txt:稲田出 構成:編集部

RAID

RAIDはSmallHD社のCINE-7やocus7などのフィールドモニターのほか、Teradek社のワイヤレスシステムBolt4K、Ace500、Focus7 Bolt、Teradek RTなどを出展。また、BEBOB社Bマウントバッテリー、Bright Tangerine社の各種カメラアクセサリーなども出展した。

もちろんREDの最新カメラも出展しているが、いまのところ今年は大きなバージョンアップなどは予定していないとのこと。なお、Apple Final Cut Pro Xで利用可能なCODEX社のNLEカラーグレーディングツールColor Synthと専用キーボードとしてCodex Keys Control Surfaceを組み合わせたシステムによるデモも行われていた。

CODEX社のNLEカラーグレーディングツールColor Synth。色温度、リフト、ガンマ、ゲインおよびオフセットのほかRGBバランスや露出、彩度、コントラストトーンカーブなどの操作が可能

Codex Keys Control Surface。Color Synth用のオプションキーボード

SmallHD社のCINE-7はARRI Alexa MiniやAmiraのコントロールができるようになっており、ブースではAmiraにセットした状態で出品。REC Start/Stopのほか、ホワイトバランスやシャッター角度、露出などの設定がCINE-7のスクリーン上で行う事が可能。REDやソニーのカメラのコントロールも予定されている

Teradekワイヤレスビデオレシーバーが搭載された7インチモニターFocus7 Bolt。Teradek Bolt 500トランスミッタやSmallHDトランスミッタ/モニターからの映像を受信することができる

Bright Tangerine社チタン製の軽量ロッド。マットボックスやフォローフォーカスなどを装着する際のロットで、チタン製にすることで大幅に質量を軽くしたもの

MEDIAEDGE

MEDIAEDGEはATOMOSの総輸入元であり、今回ATOMOSがNAB Show 2019にて発表した新製品SHINOBI SDIやATOMX SDIモジュールなどを出展したほか、NINJA VにATOMX SDIモジュールを組み合わせることで4K60pまでのSDIへの対応など、最新モデルの新機能を披露していた。HDRモニターと収録/再生機能を兼ね備えたモニターレコーダーSUMO19や5.7K ProRes RAWに対応したSHOGUN 7なども出展。

SHINOBI SDIは、5型HDR対応のフィールドモニターでHDMI1.4/HD-SDI対応により、HD-SDIのループアウトで最大100m離れたモニターで映像を確認できる

SHOGUN 7はライブスイッチング、HDRディスプレイの記録が可能なモニターレコーダーで、最大5.7Kの解像度で録画できる。ProResRAWで最大4K 120fpsおよび2K 240fpsで記録することが可能なので、超スローモーション撮影が可能。ProRes以外にDNxHRフォーマットで最大4K/60pおよび2K/240pまで10ビット4:2:2記録が可能。4つのSDI入力を備えており、Quad Link、Dual Link、Single Link接続が可能なほか、HDMI入力とHDMI出力も1系統づつ装備されているので、別のモニターにつなぎ、Dolby Vision HDR出力することもできる

NINJA Vは5.2型の1000nitタッチパネルを搭載したモニター/レコーダーでカメラのセンサー出力をHDMI 2.0で最大4K60p 10bit録画ができる。10+ stopsのダイナミックレンジで、Log/PQ/HLGの信号をリアルタイムで表示可能。正確な色でキャリブレーションできるだけでなく、HDRやSDR対応のTVに映像を出力可能

SUMO19はRAQ/LOG/PQ/HLGの出力を 10+ STOP以上のダイナミックレンジでリアルタイムに表示可能で、撮影現場でのディレクターやクライアントのためのモニターとしても使用可能。レコーダーは10bit ProRes/DNxHRで4K60p収録に対応

エーディテクノ

エーディテクノは4K30p入出力対応フルHD IPS搭載フィールドモニター55HBと75HBおよび75SBの3機種のほか、フルHD8.9型IPSパネル搭載業務用マルチメディアディスプレーLCD8901S、プラスチック光ファイバー脱着式マルチコネクタケーブルAOD-xxMシリーズを出展。参考展示としてフルHD15.6型IPSパネル搭載業務用マルチメディアティスプレーLCD1560を出展した。

また、同社が輸入販売代理店をしているDigital Forecast社の製品として簡易アナライザー機能を内蔵した5型タッチコントロールパネル搭載アップ/ダウン/クロス対応SDI/HDMIコンバーターX_TS miniや、12G-SDI/3G-SDI/HDMIコンバーターUHD_HSシリーズを参考展示したほか、Advoli社の組込型GPU搭載HDBaseTグラフィックカードも出展。

