PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [Digital Cinema Bülow VII]Vol.10 Cine Gear探訪5:栁下隆之編〜レンズ、アクセサリーで気になったもの

News

[Digital Cinema Bülow VII]Vol.10 Cine Gear探訪5:栁下隆之編〜レンズ、アクセサリーで気になったもの

2018-06-13 掲載

txt:栁下隆之 構成:編集部

暑い!熱い!会場から

いやいや、これは参った!と思うほどの、2日目の入場もまさかの行列。入り口のセキュリティーチェック待ちなのだが、10時開場の20分前に並んで、入場したのは10時15分を過ぎた頃。来場者の多さをこんな所でも感じてしまう。そしてなんと言っても日差しが暑い!これぞCine Gearの醍醐味だ!

アメリカが潤沢な予算で贅沢な撮影ばかりか、といえば答えはNOなのだろう。SonyのFS系や、PanasonicのEVA1などと組み合わせた展示も多く見かけた。これはもちろんターゲットユーザーを意識してという訳だから、間違った推察ではない筈だ。一眼系も見るには見るが、ほとんどがサブカメラ的ポジションで、インディーズ系とは言えトレンドは、一眼から大判センサーのビデオカメラに移行している様に感じた。

ATOMOSブースではProRes RAW推し。PXW-FS5やEVA1などのRAW出力をProRes RAW収録する展示が注目を集めていた。EVA1に取り付けられたSHOGUN INFERNOの5.7Kの表示を見て質問する来場者に、ブースの担当者が忙しなく応対していた。

ちょっと気になる物も発見。アングルコネクター&スパイラルのSDIケーブル。これはカメラ周りの配線がスッキリしてなかなか良さそう。

レンズに関わるアクセサリー類で欠かせないのがワイヤレスレンズコントロールシステム。以前はARRIに加えて、HEDENやBetzといった大手メーカーのみであったワイヤレスレンズコントロール市場に新興メーカーが多く参入してきている。

今までは高価なものが多く、レンタルで我慢せざるを得なかったが、会場で面白いものを発見した。

TILTAのNUCLEUS-Mは、2モーター+ハンドホイール+コントロールグリップで、たったの$1199。追加のモーターが$300と耳を疑ってしまう価格。ハンドホイールは電子的にマーカーを打ったポイントに達すると、微振動して合焦した事を教えてくれる機能があり、なかなか便利そうな印象。

コントロールグリップもワイヤレス仕様で、ショルダーリグに組む以外にも、三脚やジブアームとの組み合わせでも使い勝手が良さそうだ。国内の電波法適合の問題あるので、我々が簡単に手にする事はないかもしれないが、汎用性の面でも撮影技法の幅が広がるに違いない。これも、FUJINON MKやSIGMAのシネマレンズの普及と共に、こういった製品の需要の高まりを受けての事だろう。

EマウントとXマウントで使用経験のあるMKズームレンスは、サードパーティ製品ながらm4/3マウントに改造した物が展示してあった。昨年FS5を導入し、今年GH5を追加導入した筆者としては、FS5とGH5でレンズが共用出来る事を考えれば、合わせて導入の価値有りと見た。バックフォーカス調整の出来るMKレンズだからこそ、ユーザー自身で交換出来るサードパーティアイテムが生きるという物。

しかし、製品保証の対象外となる旨は理解の上で使用する必要がある事を理解しておきたい。GH5の画質を生かす上でも、優れたレンズの組み合わせが急務と感じていただけに、こういったメーカーの展示は良き助けとなる。

各社から出揃ったOver Full 35mmセンサーカメラ。その対応を謳うレンズ群も数多く展示されいたので、新規導入を検討するレンタハウスなども多い事と思う。そんな中、アイデア商品とも言えるのが、FUJIFILMブースでも見かけたDuclos Lenses社のPL to PLマウントの1.7x Expander。

