PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [SXSW2018]Vol.08 SXSWを楽しむための秘訣は、全てに争わないこと。五感で感じること

News

[SXSW2018]Vol.08 SXSWを楽しむための秘訣は、全てに争わないこと。五感で感じること

2018-03-27 掲載

txt:宮川麻衣子(未来予報) 構成:編集部

SXSWへ7回目の参加となった今年、常にその変化を感じながらも、今年は自分にとってより大きな転換を感じた年だった。イベントは水物であるので、社会状況や特に参加者のマジョリティの変化に左右されやすい。それは当然の事だし、SXSWは“民主的”を掲げるイベントなので、毎年の色が違う、それが面白いという一面もある。

SXSWはどう変化していくか。感じた兆し。

コンバージェンスプログラムであるVRの一画には、ヴァーチャルシネマの部屋が設けられ実際に見ることができる。Filmで上映されたウェス・アンダーソン監督「犬ヶ島」の360°メイキングムービー。ストップモーションのセットの中に入ってキャストの犬たちに話しかけられる映像体験だった。セットを組む様子などが360°で楽しめる。いかにも各カテゴリの融合領域という感じがした

近年、運営側はコンバージェンスというコンセプトを掲げ、Interactive偏重だったSXSWのプログラムや参加者を“均す”動きを見せた。各カテゴリの垣根なくすため、どのバッヂを持っていても優先順位付きでセッションや映画やライブに入れる制度に去年から変わった。また、コンバージェンストラックが設けられ、実験的ストーリーテリング、食、ジャーナリズム、社会的インパクト、スポーツ、スタートアップビレッジ、VR/ARがそれにあたる。トラック名を見ていただくとわかるが、テクノロジー関連、またスタートアップ関連は主役というより、one of themである。振り返れば、SXSWに行ってみたいと憧れの目で見ていた2006、2007年あたりは、SXSWといえば音楽とWebのイベントのイメージだった。そう考えると、だいぶごちゃ混ぜの、何でもありのイベントだという事がわかる。

一方、(32年間のうちたった7年間の話でしかないが…)スポンサーがド派手に存在感を示すというよりは、細かく会場や賞、EXPOごとに付くことに重きを置くよう変わったようだ。今年から車のスポンサー枠がマツダからベンツに変わった。マツダの前はシボレーだったが、どちらも会場間の移動用に循環車両を提供していた。SXSW仕様に装飾された車が循環するので、会場のあちこちでスポンサー車を見かけていた。しかし、ベンツは車は走らせず、コンベンションセンターから少し離れた屋外スペースにEXPOを作った。

昨年、ベンツとSXSWがフランクフルトで開催したカンファレンス「me Convention」のミニ版だ。ベンツそのものよりも、新しいカンファレンスのプロモーションという感じだった。講演会場だけでなく、座ったり寝転がったりするスペースや、ワークショップスペースがあり、しかもセッションの中身はヨガが体や心にどう影響を及ぼすかというプログラムがあったり、ゆっくりと考え、自分や課題に向き合う環境があった。

他にも、各賞について、前からスポンサーベースだったが、しっかり「〜awards by ●●」と明記し司会者がきちんと説明している印象だった。それぞれのカラーにあったものに特化して、企業の考えやコンセプトを見せていくように変わったのかもしれない。

Musicはより地元のオーディエンスを大切にしている?

期間中は教会もライブ会場になる。いつも満員だった。この時ばかりにと、アーティストも演奏しながらビールを飲む

さらに、Musicの変化が顕著だった。ここ数年はヘッドライナー的に現役の有名アーティストが直前に発表されライブを行っていた。Lady gaga、Eminem、Justin Timberlake、Coldplayなど。そしてモンスターエナジー、ドリトス、アップル、MTV、非公式にRedbullなどが大きな野外ステージを作ったり、コンサート会場で大きなライブを開催していた。ほかにも、小・中規模会場では、音楽マガジンやpandoraなどの音楽サービス主催でパーティーライブを行っている。

今年は大きなステージほぼはなくなり、小・中規模が増え、盛り上がっていた。しかも、アンオフィシャルのパーティーが増えていた印象だ。そうするとどういう事が起きるかというと、バッヂや1日限りのリストバンドを買わなくても入れる無料パーティーだらけになる。公式パーティーであればバッヂが当然必要で、むしろ持っていないと入れない会場もある。公式だか公式じゃないかよくわからないところは、一応バッヂ所有者用のラインはあって優先されるが、何も持ってなくても待っていれば入れる。全く関係ないところもあった。これまではバッヂを買っているかいないかでくっきり線が分かれていたが、より、地元の人たちと混ざるというか開かれるように変わった。