7型フルHD IPS搭載フィールドモニター75HB。1920×1200のフルHD IPSパネル採用しており、ピーキング/フォールスカラー/オーディオレベルメーター他、多彩なアシスト機能も搭載。入出力端子HDMIで、バッテリーはソニーNP-F970またはキヤノンLP-E6に対応

75SBはHDMI入出力端子のほか、3G-SDI入出力端子を搭載している

プラスチック光ファイバー脱着式マルチコネクタケーブルAOD-xxMシリーズ(左)とAHT-xxBシリーズ(右)。いずれも許容曲げ半径5mmでUHD60p4:4:4 8bit対応

Digital Forecast社簡易アナライザー機能内蔵の5型タッチコントロールパネル搭載アップ/ダウン/クロス対応SDI/HDMIコンバーターX_TS mini。Bridge X_TSの上位機種という位置付けで、Bridge X_TSでは疑似アイパターン信号表示だったが、Bridge X_TS miniは実際の信号からアイパターン表示する方式になり、より正確な伝送特性を確認できるようになった。また、アナログコンポーネントやCBCSのほかPC系のVGA/DVIは省かれ、小型軽量になっている。パネルは800×600の5インチタッチパネルを採用

12G-SDI/3G-SDI/HDMI/ファイバーなどに対応した各種コンバーター

Advoli社の組込型GPU搭載 HDBaseTグラフィックカードTB4_S。4つの1080p映像を70m伝送可能なほか、双方向型エミュレーションコントロール機能を搭載

IDX

IDXはポータブルタイプの大容量電源IPSシリーズや連結して使用できるIPLシリーズのほか、D-TapやUSB端子を搭載したVマウントバッテリーDUO-C150、バッテリーの充電状態を5段階のLED表示可能なCUE-D300などの新製品を出展。

IPSシリーズは51.8V64.0AhのIPS-3300のほか、51.8V38.4AhのIPS-2000S、25.8V38.4AhのIPS-1000S、11.1V32.4AhのIPS-400Gの3機種があり、いずれもAC100Vの正弦波インバーターや12V系や5V系など各種DC電源に対応している。取材車での映像制作現場、EFPにおける屋外ロケ、お祭りなどイベント収録を想定した、制作プロダクション向けのポータブル電源となっており、こうした用途以外にも非常用や防災、監視機器、工事現場など大容量・大電力を必要とする現場での使用もできる。このシリーズは開発企画中の製品で、仕様などは変更の可能性があるとのこと。

IPS-3300は560×450×200mm、質量約32.0Kgのトランク型となっており、正弦波出力のAC100Vインバーターにより2系統合計25Aの電源が搭載されている。これにより、DC対応以外の各種機器への電源供給が可能。また、DC出力は13.5V10Aのほか27V10A、40V~58.8V20Aが可能で、充電時間は7~8時間となっている

トランク型のIPS-1000Sは410×200×330mm質量約16.0kgで、IPS-3300と同様2系統出力のAC100V正弦波インバーターを搭載しるほか、DC出力は5V、13.5V10A、20V~29.7V10Aに対応している

連結して使用できるIPLシリーズには96Wh/14.4V/6.6AhのIPL-98および143Wh/14.4V/9.9AhのIPL-150があり、混在した連結も可能。充電もVL-2000Sのような対応充電器なら連結したままの充電が可能

最大出力154W(14A 11V時)での使用が可能なDUO-C150と最大出力191Wh(14.4V/13.2Ah)のDUO-C198。いずれもVマウントタイプリチウムイオンバッテリーでD-Tapが搭載ざれている

TVLogic

TVLogicは一昨年WonderLookProやIS-miniXなどのIS事業のすべてをWOWOWから譲り受けており、日本国内ではTVLogicの総輸入代理店IDXが販売およびサポートを担当している。ブースもIDXと並んで出展。なお、NEXTODI社の各種メモリーバックアップ製品もこちらのブースで出展されていた。

新製品のOLED7インチ小型モニターF-7H mk2と5.5インチのF-5A。輝度はF-7H mk2が3600nitで、F-5Aが500nitとなっており、3G-SDI入力に対応

NEXTODIのNC01-XX-1001 NCB-20-SDシリーズはSDおよびMicroSDを8スロット装備しており、も簡単なボタン操作でデータを安全にバックアップが可能

