色や露出を変えないまま被写界深度のみを可変するCmotionのCinefadeを参考展示

今年のナックブースはホール7に2ブース、ホール3に1ブースの3箇所に分かれて出展。シネマカメラ・シネマレンズ関係は、ホール7のNo.7101で、CmotionのCinefadeやALEXA Mini LF、ツァイスのeXtended Dataをメインに展示していた。

CmotionのCinefadeは、色や露出を変えないまま被写界深度のみを可変してドラマを強調できるカメラアクセサリー。ナックでの取り扱いはまだ未定の製品で、参考展示として展示が行われていた。

仕組みはバリアブルNDによって実現するもので、Staticポラライザー1枚とMotorisedポラライザー1枚を使い、Motorisedポラライザーをレンズのアイリスモーターと連動させることによって、絞りと明るさを変えずに被写体深度だけを変更することを実現している。

Cinefadeはマットボックス内に配置される。自動でアイリスモーターとフィルターモーターが追従して露出を一定に保つ

MotorisedポラライザーとStaticポラライザー、レンズコントロールシステム、アイリスモーターと組み合わせることで被写界深度効果の可変が可能。ハンドユニットを介してリモート制御が可能

ALEXA LFのラージフォーマットセンサーを搭載したALEXA Mini LFを展示

ALEXA Mini LFは、小型軽量ボディーにALEXA LFのラージフォーマットセンサーを搭載したカメラ。ARRIの総合画質を手軽に得られるほか、3種類の電動NDフィルターの内蔵、12V電源駆動への対応、アクセサリー用電源出力の増設、ユーザーボタンの増設、新開発の収録メディアCodex Compact Driveの採用、新型ハイコントラストHDビューファインダー「MVF-2」の採用など、さまざまな新機能や新開発デバイスが追加されている。

小型ボディにLPLレンズマウントや大判ARRI ALEV IIIを搭載したALEXA Mini LF

ポストプロダクション時のマッチブーム作業の負担を軽減するeXtended Data

eXtended Dataのコーナーでは、Supreme PrimeとVENICEを組み合わせてeXtended Dataの良さや使いやすさを紹介していた。これまでeXtended Dataを収録するには、TransvideoのオンボードモニターやAmbient Recordingのレコーダーをカメラの上につけなければいけなかった。しかし、VENICEやREDはファームウェアのアップデートでレンズマウントを介してZEISS eXtended Dataを読み取り、記録に対応。外部レコーダーを必要としなくなった点をアピールしていた。

Supreme PrimeはVFXプロダクションに便利なeXtended Dataにも対応している

ZEISS eXtended Dataのデモリールも紹介されていた。これまでのVFX合成は、ワイドレンズだと合成が困難になるなど、いろいろな制約があったが、ZEISS eXtended Dataを使用することでポストプロダクション時のマッチブーム作業時に、収録素材をポストのVFXに渡すだけで、時間のかかっていた作業を軽減できるとしている。

eXtended Dataを使ったメイキングを公開。PRONEWSでもコラム「Exploring ZEISS eXtended Data」で紹介しているのでこちらも参考にしてほしい