世界的に有名になったイベントだからこそ、揺り戻し的にLocalを大事にする動きになっているのかもしれない。Interactiveも著名人を招いたり、大企業によるセッションがある一方で、非常に細かくテーマが細分化され、新しすぎる価値観を提示するセッションが多数ある。人数的に人気/不人気の差が激しいので、参加者側がまだまだ追いついていってない感はあるが、色んな価値観や考え方・文化に触れられる最高のチャンスだと、私は思った。そしてまた来年オースティンの街を訪ねることになるだろう。

txt:宮川麻衣子(未来予報) 構成:編集部
Vol.07 [SXSW2018] Vol.09

[ Category : , ]
[ DATE : 2018-03-27 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[SXSW2019]Vol.09 これからの世界と自分を見据えるためのSXSWの歩き方

txt:曽我浩太郎(未来予報) 構成:編集部 SXSWの「未来が見える場所」からの脱皮 毎年SXSWインタラクティブイノベーションアワードでは「ブレイクアウトトレンド」とい... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.08 映画でSXSWを勝ち抜くためには?勝利の掟を知る

SXSWは、世界でも注目されるべき映画祭のひとつ 世界に数多くある映画祭でもSXSW(以下:SXSW=映画祭)は異色だと言われている。もちろん作品ラインナップにも現れているが... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.07 データサイエンティストが見たSXSW2019の行方

txt:後藤真理絵(ヤフー株式会社) 構成:編集部 Ethical AIとは何か 2019年3月8日~3月13日まで、米国テキサス州オースティンで開催されたSXSW20... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.06 SXSW2019セッション紹介。コンテンツ体験のデータ化と「想像力」

txt:佐々木淳 構成:編集部 リベラル・オピニオンと「エモーショナル」の喧騒 スタートアップ&イノベーション・ショーケースとしての隆盛も一段落し、2000を超すセッシ... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.05 「Sony Wow Studio」三年目の施策。ソニーらしさ健在、賢者との対話に注目

txt:古賀心太郎(アマナビ airvision)&編集部 構成:編集部 SXSW Sony主催WOW Studioでドローン関連セクション 2019年3月8日から... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.04 NHKが牽引する8Kの世界。そして聴覚、VRの可能性を探る展示に注目集まる

txt:岡本侑子(kiCk inc.) 構成:編集部 SXSW2019期間中、NHKエンタープライズはトレードショーで2つの展示を行い、NHKは、昨年に引き続き8Kシアターを... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.03 SXSW2019で語られた、これからの「情報」「メディア」「コンテンツ」のあり方とは

txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 新たな形の情報、メディア、コンテンツ 現在の映像とは、映画館、TV、スマートフォン、デジタルサイネー... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.02 SXSWでAmazon、Netflixら新興勢の巨大プロモ合戦〜VOD勢力図に動きあり

txt:萩原明子 構成:編集部 引き続きSXSW Film部門について見ていこう。「SXSW2019」3月8日から17日まで行われた期間中、会場の内外で目立った動きをみせてい... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.01 変化が止まらないSXSWには多様性しかない

txt・構成:編集部 SXSWとは、そもそも何なのか? SXSW2019(The South by Southwest:サウス・バイ・サウスウエスト)が今年も3月8日よ... 続きを読む

特集記事

NAB2019 NAB2019
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会「NAB2019」をレポート。
SXSW2019 SXSW2019
テキサス州オースティンで開催されたSXSW2019をレポート。
CP+2019 CP+2019
パシフィコ横浜にて開催されたカメラと写真の総合展示会「CP+2019」をレポート。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
いまだから知っておきたいフィルムの現状や伝統的な技術などを紹介する。
CES2019 CES2019
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2019をレポート。
PRONEWS AWARD 2018 PRONEWS AWARD 2018
2018年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
10万円以下のジンバル選び 10万円以下のジンバル選び
一層注目が増している小型カメラジンバルをDJIやZHIYUN、FEIYU TECH、FILMPOWERの4社5機種に渡って比較紹介。
Inter BEE 2018 Inter BEE 2018
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2018の歩き方 InterBEE 2018の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
新世紀シネマレンズ漂流:最新単焦点レンズ編 新世紀シネマレンズ漂流:もの作りの現場から
「新世紀シネマレンズ漂流:最新単焦点レンズ編」の続編。前回紹介することができなかったシネマレンズメーカーを取材。
Photokina2018 Photokina2018
ドイツ・ケルンメッセで開催されたスチルカメラの祭典 Photokina2018をレポート。
IBC2018 IBC2018
オランダ・アムステルダムで開催された欧州最大の映像・放送の展示会IBC2018をレポート。
映画「万引き家族」〜撮影部と撮影監督の眼差し 映画「万引き家族」〜撮影部と撮影監督の眼差し
「万引き家族」はいかにして生まれたのか?今回の特集ではその制作側を覗いてみる。
SIGGRAPH2018 SIGGRAPH2018
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会SIGGRAPH2017をレポート。
BIRTV2018 BIRTV2018
中国・北京で開催されたアジア地区ではInterBEEと並ぶ大規模な放送機器展 BIRTVをレポート。

トップ > 特集 > [SXSW2018]Vol.08 SXSWを楽しむための秘訣は、全てに争わないこと。五感で感じること