PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [DSJ2019]Vol.03 気になる表示装置と気になるアナ・デジ変換技術

News

[DSJ2019]Vol.03 気になる表示装置と気になるアナ・デジ変換技術

2019-06-20 掲載

txt:江口靖二 構成:編集部

シブくて新しい展示たち

DSJは言うまでもなく日本最大のデジタルサイネージのイベントだ。デジタルサイネージには何かしらの表示装置が必要だ。LCDやLED、プロジェクターを使うのが一般的だが、新しいデバイスや新しい表現方法がDSJ2019ではいくつか提案されていた。

また、今年から同時開催のNext Retailingには、デジタルサイネージ用途だけとは限らないが、シブくて新しい展示を見つけたので紹介しておきたいと思う。

ソニーのCrystal LEDがDSJに初登場

DSJ初登場のCrystal LED

ソニーのCrystal LEDがDSJに初めて展示された。CLEDISという名称だった頃も含めて初登場である。CESやNAB、IBCなどではお馴染みなのだが、本丸とも言えるDSJでははじめてなので、案外日本のデジタルサイネージ関係者の間では「初めて見た」という声を多数聞いた。彼らは一様にその映像に驚いていたようだ。現時点ではその美しさは突出しているが、価格がネックで導入が進んでいる状況ではない。製造コストの関係だと思われるが、導入が進むことをとても期待している。

HDMI入力できる電子ペーパーも初登場

デジタルサイネージにおいても、以前から電子パーパーのメリットは指摘されてきているが、実導入はほとんどない状況であった。DSJ2019ではクレアたけびしからHDMI入力できる大型電子ペーパーが登場した。これまで電子パーパーのデジタルサイネージ利用の最も大きな課題は、汎用的なHDMI信号のインターフェイスをデフォルトで搭載したものがなかったことだ。これは結構致命的で、デジタルサイネージにおいては出力側がSTBかPCを使うケースが大部分なので、それに直接つなぐことができなければ選択肢からは外されてしまう。

画面サイズのラインナップは豊富だ

今回電子ペーパーがHDMIに対応したことで導入に大きく前進することが期待される。もちろん視認性、カラーの問題、動画の速度には追従できないなどの課題は残るが、超低消費電力、電源遺失しても表示が維持されるというメリットを活かせる場所に対してどれだけ導入が進むかどうか。

グレースケール16階調

パナソニックのデジタルサイネージを利用した洗練された空間演出

パナソニックブースでは、プロジェクターとLCDのコラボレーションによる空間演出が更に進化した印象だ。これもあって今年の「DSJブースアワード」のグランプリを受賞した。LCD部分にはプロジェクター側でマスクを切って、プロジェクションされないようになっている。実際にはマスクなしでも映像によってはLCDの明るさが勝るので気にしなくて良いこともある。

パナソニックで新鮮だったのがこちらの照明器具だ。これは最初プロジェクターだろうと思ったのだが、そうではなくLCDである。真ん中にLEDランプの光源があり、本物の照明器具のようにカバーの部分がLCDになっているというもの。上部にプレイヤーがあり、4面に画像を表示している。ビデオでどこまで伝わるかわからないか、本物の照明の雰囲気そのままで可変される自然さが心地よい。カルーセルみたいにくるくる回るアナログ照明に近く、自己発光の普通のLCDやLEDのようなギラギラ感がなく、本当に自然雰囲気である。これはディスプレイではなく変化する照明と言うべきだろう。四隅が減光するのが逆に照明っぽくていいさらに雰囲気を醸し出している。

まだ試作段階とのことで、ハードウエア単体売りや、コンテンツも含めた提供など、市場の反応を見ながら検討していくと言うことだ。価格についても未定。個人的には価格、商品設計と販売ルートをきちんと構築できれば、相当の潜在ニーズがあると感じた。

工夫次第でインパクトが大きいシースルーディスプレイ

こちらはGSジャパンのシースルーLEDディスプレイだ。画面の大きさ、解像度などが旧来のものに比べてかなり向上している。こうしたシースルーディスプレイは、ディスプレイの向こう側が透けて見えるから意味がある。これくらいの大画面になると、時々映像が消えて向こう側(だけが)が見えるとか、視認位置によるだろうが、向こう側と重なってはじめて意味を成す映像演出などを、考えればかなりインパクトがあるに違いない。こうした展示の場でこそこういう利用例を提示するべきではないだろうか。

目からウロコのアナログ・デジタル変換

今年からDSJと同時開催されている新企画「Next Retailing」エリアに、何やら年配の技術者が集まっているブースがあった。ビズライト・テクノロジーのブースである。

やっていることはひたすら単純で、安いUSBカメラでアナログのメーターを撮影し、Raspberry Piを搭載したIoTゲートウエイで数値を読み取るというもの。AIでもなんでもない単なる画像認識で十分認識ができる。これはデモのために、撮影されたカメラ画像を画像認識させているところをあえて見せている。ちょっと見にくいが、針の下の部分にメーターの認識結果として、赤い文字で「4.53V」と表示されている。これが欲しい電圧データとなる。

画像認識でメーター数値を読み取っている 懐かしいアナログ電圧計の正面にUSBカメラを置く

これは一体何の役に立つのか、わからない方も少なくないだろう。たとえば既存の工場などではセンサーでもなんでもない計測器、いやメーター類が山ほど存在する。電圧計や電流計、圧力や温度あたりがその主流だ。これらは人間が目視をして生産管理をしている。

ところが昨今の技術革新で、こうした現場にも自動化やIoTの波が押し寄せている。その際に計測データをリアルタイムで新システムに渡したいと思ってもこれが案外難しい。新たに別にセンサー類を仕込むということになるが、それが実際にはそんなに簡単なことではない。FAの現場を知っていれば容易に想像できることだろう。そこでメーターをカメラで読んでアナログ・デジタル変換させればいい、という話しだ。