Duclos Lenses社自身のブースでは、RED MONSTROセンサーとの組み合わせで展示。モニターを見ながら画質の状態などを確認出来た。FUJINON HK24-180との組み合わせでは、筆者の主観ながら1Stop程絞れば周辺も良好で、ベース感度の上がった現在のデジタルシネマカメラならではの使い方だと感じた。8K FFで運用したい場合にレンズの選択肢が大きく広がる事は大変好ましい。

あっという間の2日間、多くの情報をインプットした訳だが、これを自分なりに身近な制作物に応用出来るかが鍵となるだろう。

おまけ~Stabilizer Gear Expo

さて、もう一つ楽しみにしていたのが、Stabilizer Gear Expo。過去いくつか場所を変えて開催されていたのだが、昨年からTiffen社がSteadicamのテクニカルセンターの駐車場を解放し、オープンハウスを兼ねて開催している。いわゆるステディカムオペレーターや、スタビライザーでの撮影に関わる者達が集まる祭典である。

ステディカムブランドに限らず、類似製品からブラシレスジンバルまで、多くのスタビライザーが集まり、そのアクセサリーも多く展示されていた。

会場に着いたら先ずは振舞われていたBBQで腹ごしらえ、これで4日連続ハンバーガーを食した事に。これも渡米の楽しみの一つ。

移動車も見どころの一つ。専用に作られた製品をレンタルする会社や、分解して運べる製品を展示する会社などみて色々と吟味。日本では中々見かけないが、ステディカムに限らずスタビライザー全般で使えるだけに、多くのレンタル会社で導入を検討して頂きたい。

ARRIのMAXIMAやDJIのRONIN-2でReady Rigを試す人々。プロのオペレーター達だから当たり前といえばそうなのだが、上手いという以上にブームレンジや感触を熱心に試していた。

ステディカムのモニターの定番、Transvideo。下方向からの視野角が広いのが特長で、ステディカムに搭載するなら見逃せないスペック。高輝度と同時に視野角はとても重要である。値段の高さがネックであるが、それを補って余り有る性能。

最後はガジェット的アイテム、DJIのRONIN-Sで締めくくりたい。歩いたり小走りしたりで試してみたが、安定感もあり直感的に操作出来るリニアな操作感は進化を感じざるを得ない。

同類の他社製品からは一歩抜きに出ている印象で、重さこそ気になるが、3.6kg搭載時に時速75kmでの移動で安定するスペックで、移動速度を抑えれば4kg以上でも搭載できるという。今後はフォーカスコントローラーとの連動や、様々なアクセサリーで応用的な使い方にも順次対応して行くそうだ。搭載カメラは限定されるが、狭い屋内や車内での撮影に加えて、小型のジブアームのリモートヘッドとしての応用など、ユーザーの工夫次第で様々な使い方が生まれて来るだろう。

さて、コンパクトな日程で展示会だけを目的に4泊で渡米した訳ですが、それだけの価値ある内容だったと思える満足感があった。日本からでもアクセスしやすい立地と日程で、趣旨こそ違えどNABよりは気軽に行ける展示会なので、来年は皆さんも足を運んで見ては如何だろうか。

などと、自身の備忘録的にこの原稿を書きながら、機材の導入計画を考える、そんな帰国後の楽しみに浸ってます。

txt:栁下隆之 構成:編集部
Vol.09 [Digital Cinema Bülow VII] Vol.01

[ Category : , ]
[ DATE : 2018-06-13 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[CES2020]Vol.11 Crystal LEDとAtom Viewで実現するヴァーチャルセット最前線~まさにリアルを超える?!

txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部 リアルとバーチャルの境目がなくなる影像制作 CES 2020はそれまでのCESの歴史から大きくシフトを宣言している年であ... 続きを読む

[CES2020]Vol.10 テレビ局が不在でも完全に8Kが主流のCES2020

txt:江口靖二 構成:編集部 CES 2020の主流が「8K」となった理由 CES 2020では完全に8Kが主流である。グローバルで市場を牽引する中国とアメリカでは、... 続きを読む

