txt/movie:MonkeyHills(岡英史&猿田守一) 構成:編集部

QBEE初日を迎えて

QBEEの始まりはいつも雨、レインマンは誰だ?!

QBEEが他の展示会と比べて一番良いところはその会場の大きさだろう。昼から来ても1日で全てを回りきれるその手頃なサイズだと思う。InterBEE位の大きさになるとさすがに1日で全部回ることは不可能だ。自分の興味ある分野を吟味しなければならない。結果的に自分の得意分野でしかその知識も増えないがQBEEの会場なら全てをバランス良く見ることができるため、意外と面白い発見ができる。さらに上半期に発表された新機材がこっそり置いてある可能性も高い。何よりもメーカーの人間との距離感の近さが一番のメリットと言える。

Panasonic

やはり一押しはAU-EVA1一択と言って良い。ファームも新しいVer2.5を搭載し、暗部のノイズがかなり軽減された。EVA1の素直さはセンサーで撮った映像をそのまま出力し、その分ノイズも一緒に出力されるが、それをポストで処理せず内部で簡易的に処理を行う。Cine Gearで見たデモではその差は歴然。残念ながらQBEEでは見ることができなかったが、InterBEEではその環境を会場に作りデモをする事を考えているとのこと。その他はNDI製品の充実さが目を見張った。

Sony

なんと言ってもNABで発表された4Kハンドヘルド2機種が一番の目玉製品。ようやくハンドヘルド機でもしっかりとした4Kロケが出来るのは良い事だ。PXW-Z280は1/2inch×3CMOSの高感度が映える。

また先日のSony内覧会で展示していたスマホを使ってのインカムシステムの参考出品。P2Pでのアプリはよくあるが、これはクラウドを使ったグループ通話が可能なもの。InterBEEまでに製品化を目指している。

Canon

今回は特に新製品的なものは無いが、そんな中でCINEレンズであるCN-E20mm T1.5 L Fの実機展示が行われていた。これで14mmから135mmまで一揃えラインナップが出来た事になる。EFマウントがメインなのでシネマEOSとの連携は抜群に良い。

ブラックマジックデザイン

今回は1Fと2Fの2箇所で展示。NAB発表で話題となったPocket Cinema Camera 4Kの展示は2Fで展開(翌日は1Fで展示よていとのこと)。なぜ両方でやらないのかと尋ねると、単純に実機がまだ日本に1台しか無いからだという。前機種のPocket Cinema Cameraと比べると二回りほど大きくなった筐体は、今回のモデルから写真を取ることが可能になったのが個人的には一番のツボ。

ローランド

多機能マルチ録音が特長のV-60HDがようやく外付けのフェーダー(トモカ電気社製)に対応となった。これによりPCで操作していたSDI/HDMIのエンベット音声を物理的に手で扱うことができる。オーダーはローランドではなくトモカ電気に直接「V-60HD用」とオーダーして欲しいとのこと。

IDX

昨年から参考出品だったバッテリーをようやく新製品として展示。サードパーティのVマウントならこのメーカーを選んでおけば間違いないだろう。今回特に目を引いたのはTVLogic製のメディアバックアップシステム。複数のSDカードやCFカードを外付けのHDDやSDDにワンアクションでバックアップしてくれる優れ物。

朋栄

放送業界では痒い所に手が届く製品を出しているのが朋栄だ。今回の目玉は展示会初お目見えのとなるビデオサーバーの展示。とはいえ、ここのメーカー製品はスタンドアローンで使うよりシステムで使わないと意味がない。

ヴァイテックイメージング(Manfrotto)

Nitrotech N12は日本の展示会では初お目見え。N8と比べるとカウンターバランスの荷重だけの違いでN12の文字を見ないと筐体も細かいところが少々違うだけなので全くわからない。耐荷重は4~12kg。

さらに目をみはるのはVRカメラ用の三脚。そのラインナップが大小色々あり、上に乗せるVRカメラに合わせて選択すれば良い。

平和精機工業

久しぶりに新三脚システムの展示があった。通常の物より足の部分がかなりコンパクトになったミニペデスタルを展示。ミニサイズのスタジオにはまさにぴったりな大きさだが、その機能は通常の物となんの違いも無い。

初日の所感

昨日の荷物の遅配もほとんどのメーカーが夕方遅めの時間に全てが届き、無事に初日開催を迎えることができた。やはり今回も色々なメーカーが上半期に発表・参考展示物が実機可動で出展しているメーカーが多かった。そして毎年残念に思う部分はプレスルームが無いこと。ここだけはなんとかして欲しいものだ。

txt/movie:MonkeyHills(岡英史&猿田守一) 構成:編集部


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