オンセットカラーグレーディング対応のWonderLookPro。カメラ、モニタの色空間の相互変換や、UI操作による色調整を行い、ルックを作成し、その他種々の条件を加えて必要なタイミングでLUTを作成でき、IS-miniシリーズに対応

新製品のIS-mini 4KはIS-miniXを4K/UHDに対応させた商品で、12G/6G/3G/1.5G-SDIの信号が可能なモデル。また、HDMI2.0の出力にも対応しており、民生用の4Kテレビにも直接出力可能。WonderLookProのモニターキャリブレーション機能を使えば、民生用テレビの色再現をマスターモニターに近づけて使用することができる

ATV

ATVは7月発売予定のHDMI2.0対応の4チャンネルマルチフォーマットシームレススイッチャーAV-4K-4X1のほか、SDIとHDMIを相互に変換するコンバーターAV-5SやAV-3シリーズなどを出展した。また、ビデオ会議や映像監視のほかデジタルサイネージなどにオールマイティに使える4K AVミキサーA-PRO-1や各種コンバーターを出展。

HDMI2.0対応4チャンネルマルチフォーマットスイッチャーAV-4K-4X1。1-4ch個別の画像を選択できるほか、ミックスやクアッド、ディゾルブ切替、PinP等の設定をプリセット記憶できる。入力はHDCP2.2/1.4対応のHDMI2.0で、RS-232やIR、LANによるリモート制御が可能

AV-4K-4X1によるクアッド表示

4K AVミキサーA-PRO-1。HDCP2.2に対応する4K HDMI2.0入力2系統を装備しており、Mix/Wipe/PinP/Keyerを備えた1M/Eスイッチャーとなっている。メイン入力は数ラインレベルの低遅延で、サブ入力はフレームレート変換機能を搭載している。アップコンバータ、ダウンコンバータも内蔵しているので、4KとHDの混在が可能

AV-4Kシリーズ。HDMI2.0 to 12G-SDIコンバーターAV-4K-HS、12G-SDI to HDMI2.0コンバーターAV-4K-SHのほか、HDMI2.0a対応4chスプリッターAV-4K-1X4がラインナップ

ビデオコンバーターAV-5SおよびAV-3シリーズ。フレームバッファ機能や各種ソースに自動対応、外部シンクロ、音声入出力機能を搭載したSDIとHDMIを繋ぐハイスペックコンバーターシリーズ

Too

Tooは、Adobe Creative Cloudに搭載されたAIおよび機械学習テクノロジーAdobe SenseiによるPremiere Proや、After Effectsによる新機能を紹介したほか、プロジェクト管理ツール SHOTGUNにおけるタスクの実行やアセットの管理のデモなどを行っていた。また、4K/HDR/VRに対応したHPのZ8G4を採用した編集ターンキーシステムの出展やAJAのIo|4K Plusを組み合わせたiMacPro SETなども紹介されていた。

Adobe Creative Cloudに搭載されたAIおよび機械学習テクノロジーAdobe SenseiによるPremiere ProやAfter Effectsによる新機能を紹介。色相と色相、ルミナンスと彩度などの一対の値の2本の軸で、簡単かつ正確にカラーを微調整できるセレクティブカラーグレーディングやバックグラウンドノイズやリバーブを排除してオーディオを即座に向上するインテリジェントなオーディオクリーンアップといったAdobe Premiere Pro CCの機能や詳細ピンとベンドピンを使って、アニメーションを正確にねじる、折り曲げる、湾曲させる、拡大・縮小することができる高度なパペットツールおよびAnimateとXDの緊密な連携に対応したAdobe After Effects CCなど

Autodeskの新しいクラウドベースのプロジェクト管理ツールSHOTGUN。映像・アニメ制作などにおいて、工程管理やバージョン管理のほか、レビューや仕様書のやり取りといった、チーム間の連携ツールとしても強力な機能を備えている。連番再生ツールRVの紹介などを行った。アーティスト、スーパーバイザー、管理者、開発者など、ぞれぞれの役割に適した機能をもちタスクの実行やアセットの管理に対する計画、追跡、管理をチーム全体でコラボレーションが可能

4K/HDR/VRに対応したHPのZ8G4とMatrox Mojito 4Kを採用した編集ターンキーシステム。Adobe PremierePro CC/Aftereffects CC/SpeedGrade CC/Photoshop CCによる4096×2160Pixel 60Pのリアルタイムプレビューや4K放送/納品用MXFファイル書き出し、AVCサーバー用CBG形式でのMXFファイル出力サポート、SpeedGrade上でダイナミックリンクのPremiereProクリップがカラーグレーディング、DP,連番,HDR,HLGにも対応が可能。8K編集への対応も可能でAdobe Premiere Pro CCなどが快適に操作可能