[CES2020]Vol.09 「次の10年のエンターテインメント・プラットフォーム」とは?〜モバイル向け動画配信サービスQuibiスタート直前

txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 モバイル向けストリーミングサービス「Quibi」とは? 生活を変えるテクノロジーのショーケースとして... 続きを読む

[CES2020]Vol.08 日常が“つながる”と意外なものがメディアになる?未来の生活を彩るものたち

txt:平野陽子 (大広) 構成:編集部 2020年1月7日~1月10日、米国ラスベガスにて「CES 2020」が開催された。すでに多くのメディアで語られているが、再度振り返... 続きを読む

[CES2020]Vol.07 人工人間、身体性が問われるテクノロジー「NEONプロジェクト」

txt:西村真里子 構成:編集部 CES 2020で注目のテクノロジー「NEON」とは CES 2020の日本のスタートアップが出展するEureka Parkに... 続きを読む

[CES2020]Vol.06 目の付け所がAIなプロダクトが続々登場〜会場から見えてくるAIプロダクト達

txt:江口靖二 構成:編集部 進化する画像センサーがより良い未来を作る サムスンの「Ballie」は目の付け所がサムスンなプロダクトだ。百聞は一見にしかず、サムス... 続きを読む

[CES2020]Vol.05 航空会社として初基調講演。デルタ航空が考えるイノベーション〜パラレル リアリティ ディスプレイ

txt:江口靖二 構成:編集部 航空会社として初めての基調講演 CESでのキーノートには、例年家電メーカーであったり、インテルやクアルコムのようなチップ系のメーカー、最近では自... 続きを読む

[CES2020]Vol.04 より多くの人を集めるために〜CESにおける「見せ方」と「ブランディング」効果とは?

Audiのブースは上からキラキラしたリボンが無数に装飾されており、否が応でも足を踏み入れたくなる txt:清水幹太 構成:編集部 来場者の気を引く“見せ方”は多種多様 ... 続きを読む

[CES2020]Vol.03 一般化を迎えたカテゴリーに花開く、味わい深いプロダクトたち〜展示会スタート

txt:清水幹太 / 編集部 構成:編集部 いよいよ展示会が始まる MediaDayが終わり、CES展示会場での展示がいよいよ始まった。CESの他の展示会と大きく違う点... 続きを読む

特集記事

CES2020 CES2020
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2020をレポート。
PRONEWS AWARD 2019 PRONEWS AWARD 2019
2019年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
Inter BEE 2019 Inter BEE 2019
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2019の歩き方 InterBEE 2019の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
フィルム撮影の経験をしたい人に向けてフィルム撮影で必要な各種の工程について解説していく。
IBC2019 IBC2019
欧州最大の業務用映像・音響の専門展示会「IBC2019」をレポート。
新世紀シネマレンズ漂流 新世紀シネマレンズ漂流
シネマレンズを中心に一眼やミラーレスデジタルカメラの動画撮影機能と組み合わせて使われる交換レンズの最新動向を紹介する。
BIRTV2019 BIRTV2019
中国・北京の中国国際展覧中心で開催された展示会「BIRTV 2019」をレポート。
SIGGRAPH2019 SIGGRAPH2019
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会SIGGRAPH2019をレポート。
QBEE2019 QBEE2019
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
4K・8K映像技術展Report 4K・8K映像技術展Report
東京ビッグサイト青海展示棟にて開催された4K・8K映像技術などの最新技術が一堂に出展する「通信・放送Week2019」をレポート。
DSJ2019 DSJ2019
幕張メッセで開催された国内最大のデジタルサイネージの展示会「DSJ2019」をレポート。
Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019 Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019
米国ハリウッドのパラマウントスタジオ内で開催された映画撮影機材の専門展示会「Cine Gear Expo」をレポート。
After Beat NAB SHOW 2019 After Beat NAB SHOW 2019
東京・秋葉原のUDXにて開催されたAfter NAB Show 2019をレポート。
NAB2019 NAB2019
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会「NAB2019」をレポート。

トップ > 特集 > [Digital Cinema Bülow VII]Vol.10 Cine Gear探訪5:栁下隆之編〜レンズ、アクセサリーで気になったもの