この考え方は案外重要だ。カメラというのは視覚の代替なので、物理的な設置場所さえ確保できれば、既存のシステムや生産ラインには一切手を触れる必要がない。視覚で認識できるものであれば、画像認識なり必要であればAIで読み取ることが当然できる。これはメーターに限らず、交通信号機でも実はデジタル化されていないLCDの表示内容であっても構わない。

面白いのはすぐ隣では本物のディープラーニングによる缶ビールのリアルタイム認識のデモも行っている。こちらはRaspberry PiとVPUスティックだけで実現されていて、使っているハードウエアの原価は2万円以下だ。これら2つのデモのハイテク感とアナログ感のギャップが不思議な光景なのであった。

サラッとデモを行っているが、実はかなり高度な内容であることが分かる
txt:江口靖二 構成:編集部
Vol.02 [DSJ2019] Vol.01

[ Category : ]
[ DATE : 2019-06-20 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[BIRTV2019]Vol.09 DJI、Zhiyun Tech、FeiyuTech、MOZAの4大ジンバルメーカーに注目

txt・構成:編集部 FeiyuTech、未発表のジンバル「AK3000」を参考展示 BIRTVの展示会場で見逃せないのは、DJI、Zhiyun Tech、Feiy... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.08 Pilotfly、カメラをあらゆる方向に向けてもモニターの角度は保てるスマートトラッキングローラー「Pilotfly Cavalier」を展示

txt・構成:編集部 モニターやライトを一定方向に固定可能な「Pilotfly Cavalier」 Pilotflyは2013年設立の台湾を拠点とするブランド。主力... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.07 Aputure、LS C300dより20%明るくなった人気のLEDライト「LS C300d II」を展示

txt・構成:編集部 人気のLEDライトが更に明るくなって新登場 LEDライトメーカーのAputureは、ここ数年間で世界中のクリエイターが注目する急成長中のブラン... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.06 FalconEyes、さらなる大型化を実現したシート型LED新製品2機種を展示

txt・構成:編集部 もっとも大きなシート型LEDの新製品「RX-120TDX」が登場 FalconEyesは、香港に本社を置くスタジオ機器の老舗メーカーだ... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.05 Tilta、腕の負担を軽減するジンバルスタビライザのサポートシステム「Armor Man 3」を展示

txt・構成:編集部 さまざまなメーカーのジンバルシステムに対応し、重量を吸収して長時間撮影を実現 中国のアクセサリーメーカーの中でも、もっとも勢いがあるメーカーといえ... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.04 富士フイルム、AF機能を搭載した4K対応放送用レンズ「FUJINON UA107×8.4BESM AF」を初公開

txt・構成:編集部 8K放送用レンズの展示が人気 中国の中国工業情報化部は、2022年までの4Kテレビと8Kテレビの販売台数を盛り込んだ「超高精細映像産業発展行動計画... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.03 ニコン、Noct0.95大口径レンズやフルフレーム対応ミラーレス用ProRes RAWソリューション展示

txt・構成:編集部 0.95の浅い被写世界深度で被写体を強調できる「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」を展示 ニコン(NIKON IMAGING... 続きを読む

[BIRTV2019]Vol.01 ソニー、3板式4Kイメージセンサーを備えたグローバルシャッター搭載「PXW-Z750」を世界初公開

txt・構成:編集部 中国開催の展示会「BIRTV 2019」 8月21日から24日までの5日間、中国・北京の中国国際展覧中心で「BIRTV 2019」が開催された。B... 続きを読む

特集記事

新世紀シネマレンズ漂流 新世紀シネマレンズ漂流
シネマレンズを中心に一眼やミラーレスデジタルカメラの動画撮影機能と組み合わせて使われる交換レンズの最新動向を紹介する。
BIRTV2019 BIRTV2019
中国・北京の中国国際展覧中心で開催された展示会「BIRTV 2019」をレポート。
SIGGRAPH2019 SIGGRAPH2019
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会SIGGRAPH2019をレポート。
QBEE2019 QBEE2019
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
4K・8K映像技術展Report 4K・8K映像技術展Report
東京ビッグサイト青海展示棟にて開催された4K・8K映像技術などの最新技術が一堂に出展する「通信・放送Week2019」をレポート。
DSJ2019 DSJ2019
幕張メッセで開催された国内最大のデジタルサイネージの展示会「DSJ2019」をレポート。
Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019 Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019
米国ハリウッドのパラマウントスタジオ内で開催された映画撮影機材の専門展示会「Cine Gear Expo」をレポート。
After Beat NAB SHOW 2019 After Beat NAB SHOW 2019
東京・秋葉原のUDXにて開催されたAfter NAB Show 2019をレポート。
NAB2019 NAB2019
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会「NAB2019」をレポート。
SXSW2019 SXSW2019
テキサス州オースティンで開催されたSXSW2019をレポート。
CP+2019 CP+2019
パシフィコ横浜にて開催されたカメラと写真の総合展示会「CP+2019」をレポート。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
いまだから知っておきたいフィルムの現状や伝統的な技術などを紹介する。
CES2019 CES2019
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2019をレポート。
PRONEWS AWARD 2018 PRONEWS AWARD 2018
2018年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
10万円以下のジンバル選び 10万円以下のジンバル選び
一層注目が増している小型カメラジンバルをDJIやZHIYUN、FEIYU TECH、FILMPOWERの4社5機種に渡って比較紹介。

トップ > 特集 > [DSJ2019]Vol.03 気になる表示装置と気になるアナ・デジ変換技術