鉄道系の撮影ならZ190一択と言っても良いだろう。

ワンマンオペレートでの武器

25倍ズームレンズに4chオーディオ録音

Z190は4K記録可能で、25倍の高倍率ズームが大きな特長だが、実はもっとミドルレンジには有効な武器がある。先ずは4ch独立の録音だ。Z280と同じくインテリジェントシューからのワイヤレスレシーバーでの音声2ch分と本体のXLR端子2ch分で合計4chの音声が入力できる。25倍ズームの主な活用で舞台収録があるがPAからのステレオ2ch入力とオーディエンスの2ch入力を本体で収録できるというのは後の編集時間が大幅に変わる。

そしてもう一つの武器として可変NDがある。可変NDの良い所は丁度良い露出を探すのではなく、明るさを変化させずに深度を一定に保てる部分だ。例えば部屋の外から中に入る時に絞りで調整してしまうと深度も思いっきり変わってしまうが、NDなら絞りは一定のままなので画のトーンは変わらない。この武器はSony機でしか使えない物だが、意外とそれに気づかない方もいるのではないだろうか?

更にZ280のメディアは高価なSxSを使うが、Z190はSDカードで4Kを収録可能だ。今回、SDスロットを3スロット装備し、その中の一つはユーティリティスロットと言う位置づけだがここでサイズの小さいプロキシーファイルを収録が可能となっている。撮って出しの現場で4K収録のサイズは現場編集では中々厳しい物があるが、このプロキシーの小さいサイズならHD画質で十分処理が出来る。またIP接続により本体のWEBコントローラーにPCやタブレットからアクセス出来、カメラのリモートコントロールが出来るのもZ280共々ワンマンオペレートでの武器になるはずだ。

総評

NX5Rよりやや大きい筐体だが、三脚的にはManfrotto Nitrotech N8クラスで十分対応可能だ

前記したがZ280、XF705、HC550、DVX200と、4Kハンドヘルドが出そろったが、では何を選べば良いのか?正直どのカメラも一長一短なのは当たり前の事でオールマイティに100点というカメラは存在しない。なので筆者の場合、まず自分のメインの仕事にどれだけ合っているか、もう一つは「見た瞬間に決めたカメラ」これに限る。とはいえ、Z190には光学25倍の武器がある。これを生かせる現場の方なら迷うことなく選んで良いはずだ。


WRITER PROFILE

岡英史 バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン


[ Writer : 岡英史 ]
[ DATE : 2018-11-09 ]
[ TAG : ]

関連のコラム一覧

[岡英史のNewFinder]Vol.77 ENG現場での理想的な三脚が登場~Flowtech100レビュー

txt:岡英史 構成:編集部 Vintenからの回答 100mmボール採用でショルダーカメラでもしっかりホールドできるようになった Vol.75でFlowte... 続きを読む

[岡英史のNewFinder]Vol.76 カメラバッグ考察2018

txt:岡英史 Photo:Takayuki Yagishita(LimeTec) 構成:編集部 カメラバッグの必要性 カメラが進歩している様にカメラバッグも進化し... 続きを読む

[岡英史のNewFinder]Vol.75 SachtlerとVintenが同じ脚になる日がきた!?~Flowtech 75レビュー

txt:岡英史 構成:編集部 2つのレジェンド三脚の提案 三脚というとカメラマンの方々は本当にこだわりが深い。面白いことにそれは低予算の自主映画だろうが、ハ... 続きを読む

[岡英史のNewFinder]Vol.74 CP+2018初日見る今年の動向とは?

意外と面白い写真の祭典 毎年2月の行事で数年前は雪で1日開催が中止された位。年々2月前半から後半に移動してきて今年は遂に3月での開催となった。実はこの時期筆者は春の花... 続きを読む

[岡英史のNewFinder]Vol.73 縁の下の力持ち!ビデオカート考察

txt:岡英史 構成:編集部 機材搬入 機材の運搬に何を使ってる? 例えば3カメスイッチャーの現場で必要な物は?と問いかけるとカメラ・三脚・SW・ケーブル・e... 続きを読む

