ブラックマジックデザイン株式会社は、2018年1月22日、東京・目黒区にある同社のショールームにて同社製品を活用した最新8Kソリューションを紹介するイベントを開催した。

同イベントでは、同社の8Kに対する考え方や、8K製品、8Kへの取り組みなどを紹介。InterBEE2017にて発表された「DeckLink 8K Pro」を活用した8K制作のワークフローをDaVinci Resolve 14と組み合わせて実演し、その他にもOEM製品を活用したワークフローも披露された。

同社のCEOであるグラント・ペティ氏は、8Kはまだまだ一部のメーカーだけが取り扱っており、時期早々と考えていたが、DaVinci Resolveの普及と進化が大きな後押しとなり、2017年に8K製品を発表したという。DaVinci Resolve Studioは16Kまで対応しており、ポスプロなどでは6Kや8Kなどの解像度の大きい編集やグレーディングが行われている。8Kを実際に使用する際に、モニタリングしたいという要望が多い反面、8Kモニターは高価なものが多かったが、シャープから108万円前後の8Kモニター「LV-70002」が登場し、8Kがより身近になったとしている。

そんな8K制作への要望を実現するために開発したのが「DeckLink 8K Pro」だ(2018年2月発売予定)。DeckLink 8K Proを使用することでDaVinci Resolveで8Kをモニターに出力しながら編集やグレーディングが行える。DeckLink 8K Proは12G-SDIを4本搭載。4本の12G-SDIは入出力ともに対応しており、使用用途は主に、入力ポート4本を使用した8Kのキャプチャや、出力ポート4本を使用した8K出力など、8K60pの出力とキャプチャの2つだとしている。

4台のTeranex Miniを使用して8K映像を出力。UHDの各映像をバラバラに再生するとわかりやすい。写真のモニターはシャープの8Kモニター「LV-70002」

DeckLinkは12G-SDI×4本で8Kが出力できるが、SDIが直接入力できないため、今回の展示では接続例として、Teranex Mini SDI to HDMI 12Gで12GをHDMIに変換し、Teranex Mini SDI to HDMI 12Gを4台使用して8K60pの再生を行った。その他にも、8Kの分配(ルーティング)も可能だとしている。

NHKメディアテクノロジー開発の8K再生システム「HyperCUBE」(税別1,700,000円、三友で販売)

また、再生・出力の製品としてOEM製品を2つ紹介した。1つ目は、NHKメディアテクノロジーが開発した8K再生システム「HyperCUBE」。HyperCUBEは、4K60p対応のHyperDeck Studio 12Gが4つ搭載されており、8K60pの再生が可能。HDMI出力は8K60p(59.94p)YUV4:2:2、10ビットのHDMI 2.0に対応。

武蔵社製マルチデバイスコントローラ「MDC-70」とHyperDeck Studio Miniを組み合わせた展示

2つ目は武蔵株式会社のマルチデバイスコントローラ「MDC-70」。HyperDeck Studio Mini×4台をMDC-70を使用して、再生だけでなく、巻き戻しやタイムコードへのGoTo、スローモーション再生などの操作が行える。

DaVinci Resolveと組み合わせた8Kワークステーションを実演

DaVinci Resolveのワークステーションを実際にどのように組み立てているかを紹介。8K60p対応のマシンのテックウィンド「SYS-7049GP-TRT/BMD_TWD」とDaVinci Resolveを組み合わせたデモを行った。InterBEE2017でも同様の展示を行っており、今回はInterBEE展示モデルの後継機種(最新モデル)でデモを行った(InterBEEではSYS-7048モデル)。その他にも、8K対応マシンとしてデジノス(参考出品)とマウスコンピューター(参考出品)も展示されていた。

8K対応マシン3台を展示。写真中央が今回のデモで実際に使用したテックウィンドの「SYS-7049GP-TRT/BMD_TWD」