バイオス

バイオスは4K編集で快適な環境を提供するEP106TB3 Seriesと、8K編集で作業時間を改善するThunderbolt 3インタフェース対応の高速ストレージEP112TB3シリーズのほか、ICカードとパスワードで保存ボリュームのロックを解除する他にはないセキュリティー対策ポータブルハードディスクEP25CB3シリーズなどを出展した。

EP25CB3は重要なデータの流失を防ぐこうしたセキュリティー対策のほか、保管や持ち運びに便利な専用プラケースに入っており、収納や保管なども配慮されている。なお、バイオスではメルコグループの強みを生かしたデータ復旧サービスもオプションも用意しており、ローカルでのデータ保管に適した製品やサービスを提供。

Thunderbolt 3インタフェース対応の高速ストレージEP112TB3シリーズ。12台のHDDとハードディスクの寿命まで延命させるスポットリカバー技術により高速性と安全性を両立しモデル。RAID 6設定完了状態で出荷されるので到着したその日から利用可能。また、1年間のオンサイトライト保守がバンドルされている。ブースではブラックマジックデザインのDavinci Resolveによる8K60pのデモが行われていた

重要なデータの流失を防ぐ高度なセキュリティー対応のEP25CB3。ICカードでセキュリティを解除できるので面倒なパスワードが不要。またオプションのセキュアロックマネージャー2を使用することでさらに高度なセキュリティポリシーの設定が可能。記録されたデーターも強制的に暗号化することでHDD単体にしてもデータを読み出せないようになっている。モバイル用途を考慮し内部の衝撃性吸収シリコンゴム+高剛性シャーシの効果による高い対衝撃性を実現。またIPX3相当の防雨設計およびIP5X相当の防塵設計となっている

JX2000/LTO8Hは非圧縮時1.5TB、圧縮時3.0TBのデータ書き込みが可能なテープバックアップディバイスで、暗号化アルゴリズムはブロック暗号・ストリーム暗号の他、電子政府推奨暗号の一つであるAESに対応しており、暗号化と圧縮機能を併用することでセキュリティー効果が向上

Thunderbolt 3-ATTOの40GbEthernetブリッジとクラスターネットワークストレージサーバーの組み合わせによるネットワークストレージシステムのデモ。階層化技術を用いることで、ファイルを使用頻度に応じてローカルのストレージとクラウドに配置し、膨大なデータをシームレスに共有できるTiger FANやコスト効率に優れたファイルアクセスと高度なファイル管理環境を実現するFAN(File Area Network)などをアピール

クラウディアン

クラウディアンは最先端のシステムとデータ管理機能を装備した、CLOUDIAN HYPERSTOREシステムを出展。クラウディアンHYPERSTOREは、メディアエンターテインメントコンテンツおよび4K/8Kなどの莫大に増え続ける資産データの保存やメタデータの自動タグ付け、保存されたメディアの検索に最適なスケールアウト型アクティブアーカイブ用ストレージ製品。相互接続性やデータ保護、運用効率を高める豊富な機能を備えている。

クラウドストレージサービスAmazon S3インタフェースと完全互換のオブジェクトストレージサービスとなっており、APIを経由することで様々なサービスを付加して運用することができる。ちなみに同社は日本発祥の会社だが現在本社はアメリカにあり、アメリカのNBCやボストンの公共放送局WGBHなどで導入されている。

ビデオプロダクションではインジェストからアーカイブまでのストレージとして利用可能

例えばマルチカメラでの収録ではローカルのストレージからCLOUDIAN HYPERSTOREシステムへ場所を選ばずに安全にアクセスし、データを転送することが可能

こうしてCLOUDIAN HYPERSTOREシステムへ転送されたデーターは各社のアセットマネジメントシステムで管理・連携することができる

CLOUDIAN HYPERSTOREシステムは自動階層化や災害対策、共同作業などを簡単に行う事が可能で、70%ほどコストを低減することができる

ポストプロダクション業務において様々なアプライアンスパートナーとの連携が可能

トランスコーディングや自動メタタグ付け、品質管理などの各段階もクラウドサービス内で完結することができる

AvidやAdobe、Apple、Grass Valleyなど主要な編集ツールを使って遠隔地からアクセスすることができる

ハードウェアは作業を止めることなく柔軟に拡張することが可能

txt:稲田出 構成:編集部


Vol.01 [After Beat NAB2019] Vol.03