WRITER PROFILE

岡英史 バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン


Writer

編集部
PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。
小寺信良
業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポート。
raitank
アートディレクター。あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。国内と海外の情報流通の温度差にモーレツな疑問を感じ、最新の情報を自ら日本語で発信するblogを運営中。
ふるいちやすし
自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。
岡英史
バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン
江夏由洋
兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。
鍋潤太郎
ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。
林和哉
映像プロデューサー/ディレクター。入口から出口まで全てのポジションを守備範囲にしている。最新技術が好物で、各種セミナー活動も豊富。
江口靖二
江口靖二事務所主宰。現在デジタルサイネージコンソーシアム常務理事などを兼務。
栁下隆之
写真家アシスタント、現像所勤務を経て、撮影機材全般を扱う輸入販売代理店で17年余り勤務の後に、撮影業界に転身。一眼カメラによる撮影を得意し、代理店時代に手がけたSteadicamや、スタビライザー系の撮影が大好物。
猿田守一
企業用ビデオ、CM、ブライダル、各種ステージ記録など撮影から編集まで地域に根ざした映像制作活動やCATV局などへの技術協力なども行っている。
オースミ ユーカ
映像ディレクター。企画、脚本から演出までジャンルを問わず活動。
土持幸三
1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。
鈴木佑介
日本大学芸術学部 映画学科"演技"コース卒の映像作家。 専門分野は「人を描く」事 。 広告の仕事と個人ブランドでのウェディングがメイン。 セミナー講師・映像コンサルタントとしても活動中。
松本敦
映像クリエイター。企業VPからスポーツイベント撮影まで幅広く手がける。アクションカムやドローンなどの特殊ガジェット好き。
宏哉
タイムコード・ラボ代表。Next-Zero.com管理人。バラエティーから報道や空撮まで幅広い番組撮影をこなすTVカメラマンであり、ダンスイベントからe-ラーニング収録まで請け負う街のビデオ屋さん。2017年度の振り幅はイージス艦CICから幼稚園のおゆうぎ会。
手塚一佳
CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。
高信行秀
ターミガンデザインズ代表。メーカーや代理店などの依頼でトレーニングや技術解説、マニュアルなどのドキュメント作成など、テクニカルに関しての裏方を務める。知られていない製品の魅力を伝えることが好きで、色々と仕掛けることを趣味にする。
小島真也
写真家、撮影監督。赤坂スタジオを経て、篠山紀信氏に師事。1990年に独立後は雑誌、広告界にて人物、ドキュメンタリーを中心に写真家活動。動画へのきっかけはFinal Cut Studio 5.1を導入し映像編集を始めたこと。商業映画や自主映画では撮影監督として撮影・照明・カラーグレーディングを担当し、TVドラマでは撮影部として参加。
山下大輔
フリーランスの映像講師。Adobe Community Evangelist。アドビ製品でビデオ編集をどのようにやっていくか日々模索中。FacebookではAfter Effects User Groupの管理人として勉強会なども随時行なっている。
柏原一仁
日本大学芸術学部写真学科卒、銀一株式会社海外商品部勤務。 銀一が世界中から輸入する写真・映像用品ブランドのマーケティング担当。静止画・動画・音声と様々な技術に翻弄される日々。好きな食べ物はからあげ。
曽我浩太郎
未来予報株式会社 代表取締役・プロジェクトデザイナー。新ビジネスに特化したリサーチ・コンセプトデザイン・コンサルティングを専門に行う。SXSW LLC.公式コンサルタント。著書『10年後の働き方「こんな仕事、聞いたことない!」からイノベーションの予兆をつかむ』が好評発売中。
井上晃
映像制作会社「有限会社マキシメデイア」代表、制作プロデューサー&キャメラマン。Facebookグループ「ATEM Tech Labo」、「Grass Valley EDIUS ユーザーグループ」を主催して、ATEMやEDIUSの布教に、日々勤しんでおるでよ。
石多未知行
クリエイティブディレクター、映像クリエイター、空間演出家。PMAJ代表、東京芸大 非常勤講師。空間演出やプロジェクションマッピングを中心に様々なメディアを使った企画演出を手掛ける。
奥本宏幸
大阪を拠点にしているフリーランスの映像ディレクター。演出・編集・モーショングラフィックをバランス良くこなす。フィンランドサウナが好きです。のびしろラボ管理人。
小林譲
イギリスにて大学卒業後、現地の会社にて映像編集を学ぶ。2006年に帰国。大手ポスプロIMAGICAにてテレビ番組を中心に日本のキャリアをスタート。後にドラマ、音楽系、CM系へと活躍の幅を広げる。2017年に独立。オフラインからアートデザインまで、作品の全体パッケージを監修することも多い。
染瀬直人
写真家、映像作家、360°VRコンテンツ・クリエイター。日本大学芸術学部写真学科卒。勉強会「VR未来塾」を主宰し、360°VR動画のセミナー、ワークショップなどを開催。
安藤幸央
無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。
高野光太郎
Cosaelu株式会社 代表取締役 / 映像ディレクター ミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
ヒマナイヌ
頓知を駆使した創造企業
駿河由知
中央区築地出身。マルチカメラ収録&配信ユニット「LiveNinja」メンバー。2006年より株式会社スタートライン設立。外務省、国連機関、国際NGOなどの国際会議やシンポジウム、企業イベントなどのライブ配信を担当
山本久之
映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。
ベン マツナガ
未来シネマ/ディレクター。ハリウッドでの大型映像制作、短編時代劇の自主映画制作を経て、現在は、映像を通じて人と人をつなぐことをテーマに様々な映像制作に取り組んでいる
河尻亨一
1974年大阪生まれ。雑誌「広告批評」を経て現在は実験型の編集レーベル「銀河ライター」を主宰、企業コンテンツの企画制作なども行う。デザイナー石岡瑛子の伝記「TIMELESS」(http://eiko-timeless.com/)をウェブ連載中。
茂出木謙太郎
株式会社キッズプレート代表。「楽しいInternetコンテンツ」をテーマに活動。現在VRの可能性をまさぐり中。CG-ARTS協会会員
稲田出
映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。
黒田伴比古
報道・ドキュメンタリーエディターでありながら、放送機器に造詣が深く、放送局のシステム構築などにも携わるマルチプレーヤー。
ヒラタモトヨシ
ファッションとテクノロジーを繋ぎイノヴェーションを生み出す事をライフワークとし、WEB/ライブメディア/高精細映像表現を追求。
猪蔵
いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。
須藤高宏
東京・国分寺市に於いて録音スタジオ「マイクロサウンド」を運営し各種録音編集に携わる傍ら最近では各種イベント配信音声を担当。
林永子
2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」
ViewingLab
未来の映像体験を考える有志の研究会。映画配給会社、映像作家、TV局員と会員は多岐に渡る
石川幸宏
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
山下香欧
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
岡田智博
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
萩原正喜
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
坪井昭久
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
しらいあきひこ
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
秋山謙一
映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
今間俊博
アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
金田浩樹
映画・テレビの映像制作を中心に、USTやニコ生等、ライブメディア各分野を横断して活動中。ジャンルや固定概念にとらわれない構成力と発想に定評あり。
伊藤裕美
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
UserReport
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

トップ > コラム > 岡英史 > [岡英史のNewFinder]Vol.78 4Kハンドヘルド戦国時代に現れたスーパーカメラ~Sony PXW-Z190